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投稿日:2020年05月20日

投稿日:2020年05月20日

「GAFAに克つデジタルシフト」 特別セミナーレポート

スピーカー

鉢嶺 登
株式会社オプトホールディング  代表取締役会長

2020年4月、グロービス経営大学院は、参加者約970名にも及ぶ大規模な特別セミナーをオンラインで開催した。本記事では、その様子を一部ご紹介したい。

スピーカーは、オプトホールディングス代表取締役会長であり、昨年9月に『GAFAに克つデジタルシフト 経営者のためのデジタル人材革命』を出版した鉢嶺登氏。

プラットフォーマ―総取り時代に、日本企業が生き残る方法

デジタルテクノロジーの進化に伴い、ビジネスモデルが一変し、新たなイノベーションが勃興する現代。GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)やBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)など巨大プラットフォーマーの存在は、世界中で産業構造の変化をもたらしている。

このようなプラットフォーマー総取り時代に、日本企業はどのようにして生き残ればよいか。鉢嶺氏は、3つの方法を紹介した。

「1つ目は、米国でプラットフォーマーになること。ただ、メルカリが挑戦していますが、過去に日本企業がアメリカで成功した事例はほとんどなく、道のりは険しいでしょう。2つ目は、プラットフォーマーの株主になるという方法です。しかし、孫正義さんのように圧倒的資金量がなくてはなりません」

そこで重要になってくるのが3つ目の方法だ。

「3つ目は、プラットフォーマーとは異なる方向性を出していく方法です。そのためにはまず、自社をデジタルシフト・デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)する必要があります」 

日本企業がDXを実現するための3ステップ

多くのクライアント企業をDXへと導いてきた鉢嶺氏。デジタイズからDXへと進化させるには、3つのステップがあると言う。

「ステップ1はデジタイズ。既存事業のある工程を切り取り、生産効率化のためにデジタルツールを導入するなどの部分的なデジタル化のことです。次に、その範囲を広げていくことがステップ2。そしてステップ3は、デジタルで新たな事業モデルを開発していくこと」

大企業のトップは、デジタル化をしなければならないという課題感をもつ一方で、自分たちがデジタルを深く理解していないことも自覚していると言う。企業がデジタルシフトに失敗する主な理由について、次のように述べた。

  • 企業のトップに、デジタルを戦略の中心に据える覚悟や信念がない
  • デジタルを理解していない人をトップにしてしまう
  • デジタルを下に見て、既存組織や既存収益源を優先してしまう
  • デジタル部門に権限(カネ・ヒト)を与えない
  • トップがデジタルのワクワクする未来を語れない

その上で、「これらを肝に銘じて若いデジタル人材は、下から突き上げて果敢にチャレンジしていってほしい」と参加者に叱咤激励の言葉をかけた鉢嶺氏。

デジタルシフトについて待ったなしの対応が求められている今日。どうすればデジタルシフトをうまく進められるのか、詳細を学びたい方はぜひ『GAFAに克つデジタルシフト 経営者のためのデジタル人材革命』を熟読し、具体的な行動を起こしてみてほしい。

スピーカー

鉢嶺 登

株式会社オプトホールディング  代表取締役会長

1967年千葉県出身。91年早稲田大学商学部卒。森ビル㈱勤務の後、米国で急成長しているダイレクトマーケティング業を日本で展開するため、94年㈱オプト (現:㈱オプトホールディング)設立。2004年、JASDAQに上場。2013年、東証一部へ市場変更し、現職。eマーケティング支援にとどまらず、未来のデジタル事業の立上げやベンチャー企業の投資育成にも努め、グループ全体で未来の新事業創造に挑戦している。また、デジタル産業革命の中で、「デジタルシフトカンパニー」に軸足をうつし、㈱デジタルシフトの代表にも就任。日本の企業、社会全体のデジタルシフトを牽引、支援している。

著書に 『ビジネスマンは35歳で一度死ぬ』(経済界)『役員になれる人の「読書力」鍛え方の流儀』(明日香出版社)『GAFAに克つデジタルシフト』(日本経済新聞出版社)がある。