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投稿日:2019年01月23日

投稿日:2019年01月23日

これからは「何を選んだか」によって給与やチャンスに大きな差が生まれる時代へ~DMM亀山×Gunosy福島×ジーンクエスト高橋×セガサミー里見

亀山 敬司
株式会社DMM.com 会長
高橋 祥子
株式会社ジーンクエスト 代表取締役
福島 良典
株式会社Gunosy 取締役 ファウンダー
里見 治紀
セガサミーホールディングス株式会社 代表取締役社長COO/株式会社セガホールディングス 代表取締役会長CEO/サミー株式会社 代表取締役社長CEO

本記事は、G1カレッジ2018「『テクノロジー・経営』における創造的破壊とは?~100の行動2.0~」の内容を書き起こしたものです。(全2回 後編)

里見治紀氏(以下、敬称略):さて、ここからは経営寄りのお話を聞いていこうかと思います。まずは学生さんが多いので、分かりやすいところとして、今どんな人材を採用しているのか。新卒も中途もあると思いますが。

「20年後のスタンダード」になるようなスキルを身に付ける

亀山敬司氏(以下、敬称略):今はITとかAIとか、今どきの会社に入っておくのがおすすめ。一番おすすめはウチなんだけどね(会場笑)。で、そういうところに入れば、営業でも文系の仕事でも理系の仕事でもいろいろあると思うけど、仕事に関わっていくなかで今どきの仕事やテクノロジーや世界観が分かる。そのうえで、4~5年経ったら銀行とかゼネコンとか、そういう異業種に行けばちょっと高い給料で迎えられる可能性はあるかなと思う。就職なら、そういう考え方が一番正しいような気がする。

福島良典氏(以下、敬称略):似たような話になりますけど、これから有利になる場所にいたほうが良くて、そこに適した人を僕は採りたいと思っています。たぶん20年前の経営スタイルと、20年後の経営スタイルとはかなり違ってくると思うんですよね。プロスポーツ経営みたいになるなと、最近は考えています。

というのも、新卒一括で採用して、育てて、それで平均よりも少し低い給料で利益を出そうというようなビジネスモデルって結構破綻していると思っているので。今はSNSで皆の給与も共有されるし、「それならウチに来いよ」と言われちゃう。「そんな安い給料で働いているの?平均はこれぐらいだよ?ウチだったらストックオプション出せるよ?」なんて言われて、すぐに抜かれちゃいます。そういうのが当たり前になっていますから。

一方でその裏返しとして、稼げるサービスや企業の成長に、本質的に関わることのできるコアな人がごく少数になって、あとはオペレーティブな仕事をしていくという組織が増えると思います。そこでコアな人をいかに捕まえ、いかにマネジメントするか。なので、皆さんは若くていろいろな選択肢があるから、できれば20年後のスタンダードになるような有利なスキルを持っておくといいのかなと思います。

その1つはテクノロジーだったりするんですが、どちらかというと、先ほどお話しした通り独占できるようなもの。ソフトウェアで、かつ非常に短い期間で独占できる可能性が高まっているような領域で貢献できる人材になると、給与も無限にあがっていく。逆に、そうじゃないところを選んでしまうと、もう能力も関係ないんですよ。

今は何を選んだかによって、同じ能力でも給与やチャンスに大きな差が生まれる時代なんだと思っています。逆に言うと、情報はいっぱいあるわけで、たくさん調べて有利な場所に行くこと。そうすればどんどん自分に情報が集まるので。そういうサイクルを回しまくった人が今後はすごく活躍するし、そういう人を採用したいと僕は思います。

「この人しかいない」というポジションになることを意識する

高橋祥子氏(以下、敬称略):会社にはいろいろな人がいるし、今は組織の多様性ということが言われていますけれども、重要なのは一致している部分だと考えているんですね。たとえば会場の皆さんはそれぞれまったく違うことをやっているし、たぶん多様性を重視した顔ぶれだと思います。でも、たとえば「日本にとって良いことをしたい」「新しいチャレンジで社会を変えていきたい」といったことを考えているという部分では一致しているところもあるんだと思います。

会社も同じだと思うんですね。単にいろいろな人がバラバラに存在するということではなくて、「同じ志を持っていて、けれどもいろいろなタレントがいる」というのが多様性だと思っています。だから、そのコアな部分がどこなのかということを結構見ています。それで、当社で言えば「バイオテクノロジーを使って社会にとって良いことをしたい」という人が集まっているという。

