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投稿日:2024年12月03日
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アンラーニングとは?やり方、リスキリングとの違いを解説
部署異動や事業再編、新たなキャリアを開く転職。そんな場面で「思ったように力が発揮できない……」と悩んだことはありませんか?
いま、そんな悩みを持つ個人や組織から注目を集めるのが<アンラーニング>という言葉。アンラーニングを実践すると、変化の激しいこの時代を柔軟に生き抜くことが可能になるはずです。
この記事では、アンラーニングの定義やアンラーニングを取り入れるメリット・デメリット、そしてアンラーニングを進めるためのステップなどを分かりやすく解説します。
アンラーニングとは
アンラーニング(Unlearning)とは、古いやり方や時代遅れの知識・価値観、ルーティンを、意図的に棄却(捨て去る)し、新しい知識やスキルにアップデートすることです。日本語では、「学習棄却」や「学びほぐし」とも言われます。
とくにビジネスの場面では、想像もしなかった事業統合が起きたり、次々に新しいビジネスが生まれたりしています。そんな変化の激しい中で、古いやり方や既成概念をそのままにしていると、成長を妨げる要因になるかもしれません。だからこそ、意識的に必要なものを取捨選択し、知識やスキルを修正していく力が求められているのです。
アンラーニングとリスキリングの違いは?
アンラーニングと一緒に登場しやすい言葉に「リスキリング」があります。このふたつは、どちらも学びの変革を目指すものですが、何が違うのでしょうか?
アンラーニングとリスキリングの違いは、目的やアプローチにあります。アンラーニングは、いま持っている知識やスキルを見直し、場合によっては忘れたり修正したりすることを指します。一方リスキリングは、いま持っているスキルに新しいスキルを加えることです。
こうした違いから考えると、アンラーニングとリスキリングは互いを補い合う存在と言えそうです。
▼関連記事:リスキリングとは?DX時代に注目される理由と導入のステップ
https://mba.globis.ac.jp/careernote/1527.html
アンラーニングが必要とされている理由とは?
これまでにも触れてきましたが、なぜアンラーニングが必要とされているのかといえば、かつてないスピードで変化する時代に適応し、生き抜くための方法が求められているためです。
消費者はあらゆる買い物をオンラインで済ませるようになり、AIが取り入れられたサービスは急速に広がっています。あるいはグローバル化によって、海外での出来事に自分たちのビジネスが大きな影響を受けることも当たり前になりました。
こうしてビジネス環境がかつてないスピードで変化すると、既存のフレームワークや手法では対応しきれない課題も増えてくるでしょう。従来の成功法則や常識に頼りすぎると、新しい機会を見逃したり、反応が遅れたりするかもしれません。
だからこそアンラーニングを実践することで、時代の変化に適応できるよう、個人や組織として過去の思い込みを取り除き、新しい考え方を受け入れて修正していく柔軟な行動が必要とされているのです。
アンラーニングを企業で推進するメリットについて
企業がアンラーニングを推進することには、多くのメリットがあります。いくつかポイントを挙げてみましょう。
メリット1:個人・組織の成長を促進できる
アンラーニングを実践すると、メンバーが新しい知識やスキルを積極的に学ぶようになります。そういった個人の学びが集まれば、チーム全体のスキルが高まっていきます。加えてチーム内でスキルや知識を共有し合うことが習慣化されると、個人と組織の成長に相乗効果が生まれ、さらなる成長が促進されていきます。
メリット2:イノベーションを起こしやすくなる
アンラーニングすることで、メンバーは固定観念にとらわれない新たな視点を持てるようになります。すると、新しいアイデアを思いつきやすくなったり、業務の改善策を発見しやすくなったりといったことが期待できます。その結果、組織全体としても新たな価値を生み出しやすくなり、イノベーションを起こせる組織になっていきます。
メリット3:組織を強くする
アンラーニングを推進すると、変化に対して柔軟に、迅速に対応できる組織文化が育まれることになります。また、アンラーニングによって新たな能力を獲得したり、課題解決の力が身に付いたりすることは、組織の総合力を高めるだけでなく、メンバーひとりひとりの中に心の余裕をつくります。すると、チャレンジ精神ややりがいを持って仕事に取り組みやすくなります。また新たな能力・知識を持ち込み共有することで、組織全体としての信頼関係が高まることも期待できます。
アンラーニングを企業で推進するデメリット・注意点
メリットが多数ある一方、企業がアンラーニングを推進することには、一部デメリットもあるため注意が必要です。
デメリット1:モチベーションが低下する恐れがある
アンラーニングでは、慣れ親しんだ知識・価値観やルーティンをあえて捨て去る必要が出てきます。しかし実際、過去の成功体験を捨てることは難しく、とくにベテランの社員は不安になり、時には抵抗が起こり、モチベーションの低下にもつながりかねません。アンラーニングはそれまでの自身を否定することではなく、成長につながる前向きなアップデートであることを伝え続ける必要があります。
デメリット2:学習によるコスト負担が増える
新たな知識やスキルの学習には、十分に時間を割く必要や、研修受講や教材の購入などが必要となり、一定の投資が必要になります。この投資コストは金銭面だけではなく、通常の業務に加えて学ぶことによる身体的・精神的な負担も含まれます。時にはメンバーのストレス増加によるトラブルも起きかねないため、注意が必要です。
アンラーニングを進めるための実践ステップ
ここからは、実際にアンラーニングを進めるためのステップを、3つに分けて整理してみます。
ステップ1:内省・意識改革の促進
まずはこれまで蓄積してきた知識・価値観やルーティンはどのようなものか、棚卸しをします。加えて、変化する周辺環境に必要とされる新しい知識・スキルを身に付けるために妨げになっているものは何かなどについても明らかにします。こうした内省は、ひとりで行うことは非常に難しいものです。1on1や他のメンバーとの交流、ワークショップへの参加などを通じ、気付きを得てもらうことも重要でしょう。
ステップ2:取捨選択の実践
何を取捨選択するかがきまったら、実際に新たな学びをはじめ、行動や価値観を変えていきます。行動やその結果が表れるまでには時間がかかるものですから、新しいスキルや知識の導入は段階を踏みながら継続的に行っていくとよいでしょう。
ステップ3:評価とフィードバック
メンバーがどのように学び直しを進めているかは、定期的に振り返って評価し、必要に応じてフォローやさらなる改善を促すことが重要です。学びの振り返りは、学んだことの定着に役立ったり、次のアクションを明確にしたりします。「やって終わり」ではない、丁寧な振り返りやフォローがアンラーニングを成功に導くのです。
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グロービス経営大学院では、経営層、人事部門、ミドルリーダー、そしてひとりひとりの社員が、変化の激しい現代でどのような課題に直面するか、そしてどうそれを乗り越えていけばよいのか学ぶ科目「リスキリングと組織トランスフォーメーション」を開講しています。
アンラーニングによって個人・そして組織のトランスフォーメーションを担うビジネスリーダーの方におすすめの科目です。
まとめ
アンラーニングは、現代のビジネス環境で必要とされる適応力を育み、個人・組織の成長などのさまざまなメリットをもたらす重要なアプローチです。アンラーニングを成功させるには、企業側が個人・組織にアンラーニングの意識を醸成させ、柔軟かつ戦略的に推進することが重要です。アンラーニングの実践は、新たな時代でビジネスチャンスを切り拓く鍵となるでしょう。
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