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投稿日:2023年12月12日 更新日:2024年07月09日
投稿日:2023年12月12日
更新日:2024年07月09日
UIとは?UXとの違い、UIデザインのコツを解説
UIとは
「UI」とは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略であり、直訳すると「接点」や「界面」という意味を持ちます。この概念は製品やサービスとユーザーとの間の相互作用の場を指し、その範囲は非常に広いです。
例えば、ユーザーがスマートフォンやパソコンを用いてWebサイトにアクセスする場合、サイトに表示されるデザインのレイアウト、文字のフォント、使用される画像や配色など、全てがUIの一部を形成します。
しかし、UIは単に「見た目」の要素に限定されるものではありません。実際には、ボタンの配置や可能な操作、使いやすさや機能性といった非視覚的な側面も重要な役割を果たします。これらの要素は、ユーザーの体験を形成し、製品やサービスの使い勝手を決定づける重要な要因となります。
CUIとは
とくにWebサイトの文脈において、UIは「CUI(Character User Interface)」と「GUI(Graphical User Interface)」の2つの主要なカテゴリーに分類されます。まずCUIについて見てみましょう。
CUIとは、ユーザーがキーボード入力を通じて文字のみで操作するインターフェースを指します。このシステムでは、画像やアイコンを使用せずにテキストのみでの操作が行われます。CUIの最大の利点は、その操作のシンプルさとメモリ消費の少なさにあり、とくにサーバーやネットワーク機器などの専門的な環境での利用に適しています。また、作業の手順を記録し共有するのにも便利です。
しかし直感的な理解が難しく、デジタル技術になじみの薄い初心者にとっては使いづらいという欠点があります。
GUIとは
一方、GUIは「Graphical User Interface(グラフィカルユーザーインターフェース)」の略で、画像やアイコン、ボタンなどを用いて操作するプログラムの方法を指します。CUIがテキストベースの操作に特化しているのに対して、GUIは視覚的な要素を活用してユーザーの直感に訴えます。
GUIの構成要素には、メニュー、ウィンドウ、ボタン、チェックボックス、ラジオボックスなどが含まれ、ユーザーにとって直感的に操作しやすい環境を提供します。GUIの主な利点は、その直感的な使いやすさにあります。これにより初心者でも容易に操作を習得し、効果的にシステムを利用することが可能になります。
しかし操作の記録や手順の共有に関しては、CUIに比べると若干劣る面があり、GUIの使用において考慮すべき課題となっています。
UIとUXの違いは?
UI(User Interface)とUX(User Experience)は混同されがちですが、その役割と影響には重要な違いがあります。UIとは製品やサービスとユーザーとの間の直接的な接点を指し、視覚的なデザイン、インタラクティブな要素、ナビゲーションのレイアウトなどが含まれます。一方で、UXはユーザーが製品やサービスを通して得る全体的な体験を意味し、感情的反応や製品の使用による満足度、使い勝手などを含んでいます。
例えばスマートフォンやパソコンでWebサイトを閲覧する際、ユーザーはテキストを読んだり、画像やアイコンを見たり、投稿フォームに入力したりします。これらの活動が提供する情報や感覚はUIの範疇に属しますが、これらの要素が統合され、最終的にユーザーに与える印象や経験がUXを形成します。
良質なUIは直感的で使いやすく、結果としてUXを向上させることができます。逆に読みにくいフォントや不明瞭なナビゲーションは、ユーザーの体験を損なうことにつながり、UXを低下させる可能性があります。一方で、仮にUIが良くても製品やサービスの本来の機能に不満が残れば、UXが悪いということもあり得ます
ユーザーにとって使いやすく、心地よいWebサイトを開発するには、UIとUXの両方を考慮に入れなくてはなりません。これらの要素は密接に関連しており、UIの設計が直接的にUXに影響を与えるため、ユーザー中心のアプローチが欠かせないのです。
