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投稿日:2023年12月06日

投稿日:2023年12月06日

キャリア形成に必要なものは「志」/志こそ、AIが代替不可能なもの/エゴは人間のエネルギーの本質/挑戦こそアンチエイジング!?【小室淑恵×平将明×志水雄一郎×宮城治男×各務茂夫】

小室 淑恵
株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長
志水 雄一郎
フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長
平 将明
衆議院議員/自由民主党情報調査局長/自由民主党広報本部副本部長 兼 ネットメディア局長/自由民主党デジタル社会推進本部長代理 兼 web3プロジェクトチーム座長・AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム座長
宮城 治男
NPO法人ETIC. 創業者
各務 茂夫
東京大学 大学院工学系研究科 教授/産学協創推進本部 副本部長

あすか会議2023
第4部分科会【キャリア】「働き方とキャリア形成の未来~Generative Al等のテクノロジーが変える働き方と求められるスキル~」
(2023年7月1日開催/国立京都国際会館)

テクノロジーの進化は、働き方やキャリア形成に大きな影響を与える。Generative AIを始めとする新たなテクノロジーの台頭は、業務の効率化や新たなビジネスモデルの創出だけでなく、個々人に求められるスキルセットやキャリアの進め方にも大きな変化をもたらしてゆくだろう。テクノロジーが引き起こす働き方の変革とその影響はいかなるものとなるのか、そして新たな時代にはどのようなキャリア形成が求められ、どのような能力やマインドセットが重要となるのか、これからの時代の働き方を考える。(肩書きは2023年7月1日登壇当時のもの)

00:10 議論のセットアップ(各務氏)

01:48 自己紹介とキャリアについて(志水氏)

-ここにいる全員が、イーロン・マスクやマーク・ザッカーバーグになれる。必ず社会や未来を変えられるプロダクトを作り、未来永劫残っていく会社を作れる人はこの中に2、3割いる。
-中高のクラスメイトが、孫泰造氏と堀江貴文氏。10年前までは良い年収をもらっていたし、それでいいかなと思っていた。今私たちの生活水準は韓国に抜かれた。より多くの リーダーが未来を変えに行かないと、今のこのダウントレンドの日本は変えられない。みんなチャンスと可能性しかないが、それを知らない。

07:26 現在の取り組みについて(平氏)

-新しい資本主義の成長戦略の中身を書いたが、テーマは「脱皮しない蛇は死ぬ」。重要な課題は、イノベーション、インバウンド、サプライチェーン。
-サプライチェーンは円安で経済安全保障の文脈でチャンスがある。良い物は高く売ることが重要。イノベーションはAIや量子コンピュータやフュージョンエネルギー。日本はAIを使い倒す方向で行きたい。

10:28 自身のキャリアについて(小室氏)

-資生堂を辞表を出して起業しようとしていたときに、ちょうど妊娠していた。起業の日は産後三週間目だった。残業は出来なかった。こういう人が日本の労働力の大半なんだと気付いた。日本は一番健康で一番教育されている国。社員全員で1日8時間で残業禁止にしている。日本は優秀な人が夜中まで働いてくれるので、IT投資するタイミングを見失っている。なのでここまでAIが遅れた。
-多様な部下のキャリアをどうマネジメントするかをイメージすることが大事。ワークエンゲージメントが最大になるマネジメントが必要。

18:10 どのようにキャリアを考えるべきか(宮城氏)

-起業を志す生き方があるということを伝え始めたのが、30年前。当時は1件1件電話していた。我々は、100年の人からすると、王様みたいな生活をしていると言えるかもしれない。世の中に受け入れられるためにキャリアを積んでいくみたいな時代ではない。新しい軸を社会に打ち出していい時代。

25:11 自分の「志」を貫けるかどうかになっていくのではないか(志水氏)

-人は色んな、違うペインを感じている。そのペインの課題解決は、自らがリーダーとなって人を集わせるか、自分が思っているペインの課題解決のために誰かがリーダーとなっていて、その人のもとに集うか。キャリア観において、リーダーに集うということが前提になっているが、これが問題。日本はスタートアップは若い人のものというが、絶対に違う。世界の起業家の年齢は平均45歳。人生は二毛作、三毛作。挑戦こそ最大のアンチエイジング。