あと、自分がこれから社会に出ていくとしたら、どんなポジションがいいのかという意味では、私に関して言えば「研究者だけれども起業家」とか。あるいは、研究者のなかでは若手とか、起業家のなかでは女性とか、そういったいろいろな切り口で見ていったとき、「この人しかいないよね」というポジションになることを意識しています。「自分の強みはここです」と言ってみても、その強みを持っている人はたくさんいるので。ゲノムの専門家はたくさんいるわけですね。ただ、そのうえで経営もしていて、かつ社会に向けて発信している人となるとなかなかいない。それで結構声がかかってきたりするので、そういう考え方は意識してもいいのかなと思います。

亀山:あと、会場には就職じゃなくて起業したいという人もいるみたいだから。実を言うと、20年前に比べればさっき言ったようなプラットフォームは取りにくいんだよね。俺たちとかヤフーとか楽天が出てきた頃と違って、今はそういうプラットフォームがすでに結構できている。そういうプレイヤーがいなくて、ホリエモンをはじめ皆にいろいろチャンスがあった頃に比べると、ITではある程度の市場ができているというのもたしかだと思う。だから起業はやってもいいけど、ぶっちゃけ、9割がたは失敗するよ。あるいは、その1割に生き残ったとして、そのあとも最後までやり切れるか、IPOまで行くかというと、今は途中で楽天やヤフーに買収されるパターンが多いんだよね。ウチも買うときはあるし。

で、そうやった買収した会社の人間は、とにかく起業しているやつってどこかトンでて。朝来ないとか(会場笑)、どこにいるか分からないとか、適当なやつも多いわけ。そういうやつが意外と“当てる”ことはあるし、ゼロから1をつくることはできる。ただ、1から10にしたり、10から100にする能力がなかったりするんだよね。

その辺はまた別の能力であって、たとえば組織をつくるリーダーシップとか、そういうものも求められる。だから、ゼロから1という部分は起業家がやるけど、それを支えるような、1を10にするプロデューサーも必要だし、その次は10を100にする実務家的な経理とか法務とか、そういった人たちも必要。そういうのが揃って会社になるんだよね。いずれにしても、起業しても9割がたは潰れるパターンで、残ったうちの半分ぐらいが買われて、もう半分ぐらいがIPOをするっていう感じかな。

起業する時に「役立つサービス」とは?

里見:ちなみにRPAって皆さん知ってますかね。ロボット・プロセス・オートメーションです。昔は派遣の方とか、総合職とは別の一般職の方とか、そういう方々がやっていたような事務作業をロボットに任せちゃおう、と。ほかにも今は「Freee」なんていう会計ソフトがあったり、とにかくいろいろ新しいツールが出てきています。会場には起業を目指す方も多いわけですが、今はそうした新しいツールによって起業がすごくラクになってきたとも思います。そのあたり、御三方から経営または会社運営の目線で「こういうツールを使ったほうがいい」といったアドバイスは何かありますか?

高橋:エンジェル投資家の有安伸宏さんが『有安パッケージ』というのをつくっていますよね。「起業するとき、これが使えたら便利」というパッケージが、有安さんの投資を受けるとすべて無料になるという。WantedlyとかAWSとか。あれでいいんじゃないですかね。

福島:最近使って超便利だと思ったのが「キャスタービズ」というサービスです。起業して一番重いのって人件費と家賃なんですよ。家賃はばかにならなくて、敷礼をめちゃくちゃ取られたりする。その点で良かったのが「キャスタービズ」です。あと、シェアオフィスのようなものも今後は当たり前になると思います。

まず、僕も知らなかったんですけど、たとえば「キャスタービズ」は普通に飛行機の予約とか、ちょっとした経理の外投げとか、そういう秘書のようなことをしてくれるんですよね。秘書って、どんなに安くても月に60万ぐらいかかっちゃうんですが、それが月に数万でできたりする。これは革命だと思いました。

もう1つがオフィスのシェアのようなサービス。ちゃんとしたオフィスだと最初に1年ぶんの家賃を払わなきゃいけないなんていうこともあったりして、キャッシュで考えるとバカにならないんです。でも、シェアオフィスなら割り戻せば坪単価1~2万ぐらいのコストというところも今は出てきています。そういうのはガンガン使うとキャッシュ的に有利だし、そういう賢さは必要になると思います。