UI・UXデザインが求められている背景
UIとUXデザインの重要性が高まっている背景には、テクノロジーの進化と日常生活への浸透があります。とくに「Internet of Things(IoT)」の普及が、この変化を加速しています。IoTは日用品から産業機器まで、さまざまな物にインターネット接続機能を持たせることを意味し、これにより日常生活のあらゆる側面がデジタル化されているのです。例えばインターネットに接続された冷蔵庫が中の食材に基づいてレシピを提案したり、外出先からスマートフォンを使って自宅のエアコンを操作したりすることが可能になります。
このようなデジタル化された生活環境では、ユーザーにとって使いやすいUIと心地よいUXを提供することが極めて重要になります。使い勝手のよいインターフェースは、ユーザーが新しいテクノロジーを快適に、効果的に利用するための鍵です。またユーザーのニーズや好みが多様化している現代において、個々のユーザーに合わせたカスタマイズされた体験を提供することも、UIとUXデザインの目標となっています。
これらの進展に伴い、UI・UXデザインは製品やサービスの成功において決定的な要素となっています。そのためデザイナーや開発者は、より直感的で使いやすいデザインを目指し、ユーザー中心のアプローチを取り入れています。この先も、この傾向はさらに強まると予想されるでしょう。
効果的なUIデザインのポイント
効果的なUIデザインを作成するためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらのポイントは、ユーザーにより優れたUXを提供するために欠かせません。デザインの際には、以下のアプローチを検討することが重要です。
デザインの4大原則をおさえる
優れたUIデザインを実現するためには、デザインの基本原則を理解することが不可欠です。Webデザインにおいて重要なのは、「近接」「整列」「対比」「反復」の4つの基本要素です。これらの原則を適切に用いることで、デザインに一貫性が生まれ、情報の可読性が向上します。
①近接
情報をグループ化して、単に関連する情報を隣接させるだけでは不十分です。情報が無秩序に配置された場合、それが分類されていたとしてもユーザーが情報を効率よく見つけられない可能性があります。したがって、情報を整理しアクセスしやすいレイアウトを作成することで、ユーザーの検索効率を向上させ、より高品質なUXを実現することができます。
②整列
情報を一目で理解できるように配置することは、ユーザーが求める情報に迅速にアクセスできるようにする上で重要です。雑多に配置された情報は検索を難しくし、ユーザー体験に悪影響を与えます。適切に整列された情報は、検索性を高め、ユーザーにとって見やすいUIを提供します。
③対比
対比は、異なる要素を使って情報の強弱を付けることです。全てが同じスタイルであると、どの情報も際立たないため、重要な情報を逃すことがあります。例えば、色やフォントサイズを変えることで、重要なポイントを目立たせることができます。
④反復
「反復」とはある特徴を繰り返し使用し、情報のグループ化や提示に一貫性を持たせる手法です。反復を行うことで情報の提示にリズムが生まれ、ユーザーがスムーズに情報を処理することができます。
ターゲットユーザーを把握する
優れたUIデザインを作成するためには、ターゲットとなるユーザー層を理解することが欠かせません。例えば若年層をターゲットにしたWebサイトと高齢者向けのWebサイトでは、デザインのアプローチが異なります。文字のサイズや読みやすさ、機能の配置などがターゲットによって異なっているべきです。
またターゲットユーザーのデジタル知識に応じて、機能を最小限に抑え、使いやすさに重点を置く必要があります。「ペルソナ」の設定がここで重要になります。ペルソナとは商品やサービスの利用者を細かく定義したもので、世代、性別、ライフスタイル、好み、デジタル知識レベルなどを考慮し、それに合ったUIデザインを行うことが望ましいのです。
ユーザー視点で考える
