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投稿日:2025年06月01日
投稿日:2025年06月01日
年間約7800コマの授業品質を支える仕組み──グロービス経営大学院のファカルティ・グループとは何か?
- 本橋敦子
- グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
グロービス経営大学院(東京都千代田区)は、「テクノベート時代の世界No.1 MBA」を掲げ、日英合わせて累計卒業生1万人を超える国内最大規模のビジネススクールです。
その高い教育品質を支える教育の中核的な組織が「ファカルティ・グループ(FG)」です。
この記事では、教育の根幹を担うFGの全体像と役割、AIやテクノベート領域との連携、そして大学院教員とグロービス・グループの研究員の協働によって実現される年間約7800コマの高品質な授業の背景について解説します。
この記事からわかること
- 「ファカルティ・グループ(FG)」の全体像と役割
- 教育の質を担保する講師育成・教材開発の仕組み
- AI・テクノロジーを活用した教育イノベーション(GAiMERi・TechMaRIの取り組み)
- ナノ単科に象徴される教育DXの実践と成果
- 教育・研究・社会実装が連携する「経営知のエコシステム」とは何か
多様な教育ニーズに対応する「ファカルティ・グループ(FG)」の全貌
FGは、グロービス経営大学院の教育・研究体制を支える専門組織で、以下のような特徴を持ちます。
- 7つの専門領域別グループ(ヒトFG、モノFG、カネFG、創造FG、思考FG、志FG、テクノベートFG)に分類され、それぞれに教員とグロービス・グループの研究員が所属。
- 大学院教育のみならず、法人研修やEdTech事業、ベンチャーキャピタルなど、グロービスの多様な事業と知見を交換。
具体的な役割としては以下が挙げられます。
- 講師の採用・育成・登壇支援:年間を通じて質の高い教育を担保するため、社内外から講師を採用し、研修や授業同席などを通じて支援します。
- 年間約7800コマの授業を支える教材・コンテンツ開発:大学院教員とグロービス・グループの研究員が協働でテキスト、ケース、スライドなどを含む教材の企画・制作・改訂を担います。
- 研究活動の企画・運営と発信:各ファカルティ・グループが専門領域における知見を発展させ、社会や教育現場へと還元します。
- 研究機関(GAiMERi・TechMaRI)との連携:知の探求と教育現場への実装を統合し、新たな教育モデルの創出をリードしています。
FGは教育部門という枠にとどまらず、グロービス全体の教育・研究・発信をつなぐ中核的ハブとして機能しています。
GAiMERi・TechMaRI──未来を切り拓く知の研究拠点
FGはまた、グロービスの2つの研究機関──GAiMERi(グロービスAI経営教育研究所)とTechMaRI(テクノベート経営研究所)の運営も担っています。
GAiMERi:AIで教育を再構築する研究拠点
2017年に設立されたGAiMERiは、AIや認知科学、教育工学の知見を活かし、次世代の経営教育モデルを開発しています。
主な研究テーマは以下の3点です:
- 学習データの収集・可視化・分析評価
- 対話型・記述型学習プロセスのAI最適化
- レポートやエッセイのAI自動評価とフィードバック
これにより、従来の教育スタイルに依存しない、個別最適化された学びの可能性を追求しています。
TechMaRI:テクノロジーとイノベーションを統合した産業創造研究
2022年に設立されたTechMaRIは、テクノベート(テクノロジー×イノベーション)に関する知見を体系化し、グロービス経営大学院の教育カリキュラムへ反映。
同研究所は、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)と連携し、「日本発のデカコーン輩出」を目指すスタートアップ支援にも寄与しています。
教育カリキュラムへの影響としては、以下のような創造系科目の内容強化が挙げられます:
「ナノ単科」が象徴する、部門横断の教育DX
2021年にスタートした短時間・高密度学習プログラム「ナノ単科」は、FGと、株式会社グロービスの法人向けデジタル関連部署が連携して開発したプロダクトです。
特に注目すべきは、FGに属するグロービスAI経営教育研究所(GAiMERi)が開発した特許取得済みのAIティーチング技術を活用している点です。
この技術により、学習体験を一から再設計し、デジタル上でも「深く・効率的」な学びを実現しました。ナノ単科はMBA単位としても認定され、学習者にとって価値の高い選択肢となっています。
FGはこうした取り組みを通じて、教育のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する中核組織となっています。
教育と研究の好循環を支える「経営知のエコシステム」
FGの最大の強みは、「経営知のエコシステム」を構築している点です。
各ファカルティ・グループが行う研究は、教材や授業コンテンツの開発に生かされ、実際の授業での実装とフィードバックを経て再び研究へと循環します。
さらに、研究成果は広く社会に発信され、教育・実務・研究が一体化した知の循環構造が成立しています。
グロービス経営大学院では、MBA取得のための学びを超えて、教育の質と革新を追求する全学的な仕組みが存在します。
その中核を成すファカルティ・グループ(FG)は、講師と教材の品質管理にとどまらず、AIやテクノロジー、社会との接続を通じて学びの可能性を広げています。
本橋敦子
グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
早稲田大学文化構想学部卒。新聞記者を経て、グロービスのオウンドメディア編集を担当。