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投稿日:2021年06月22日

投稿日:2021年06月22日

人類のWell-beingとは何か?データから見る人間が目指すべき指標GDW(Gross Domestic Well-being)〜楽天・北川拓也

北川 拓也氏
楽天グループ株式会社 常務執行役員
CDO(チーフデータオフィサー)
グローバルデータ統括部 ディレクター
田久保 善彦
グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長

GDPが世界の成長目標数値になってから100年近くたち、この間多くの国でその数値は大きく成長した。そして、資本主義の中でお金は、人の「Well-being=良い状態」に大きく寄与するものとして、常に追い求められている。

先進国において、Well-beingとお金はどのような関係があるのか?お金は重要な資源であることは間違いないが、目標とする指標にWell-beingを加えることの意義とは?などを楽天グループ株式会社 常務執行役員 CDO 北川 拓也氏にお話を聞いた。

講演の中では「資本主義とお金中心主義になりすぎた社会から、Well-beingを主軸に置いた社会への回帰が必要」「Well-being社会へ転換するための戦略として、Well-beingを計測し、因果関係を理解し、Well-beingの社会需要を高めることが大事」など、私たちが今後先進国社会においてよりよく生きていくうえで、多くのヒントが得られた。

参加者からは「Well-beingを実現するには、仲間・時間・空間の設計と、それぞれに”余白”を設けることが大切だと感じた」「Well-beingを定量的に観測可能になった人間科学の発展が楽しみになった」など、社会の長期的な変化の中で、今後何を大切にしていくのかを考えさせられるセミナーとなった。

北川 拓也氏

楽天グループ株式会社 常務執行役員
CDO(チーフデータオフィサー)
グローバルデータ統括部 ディレクター

ハーバード大学で数学と物理学を専攻し、同大学院物理学科博士課程を修了。物性物理の理論物理学者として、『Science』、『Nature Physics』、『Physical Review Letters』などの学術雑誌へ20本以上の論文を発表。その後、楽天でデータサイエンスの組織を立ち上げ、現在は、CDO(チーフデータオフィサー)としてグループ全体のAI・データ戦略の構築と実行を担い、日本だけでなく、アメリカやインド、フランス、シンガポールを含む海外拠点の組織も統括。データに関しては、収集から管理、データサイエンスに関連したプロダクト開発、コンサルティング、プロダクトのセールスまで、あらゆる価値の創造に貢献している。現在、消費者および人間行動の理解を目指して科学的なアプローチによる分析を加速化させること、さらに、消費者のより深い理解を基にした新たなビジネスの創造に注力している。楽天データマーケティング株式会社では2017年より取締役を兼任。データ基盤作りや科学的な理解に基づく顧客体験の提供、広告事業の立ち上げ、データによるビジネスイノベーションなどを推進している。

田久保 善彦

グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長

慶應義塾大学理工学部卒業、修士(工学)、博士(学術)、スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業、中央省庁、自治体などを中心に調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院にてマネジメント業務・研究等を行なう傍ら、リーダーシップ系・思考系科目の教鞭を執る。経済同友会幹事、経済同友会・新産業革命と社会的インパクト委員会副委員長(2016年度)、新産業革命と規制・法制改革委員会 副委員長(2017、2018年度)、ベンチャー企業社外取締役、顧問等も務める。

著書:『ビジネス数字力を鍛える』(ダイヤモンド社)、『社内を動かす力』(ダイヤモンド社)共著:『志を育てる』、『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』、『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』、『これからのマネジャーの教科書』(東洋経済新報社)、『MBAクリティカル・シンキングコミュニケーション編』(ダイヤモンド社)ほか多数。