里見:シェアオフィスは革命ですよね。今まで補償金がないとオフィスを借りることもできなかったんですが、シェアオフィスなら誰でも1人でも借りられるという。さて、あと15分になりましたので、会場からの質問を受けたいと思います。

会場質問者1:未開拓のITビジネスモデルはなんでしょうか。

会場質問者2:先日のソフトバンク通信障害とか、ほかにも今年は北海道地震とか、そういうときにキャッシュレスだとお金が使えなくなったという話も伺ったんですが、その辺についてはどうお考えでしょうか。

「5G」で世の中はどう変わる?通信障害時のリスクとは?

里見:じゃあ、まずは未開拓のIT。1つあるとしたら、携帯の通信速度がこれから上がっていくんですよね。3Gのときはiモードというサービスが立ち上がりました。ソ―シャルゲーム第一世代も出てきました。そして4Gになってからはスマホのゲームが出て、今はTikTokのような動画サービスも立ちあがってきたわけです。「じゃあ、それが5Gでさらに速くなったら何ができるんだろう」という視点は大きな鍵になると思います。ものすごいスピードだから、アプリなんてダウンロードしなくてもクラウドですべて処理できるようになるかもしれない。

ただ、今の5Gは直進性が強過ぎて弱いから、それがどうなるか。その問題解決に時間はかかると思いますが、立ちあがればいろいろなサービスが出てくるとは思います。では、続いて通信障害や地震で社会インフラが止まってしまうことについて。

亀山:今の5Gの話なんだけど、たとえば「Google Glass」みたいなものをかけっぱなしにして、自分のプライベートを撮りっぱなしにして、それをクラウドに上げっぱなしにしたとする。で、自分の過去の記憶もすべてその中に入っていたりするようになる、と。それで、たまに「10年前、自分は何を見てたんだろう」なんて思ってこの会場の映像を出してみたら俺の顔が映る、みたいな。「亀山さん」とか検索すると、自分が昔見た映像がもう一度パッと表示されてくるとか、まあ、これからはそんな感じになるんだと思う。

でも、それがこの前の通信障害みたいにバッと切られたら、記憶も一緒に失うという。今携帯を無くしたらさ、誰とも繋がらないじゃない。昔だったら俺は電話番号を覚えていたわけよ。だから(通信障害が起きても)公衆電話BOXに入って電話をかけることはできたけど、今はもう無理だよね。携帯がなくなったりしたとき、誰かにアクセスするというのが。

だから、そういったデータベースをどこかにすべて上げちゃうことには危険性がいっぱいある。自分の記憶のなかからいろいろなものが消えていって、いざというときに誰ともアクセスできなくなるような時代になるのかな。

でも、それが怖いって言いながらも、たとえば地震が起こるってみんな分かっていても高層ビルをどんどん建てるよね。それと似たようなもので、人っていうのは、「まあ、なんとかなるだろう」となっちゃう。恐怖は感じながらも便利なものには食いつくしかないんだよね。これは多分逃れられないから、どんどん5Gを使って、どんどん記憶をクラウドに預けながら、どっかの段階で、たとえば北朝鮮の核か何かが上空で爆発したらコンピューターもすべて止まって、もうみんな「わやー」みたいな(会場笑)。そのときに「ああ、しまった」って、1回はなるんだけど、また5~6年も経つとまた「ITだ」って言い出す。これ、バブルと一緒なんだよね。みんな、幸せなときはその便利さを堪能しながら、あるとき突然不幸になって、それでまた不幸なことはすべて忘れる。そうして、また改めてゆっくり破滅のほうに向かって進むという。人生難しいですね、はい(会場笑)。

福島:まず、ビジネスとして守りやすい領域について。基本的に僕が見ている領域はソフトウェアのビジネスなので、あるソフトウェアをコピーされたとき、そこが守れるかどうかをすごく考えます。そのキーワードは3つあって、データと、ネットワークと、ブランドです。ブランドをつくるのは結構難しいので、データとネットワークについて話すと、たとえばグーグルと同じ検索エンジンのソースコードを運良く手に入れたとします。じゃあ、それでグーグルそのものをつくることはできるかというと、2つの意味でつくれません。まず、彼らはものすごいお金を使って、その検索をAndroidに入れたり、Safariのデフォルト検索エンジンにしたりする。お金の壁をつくるんですね。