UIデザインは、開発者やデザイナー視点ではなく、ユーザー視点で考えることが重要です。開発者やデザイナーにとって便利なデザインや最新の機能を盛り込むことは、ユーザーにとっては「使いにくい」と感じる原因になりがちです。「見た目は美しいが、求める情報を見つけにくい」「高度な機能があるが、使い方が分からない」という反応は、ユーザーがストレスを感じるUIデザインの典型例です。
ユーザーがWebサイトを訪れた際に、直感的にどこを見て、どこをクリックすれば次のページに進めるかといったことが明確でなければなりません。目的に応じて必要な機能や使い勝手を設計し、ユーザーが直感的に目的を達成できるようなUIを作成することが求められます。美しいデザインであっても、ユーザーが望むアクションを取りにくい場合は、効果的なUIとはいえません。
類似や競合のサービスと比較する
市場に存在する類似または競合するサービス・商品を調査することは、UIデザインの方向性を定める上で非常に有効です。競合他社のサービスや商品が高い人気を誇っている場合、そのUIデザインには参考にすべき点がある可能性があります。自社のUIデザインと比較することで、改善すべき点や弱点を見つけ出すことができます。
ユーザビリティテストを実施する
UIデザインにおいて、ユーザビリティテストの実施は非常に重要です。UIデザイナーや開発者は、すでに製品に関する深い知識を持っているため、一般のユーザーと同じ視点を持つことが難しい場合があります。予想外の部分でユーザーが操作に困惑する可能性もあるため、ユーザビリティテストを通じてそのような問題点を洗い出し、改善することが欠かせません。
ユーザビリティテストとは、ターゲットユーザーに設計されたUIを使ってもらい、その使用過程を観察することです。ユーザーがスムーズに操作できるかを確認し、操作に迷ったり間違えたりする箇所があれば、その原因を特定し改善することが重要です。このプロセスを通じて問題点を明らかにし、それを改善することで、より優れたUIデザインを実現することができます。
UIデザインのスキルアップのための学習方法
UIデザインのスキルを向上させるためには、多様な学習方法を組み合わせることが重要です。それぞれのアプローチが異なる知見や技能を提供し、より包括的なスキルセットの構築を助けます。
書籍で学ぶ
UIデザインに関する書籍は豊富にあり、初心者から上級者まで幅広いニーズに応える内容が提供されています。基本的なデザインの原則、配色法、レイアウトの技術、ユーザーインターフェースの要素など、UIデザインの核となる概念を網羅的に学べます。
とくに初心者や入門レベルの学習者にとって、基本概念を理解し、デザイン思考を養うための資料として書籍は大変有用です。しかしUIデザインはトレンドが絶えず変化している分野であるため、最新のトレンドや技術に関する情報を得るためには、最近出版された書籍や業界のリーダーが推薦する文献を選ぶことが重要です。
この分野での学習を深めるためには、単にテキストを読むだけでなく、書籍内のケーススタディや例を自らのプロジェクトに応用してみることが有効です。またデザイン思考、ユーザー研究、プロトタイピングなど、UIデザインのさまざまな側面に焦点を当てた書籍を選ぶことにより、より幅広い知識と技能が身に付きます。
セミナーやスクールで学ぶ
書籍学習と並行して、セミナーやスクールでの学習は、より体系的で実践的なUIデザイン教育を提供します。これらのプログラムでは、経験豊かなプロフェッショナルから直接学ぶことができ、対話形式での疑問解消や具体的なフィードバックが得られます。また同じ分野に関心を持つほかの学習者とのネットワーキングは、新しい視点を得たり、長期的なキャリアを構築したりするための貴重な関係を築く機会となります。
セミナーやスクールの参加には費用が発生し、会場や教室へのアクセスが必要な場合もあります。しかしオンラインプログラムは自宅や職場からでも参加が可能で、自分のライフスタイルや経済状況に応じて選択できます。セミナーやスクールでは、基本的なUIデザインの知識から最新のデザインツールの使用法、ユーザーエクスペリエンスの研究方法まで、幅広いトピックが用意されています。これらの学習環境は、個々のプロジェクトや課題に取り組む際の実践的なスキルと理解を深めるのに役立ちます。
実践経験を積む