30:06 キャリアを考える時のチームや人との出会いについて(宮城氏)

-あとは人だけ、と言っている人が多いが、人が集まらないと言うことはまだその段階ではない。人が集まってくるような突き抜け方をどうするか、自分と向き合わなければならない。経るべきプロセスを経れば、人は集まってくる。

32:20 人を巻き込む力(小室氏)

-プレゼンのスキルを1000人の学生に教え続けてきた。現在の右腕の大塚万紀子氏は、企業の女性向け商品の企画を勝手にやって売り込むことを副業としてやっていたときに出会った。なので、資生堂での仕事以外のことをやりたいと思ったらやり、そしていろんな会社のモヤモヤとしている人たちを集めていって、そこに全力で投資をしていたら気づいたら右腕ができていた。今の仕事、部署は関係なく、自分がやりたいことに対してアクションしていったら、仲間が増えている。
-結婚してない人や子どもがいない人など時間がある人にも残業させていない。自分の仕事を終えて、自分の視野を広げるようなインプットをしに行く意味でも、ひとつのところにいたら勿体ない。残業していると、その人の肩身が狭くなったりする。
-企業コンサルを2000社以上にしたが、残業は75%減っている。その企業の業績はびっくりするくらい上がっている。全体的に離職率も下がっている。

40:32 スタートアップ育成5か年計画とキャリア(平氏)

-やはり志が大事。自分の志以上に注目されると崩れる。志を高くするほど、良質な人材と資金が集まってくる。
-AIは使い倒したらいい。AIは心が病まない。人格もないので、志もない。あとはスキルや資格ではない。Web3は終わったと言われるが、全くそうではない。新しいテクノロジーが出てきたら必要なのはイマジネーションと構想力。

44:25 孫泰造氏の言葉(各務氏)

-人間の力で「エゴ」というのは重要で、これが人間のエネルギーの本質。もっと我を出していくと、その先に社会性・公共性が見える時があって、その時そのエゴのことは志と言っていい。

44:44 質疑応答

-キャリアを形成するために健康であるためのポイントは。
-バリバリ働くことと成し遂げることのバランスを取れるものなのか、取れるとしたらどうしたらいいのか。
-政府として、外国人の人材と働くという意味でどのような変化をもたらすのか。また外国人がどうすれば日本に興味を持ってくれるのか。
-キャリアを考えるうえで、家族の事もセットで考えていきたい。国として家族全体で考えたときのサポートする仕組みをどのように議論しているのか。

56:01 議論のサマライズ(各務氏、宮城氏)

-粘り強さは今後想定的には必要になってくる。営業力も非常に大事になってくる。
-ここ3年のコロナ、生成AIで大きく社会が加速している。前提としてきた社会が絶対このままではいかない。やりたいと思うことに情熱を傾けてほしい。

小室 淑恵

株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長

2000年、株式会社資生堂にて社内ベンチャー起業、2006年に株式会社ワーク・ライフバランス設立し、代表取締役社長に就任。 1000社以上に働き方改革コンサルティングを提供し、 残業を削減しながら業績を向上させ、従業員の出生率も向上するなどの成果が出ている。 全国で年200回を超える講演依頼を受け、役員や管理職が働き方改革の必要性を深く理解できる研修に定評がある。 株式会社オンワード樫山 社外取締役。金沢工業大学 客員教授。 2014年 安倍内閣「産業競争力会議」民間議員、 2015年 文部科学省「中央教育審議会」委員、2016年「霞が関の働き方改革を加速させる懇談会」座長を務める。 他に内閣府「子ども子育て会議」経済産業省「産業構造審議会」厚生労働省「年金部会」農林水産省「フードアクションニッポン戦略会議」委員など。 2004年、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2004・キャリアクリエイト部門受賞。2006年、日本ブロードバンドビジネス大賞受賞。 2014年、ベストマザー賞(経済部門)受賞。 著書は『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社(毎日新聞出版)』『労働時間革命(毎日新聞出版)』 『プレイングマネジャー 「残業ゼロ」の仕事術(ダイヤモンド社)』『6時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)、 『あなたが輝く働き方』(PHP研究所)、『男性の育休家族・企業・経済はこう変わる』(共著、PHP新書)、『先生がいなくなる 』(共著、PHP新書)など30冊以上。 プライベートでは二児の母であり、自身も社員も全員残業ゼロ、有給消化100%で増収増益を達成している。

