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投稿日:2021年02月26日

投稿日:2021年02月26日

Technology x Creative「テクノロジーとクリエイティブが変える 社会と個人の未来」 特別セミナーレポート

スピーカー

仲尾 毅
アドビ株式会社 Adobe Creative Cloudエバンジェリスト

2020年11月、グロービス経営大学院は、参加者約300名にも及ぶ大規模な特別セミナーをオンラインで開催した。本記事では、その様子を一部ご紹介したい。

スピーカーは、アドビ株式会社 Adobe Creative Cloudエバンジェリスト 仲尾 毅氏が務めた。

大きく変化するクリエイティブのトレンド

オンラインでの顧客体験が中心となる昨今、テクノロジーとクリエイティビティを用いた価値創造が重要視されている。クリエイティブの役割や、そのトレンドはどのように推移しているのか。

「クリエイティブは、サービス・製品がもたらすテクノロジーをユーザーが駆使するために介在しています。顧客の幅が広いほど、最大公約数的に分かりやすいデザインにする必要があります」

そう話す仲尾氏は、我々が日々目にする広告もまたクリエイティブであり、顧客の興味を喚起できるメッセージを発信するために存在する、と説明を重ねる。

こうした役割を持つクリエイティブの、現在のトレンドは動画だ。仲尾氏の属するAdobeでも動画編集ツールの需要は高まっているという。

「1分の動画は180万語に値するという調査結果もあるほど、短時間のうちに効果的に情報を伝えることに優れています。なかでも、モバイルデバイスで扱う需要が高まっており、SNS、YouTubeなどのプラットフォームで数回流れるだけで、ユーザーの意識に定着するという特性もあります。テクノロジーも進化しています。スマートフォン上で編集できたり、使用するSNSに合った画面サイズに加工できたりもします。こうして完成した動画をすぐに発信することが重要になってきています」

この傾向をうかがえるデータとして仲尾氏が示すのが、Adobeによる以下の調査である。

「これは米英での調査ですが、日本も近い傾向があると認識しています。いまは、クリエイティブの制作手法もだいぶ変わり、VRやARが注目されています。3Dの世界をツールで再現し、これまでのクリエイティブの代用とする。こうした事象が数字に表れています。新しいことを学んだり、新しい方法論を導入したりする気運が高まっているのです」

クリエイティブはツールである

さて、クリエイティブは、ビジネスのどの部分にポジションを定めると、より活きるのだろう。クリエイターを戦略立案から参加させるべきとする経営者もいれば、プロダクトの表層をつくるのがクリエイターと認識する経営者もいる。この差を埋めるには、ビジネスサイド、クリエイティブサイドともに考えを改める必要があるという。

「ビジネスサイドは、クリエイティブはユーザーとコミュニケーションを図るためのツールであることを正しく認識し、ビジネスの構想段階からクリエイターを参加させる必要があります。クリエイターもまた受け身の姿勢ではなく、顧客や企画に応えるクリエイティブがどういうものなのかを理解しておくべきです。それぞれが、クリエイティブが最終的にお客様にどう届くのかを考え、ビジネスをつくることが大事です」

そう言及した仲尾氏は、ビジネスの上流に入り込めるクリエイターの特徴として、自分の起こしたデザインが、どのような機能を持ち、何を果たしているのかを考えられる人を挙げる。これは、見てくれのデザインや手法ではなく本質を学び会得する力が、クリエイターに求められていると換言できるだろう。

では、クリエイティブの重要性を経営者に気づいてもらうには、どうすればよいのか。仲尾氏は、成功企業のことを話したり、クリエイティブについて語れる経営者に近い人の協力を仰いだりするのはどうか、と持論を展開した。

「クリエイティブがコミュニケーションのインターフェースであることを踏まえ、ビジネスを考えてみましょう。クリエイティブなツールを使うところから、クリエイターへの理解、あるいはご自身のクリエイター化につながります。ぜひクリエイティブを身近に感じてください」

そう言ってセミナーを締めた仲尾氏。参加者にとって、ビジネスとクリエイティブの関係性に対する理解を改めて深める好機となったことだろう。

スピーカー

仲尾 毅

アドビ株式会社 Adobe Creative Cloudエバンジェリスト

上智大学理工学部電気電子工学科卒業後、プロビデオシステムエンジニアとしてキャリアスタート。その後Apple Disability Center、UMAX、Visio、Microsoft MacBU と、IT系ハード・ソフトベンダーで一貫してプロダクトマーケティング業務に携わる。
2012年6月、Adobe 入社後は Creative Cloud 伝道師として、Adobe の最新技術、製品、サービスの訴求と移行促進に従事。ITの力で世界が変わると ’マジ’ に信じ、願い、実行することがライフワーク。
毎週木曜夜8時 Creative Cloud 道場 on YouTube Live 開講中 #CCDojo