理論的な学習と同様に、実践はUIデザインスキルの向上にとって重要です。実際にプロジェクトに取り組むことで、学んだ理論や技術を現実の課題に応用し、独自の解決策を見つける機会が得られます。実践を通じてデザインプロセスの理解を深め、異なるタイプのプロジェクトや多様なユーザー群に対応する能力を養うことができるでしょう。また先輩デザイナーや同僚からのフィードバックを受け取り、それを自身の作業に反映させることで、デザインの質を向上させられます。
実践においては、個人プロジェクトやフリーランスの仕事を通じて、さまざまなデザインのスタイルや要件に対応する経験を積むことが推奨されます。さらに実際のユーザーとのインタラクションやフィードバックを収集し、それらの情報をデザインの改善に活用することが、実践的な学習の重要な側面です。ポートフォリオの構築を通じて、自らのスキルと成果を示すことも重要で、これはキャリアの機会を広げるだけでなく、自己成長のための反省材料となります。
「グロービス経営大学院」でビジネスに必要なスキルを身に付けよう
グロービス経営大学院は、2006年の開校以来、日本最大のビジネススクールへと成長しました。1,000名規模に到達した入学者数は、提供する質の高い教育と実践的な学習環境を証明しています。
グロービスでは、1科目(3ヶ月)から学べる単科生制度があり、受講スタイルは通学またはオンラインのどちらかを選択できます。こうした制度や仕組みは、日中はビジネスパーソンとして働きながら、平日の夜間や週末を利用して新しいスキルの修得を可能にし、多忙なプロフェッショナルでもキャリアのさらなるステップアップを目指せるようになります。
教員陣には、アマゾンジャパン、メルカリ、ヤフー、日本アイ・ビー・エムなど、各業界で活躍する現役のビジネスリーダーが名を連ねています。彼ら彼女らは実践的なビジネス経験を通じて得た知見を学生に伝え、理論だけでなく現場で即戦力となる知識を提供します。
「カスタマージャーニーとブランディング」や「デザイン思考と体験価値」など、UIデザインやUXデザインのような現代ビジネスに不可欠な分野はもちろん、マーケティング、経営戦略、リーダーシップ、イノベーションなど、ビジネスの多岐にわたる側面について深い学びを提供しています。これにより学生は自分の専門分野を深めるだけでなく、幅広いビジネススキルを習得できるでしょう。
身近にある優れたUIデザインに注目しよう
私たちの日常生活には、優れたUIデザインの例が数多く存在します。例えば世界最大の検索エンジンである「Google」や、直感的に操作できる「iPhone」などは、優れたUIデザインの代表例として挙げられます。これらの製品は、使いやすさ、シンプルさ、そして効率性において高い評価を受けています。
UIやUXの学習を始める際、これら身近な製品に改めて注目し、そのデザインがどのようにユーザーの体験を高めているのか、どの要素が競合他社の製品と異なるのかを分析することは大変有益です。例えばoogleの検索エンジンはそのシンプルなインターフェースと高速な検索能力で知られていますが、これらの要素がどのようにユーザーのニーズに応えているのかを理解することは、UIデザインの学習において重要な意味を持ちます。
またiPhoneのインターフェースは、その直感的な操作性と洗練されたデザインでユーザーに愛されています。これらの製品を日常的に使用する中で、なぜこれらのデザインが効果的であるのか、どのようなユーザー体験を提供しているのかを考察することで、UIデザインに対する深い理解を得られます。さらにこれらの製品を競合他社の製品と比較することで、成功するUIデザインが持つべき要素と、ユーザーにとって重要なポイントが何であるかを把握することが可能になるのです。
体験クラス&説明会日程
体験クラスでは、グロービスの授業内容や雰囲気をご確認いただけます。また、同時開催の説明会では、実際の授業で使う教材(ケースやテキスト、参考書)や忙しい社会人でも学び続けられる各種制度、活躍する卒業生のご紹介など、パンフレットやWEBサイトでは伝えきれないグロービスの特徴をご紹介します。
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