志水 雄一郎

フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長

株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)にて『DODA』立ち上げなどを経て、2016年に成長産業支援事業を推進する株式会社ネットジンザイバンク(現フォースタートアップス株式会社)を創業、代表取締役社長に就任。2016年『Japan Headhunter Awards』にて 国内初『殿堂』入りHeadhunter認定。2019年より日本ベンチャーキャピタル協会ベンチャーエコシステム委員会委員、2020年より経団連スタートアップ委員会企画部会/スタートアップ政策タスクフォース委員に就任。2021年に公益社団法人経済同友会入会。2022年に一般社団法人関西経済同友会入会。

平 将明

衆議院議員/自由民主党情報調査局長/自由民主党広報本部副本部長 兼 ネットメディア局長/自由民主党デジタル社会推進本部長代理 兼 web3プロジェクトチーム座長・AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム座長

前自由民主党デジタル社会推進本部NFT政策検討プロジェクトチーム座長 元自民党内閣第二部会長(2度目の就任 デジタル改革・IT戦略・クールジャパン戦略 等担当) 元内閣府副大臣(3度の就任IT政策・サイバーセキュティー・防災・行政改革・宇宙等担当) 元衆議院消費者問題に関する特別委員会筆頭理事・元衆議院環境委員会委員長 元自民党副幹事長、元経済産業大臣政務官 兼 内閣府大臣政務官 昭和42年2月21日東京生まれ、早稲田実業学校中高、早稲田大学法学部卒。 家業の大田市場青果仲卸社長、社団法人東京青年会議所理事長、経済産業省産業構造審議会基本政策部会委員などを経て、2005年自民党衆議院東京4区の公募に応募、公認候補に選出され立候補、初当選、現在6期目。 元慶應大学大学院講師。 現在 大平正芳記念財団理事、大田まちづくり芸術支援協会理事、プロバスケ女子チーム「東京羽田ヴィッキーズ」後援会長。 文藝春秋「日本を元気にする逸材125名」、NPO法人万年野党「三ツ星国会議員」アワード連続受賞。』

宮城 治男

NPO法人ETIC. 創業者

早稲田大学在学中の1993年、学生起業家支援の全国ネットワーク組織としてETIC.を創設。以来、若い世代が自ら社会に働きかけ、仕事を生み出していく起業家型リーダーの育成に取り組み、これまで1600名以上の起業家を輩出。2011年世界経済フォーラム ヤング・グローバル・リーダーズに選出。文部科学省参与、中央教育審議会臨時委員等を歴任。

各務 茂夫

東京大学 大学院工学系研究科 教授/産学協創推進本部 副本部長

1982年一橋大学商学部卒業、スイスIMD 経営学修士(MBA)、米国ケースウェスタンリザーブ大学経営大学院経営学博士取得。ボストンコンサルティンググループを経て、 コーポレイトディレクション(CDI)の設立に参画(創業パートナー)、取締役主幹、米国CDI上級副社長兼事務所長を歴任。学位取得後、Heidrick & Struggles社にパートナーに就任、日本企業のコーポレートガバナンス改革に取り組む。2002年9月東京大学大学院薬学系研究科教員となり、2004年東京大学産学連携本部(現産学協雄推進本部)教授・事業化推進部長に就任(~2013年3月)。 株式会社東京大学エッジキャピタル監査役を兼務(~2013年6月)。2013年4月より教授・イノベーション推進部長。2020年4月より現職。 東京大学では大学発ベンチャー育成・支援、アントレプレナーシップ教育に取り組む。特定非営利活動法人アイセック・ジャパン会長(代表理事)。日本ベンチャー学会会長(2020年1月~)。日本ベンチャー学会第1回松田修一賞受賞(2015年)。株式会社モルフォ取締役(社外)