それともう1つ。そもそもGoogle検索エンジンのソフトウェアって、コードだけでは動かないようになっています。その裏側にあるデータがないと、あの検索結果を得ることはできません。そういうのって、ひっくり返しづらいというのがある。なので、ソースコードをパクられたときに守りやすいところ、あるいは(相手が)攻めづらいところというのを考えます。

かつ、先ほど言った通り、ビジネスとしてお金を稼ぎやすいところって実は決まっているので、その2つが重なるところ。そんな風にして、GoogleやAppleのプラットフォームのように一度獲ったらひっくり返せないようなところを狙おう、と。皆が使いたがって、かつソフトウェアをコピーされても動かせないような領域って。ほとんど限られるじゃないですか。たくさんはないと思うんですよ。だからそこを全力で獲りにいく。もうそれ以外はすべて捨てるぐらいの勢いで。

里見:キャッシュレスに関して言うと、オンラインとオフラインの両方で決済できる方法をそれぞれきちんと用意しておかなければいけないんだろうなと思います。クレジットカードって、今はオンラインでないと決済できません。プリペイド式のEdyやSuicaはオフラインでも使えるんですが。ですから、その辺をしっかり担保しないと通信障害や地震による停電が発生したときに何も買えなくて不便という。

亀山:でもね、結局のところ人は愚かだからさ、どうしても同じことを繰り返しちゃう。自分たちは今からなんのために仕事をして起業するのかといえば、家族のためとか、金持ちになって芸能人と一緒になるためとか(会場笑)、そういうやつはいるし、子どものために何かしたいからとか、世界を平和にしたいからなんて人もいると思う。だから、何を目指してもいいんだけど、なんにしても今日話したようなテクノロジーだろうがなんだろうが、広く浅くでもいいから、いろんな分野を理解しておく必要はあるんだと思う。

「知らなかった」じゃ済まないわけよ。「キャッシュレスをどんどん進めました。ついに100%になりました」というとき、何が起きるかっていう危険性についても理解して、その危険を覚悟でやるかって話。たとえば「ITで世界を幸せにします」って言う人もいるけどね、別にITは人を幸せにするかどうか分かんないんだよね。どんどん広がれば、そのぶん不幸になるかもしれない。SNSが人を幸せにしたかっていうと、分かんないじゃない。

技術やテクノロジーは人を幸せにするものじゃないし、幸せになるかどうかは使いかた次第。だから、そういう危険なもの、あるいは今からすごく大きな影響を与えるものについて、みんなが理解したうえで、「じゃあ何を使って何を使わないか」を考える。

少なくとも俺たちより20~30年長く生きると思うから、それで「次の社会をちょっとでもマシにしていこう」って考えるぐらいしかないかな。だから、俺たちの愚かさも良いところも両方見といて、「ああいう風になりたくねえな」「俺は亀山と違って顔出しするぞ」とか(笑)、いろいろ考えながら、ちょっとマシなものをつくっていって欲しい、という感じですかね。

何のため「お金」を稼ぐのか?

会場質問者3:福島さんの著書『センスのいらない経営』(総合法令出版)には「人々が手にいれづらいと思っている情報を手に入れられるようにしたいと考えてGunosyを立ちあげた」というお話があったと思います。ただ、今日のお話では「どの領域なら有利に儲けることができるか」を重要視されていると感じました。私としては後者に走ると儲けることに偏ってしまうのではないかと懸念しています。そこが偏るからこそ格差も生まれると考えているんですが、現在、福島さんがそうした方向に割り切っている背景があれば伺いたいと思っていました。

福島:深い質問ですね(笑)。別に僕もお金儲けのために仕事をしているわけじゃなくて、あくまで「ここがこういう方向になると世の中は幸せになるんじゃないか」とか、自分がやりたいなと思える方向性のことしか、基本的にはやりません。そのうえで現実として、儲かっているかどうかというより、「Googleと、Googleにメディアを載せている人とでは、どちらが世の中を変えているのか」という視点で物事を見ています。

結局、お金やデータが集まらないといいこともできないわけです。「いいことをやろう」と思って記事をいっぱい書いても、結局それはGoogleの上で踊っているだけであって、世の中を本当に大きく変えているのはGoogleなんですね。彼らは売上の95%ぐらいを検索エンジンからあげていると思うんですが、その売上のほとんどを未来のテクノロジーに使ったり、世の中を良くすることに使っています。Androidが無料で手に入るのはGoogleの検索エンジンのおかげです。そのおかげでAndroid自体は端末メーカーが載せているんですが、OSはタダなんですよね。そういう仕組みをつくることのできるポジションって、すごく限られているという大前提があります。

皆、Amazon Primeとかに入っていると思いますが、あれはアマゾンの余裕から生まれているビジネスです。最終的には値上げをするという前提のもとで組み立てられているビジネスで、皆が利益を享受できている、と。そういうポジションにすごく興味があるんです。

亀山:実は、俺は自分がモテたいから稼ぎたかったわけよ(会場笑)。でもね、やっているうち、たとえば社員ができればやっぱり社員のこととか、社員の家族のことも考えるわけ。で、そんな風に社員のことを考えていると、徐々に社会のことも考えざるを得なくなってくる。

はじめはとても不純な動機だったけど、そこから先、どんどん余裕が生まれてくればいろいろなことが考えられるかなと思う。だから、はじめから資本主義的な儲けかたを否定するより、まず資本主義で勝つとか学ぶとかしてから、その次の世界を考えることがとても大事だと俺は思う。じゃないとね、今の社会が変えられないかな、と。

動いてみれば見えないものが見えてくる

里見:では最後に、会場の若い方々に期待していることがあれば一言ずつお願いしたいと思います。

亀山:まあ、そういうことで、なんとかなりますんで(会場笑)。とりあえず動いてみよう。動いてみれば必ず見えないものが見えてくる。だから資本主義でもなんでも、動きながら考えましょう。

高橋:私も、もともとは「生命科学をちゃんと応用したい」という気持ちで会社をはじめたし、お金を儲けたいという気持ちはまったくない状態でした。ただ、資本主義を利用していこうと思うと、結局は儲けることについても考えないといけない。それは別に悪いことでもなんでもないし、対立する考え方でもないと思います。その両方を持ってきちんと前へ進んでいくために一番良い手段は何かを考えることがすごく重要だと、会社をはじめてから思うようになりました。

同じように、今日のテーマであるテクノロジーも結局は手段なので、それを使ってどんな未来に進みたいかを自分のなかで定義することが一番大事なんだと思います。それが定義できないと、今回のゲノム編集ベイビーのような、ほかに手段があるのに、それが目的になってしまうようなことが起きるんだと思うんですね。だから、結局はそのテクノロジーを使ってどういう未来に行きたいか、皆さん自身で描くことが一番大事なのかなと思っています。

福島:話したいことは話せたので、「続きはGunosyで」じゃないですけど(会場笑)、積極的に人材採用を行っていますので。ブロックチェーン関連ならLayerXという会社もやっていますし、とにかく若くて優秀な人の採用を常に行っていますから、ぜひ応募してみてください。

亀山:俺はawabarにいますんで(会場笑)、続きを聞きたかったら来てください。

里見:今日はどうもありがとうございました(会場拍手)。

亀山 敬司

株式会社DMM.com 会長

19歳で露天商に師事し、様々な地域でアクセサリー販売を手掛ける。その後、24歳の時に家族が経営する飲食店を手伝って欲しいと請われ石川に帰郷。雀荘やバーなどの経営を経て、1980年代後半レンタルビデオ店を開業。その後、卸売を通さないDVDの販売ルートの確保や、販売時点情報管理(POS)の開発/無料配布により事業を拡大。インターネット黎明期であった1998年には他社に先駆けてネット配信事業(現DMM.com)を開始し、動画配信、通販、レンタル、オンラインゲーム、英会話、FX、ソーラーパネル、3Dプリンターと多岐にわたり事業を手がけ現在に至る。

高橋 祥子

株式会社ジーンクエスト 代表取締役

福島 良典

株式会社Gunosy 取締役 ファウンダー

里見 治紀

セガサミーホールディングス株式会社 代表取締役社長COO/株式会社セガホールディングス 代表取締役会長CEO/サミー株式会社 代表取締役社長CEO