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「人と社会の心を掴む。 創造的なアイデアとコミュニケーションのつくり方」 特別セミナーレポート

2020年09月15日

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鹿毛 康司 株式会社かげこうじ事務所代表 
クリエイティブディレクター
プロフェッショナルマーケター

2020年6月、グロービス経営大学院は、参加者約1,650名にも及ぶ大規模な特別セミナーをオンラインで開催した。本記事では、その様子を一部ご紹介したい。


スピーカーは、エステー株式会社にてコミュニケーションアドバイザーを務め、同社のクリエイティブディレクションを数多く手掛ける鹿毛康司氏。

意識や行動の奥底にあるインサイトを探る

消臭剤「消臭力」や米びつ用防虫剤「米唐番(こめとうばん)」など、CM好感度ランキング上位に入るTVCMを次々と生み出している鹿毛氏。人や社会の心を掴むには、体系化されたマーケティングに関する知識だけでなく、「消費者のインサイト」を発見する能力が重要だと語る。


「なぜその商品を買ったのか、実は消費者自身もわかりません。人の行動・意識・感情を左右するのは心ですが、自分の心や深層心理を正確に語れる人はいない。だからインタビューをしてもなかなか出てこない。インサイトとは、本人も気づいていない欲望や心のツボなのです」

(出所:鹿毛康司氏)


消費者自身も認識していないインサイト。一体、どのようにして見つければよいのだろうか。コツは、「人間力と消費者力を高め、自分の中の大衆と会話すること」だと鹿毛氏は言う。


「意識や感情の根底には、文化や歴史が培ってきた『人の心』があります。まずは自分という人間と探く対話する。自分の心が見えてはじめて『人の心』も見えるようになるのです。また、普段の何気ない生活や消費行動を丁寧に見つめ続け思考し、一流の消費者を目指しましょう。自分というn=1を深く考察していくことが、大衆の心を解明するのに役立ちます」


そう話すと鹿毛氏は、自身が手掛けた「米唐番」を例に、CMづくりの思考プロセスを紹介した。


「お米の防虫剤を使用するお客様のインサイトを探るべく、まずは定量調査を行いました。その結果、防虫剤を使ってお米を守りたい気持ちが消費者にあることが分かりました。その根底には、『お米は日本の文化だから虫が付いたら申し訳ない』という日本人ならではの心があります。そうして浮かび上がった『日本の文化を守りたい』というコンセプトをもとに、クリエイティブへと落とし込んでいったのです」

人の心を掴むマーケティング力の鍛え方

続いて、鹿毛氏は心を掴むマーケティング力の鍛え方として以下3つを挙げた。


1人間の弱さとマーケティングの関連性に気付く

人間はネガティブなものを多く抱えている。だから存在を誇示するものよりも、人の弱さに寄り添ったプロダクトのほうが受け入れられやすい。


2.その道のプロと対話する

たとえ1日を費やしたとしても、一人では行動量に限界がある。気づきも少ない。だからこそ、SNS・映画・ゲーム・ビジネスなど、興味あるジャンルに精通する人に話を聴きに行って刺激を得ることが重要。


3アイデアを出し続ける

アイデアを100~200出すトレーニングを続けよう。アイデア出しの筋肉を鍛えていくと、いつか本物のアイデアが降りてくる。


最後は、「勉強しましょう。実際に学んでみると多くの気づきがあるはずです。ぜひいろいろな学びにトライしてみてください」というメッセージで締めくくられた。


マーケティングからクリエイティブまで、幅広い経験をもつ鹿毛氏ならではのアドバイスが得られた本セミナー。参加者の実務でも大いに活きることだろう。

鹿毛 康司株式会社かげこうじ事務所代表 
クリエイティブディレクター
プロフェッショナルマーケター

お客様に喜んでもらってはじめて企業は存続できるという大前提で、徹底した顧客視点のマーケティングとコミュニケーション活動を支援。笑顔がひとつでも増える世の中づくりに貢献したいとの信念で活動。雪印乳業を経て2003年にエステー株式会社に宣伝責任者として入社。2011年震災直後の「ミゲル少年と西川貴教の消臭力CM」で社会現象を巻き起こすなど、同社を日本有数のコミュニケーション力あふれる企業へと導いた。執行役を経て2020年6月事務所を設立。


<かげこうじの仕事> MBA理論を基軸に先進のマーケティング手法を活用して生きたマーケティング戦略をつくりだす。一方で「人を動かす深層心理」を見出しCMなどのクリエイティブを自らプランニングする。急激に変化するネットメディアやSNSもとり入れて最大効果のコミュニケーションデザインを設計し実行する。エステー以外にも、雑貨メーカー、食品会社、塾、新聞社、テレビ局など幅広い業界を支援している。


早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA 著書:「愛されるアイデアのつくり方」(WAVE 出版) 編書:「特命宣伝部長高田鳥場ーほんのり香る、広告のにおい。」(誠文堂新光社) 寄稿:「基礎から学べる広告の総合講座 」(日経広告研究所) 受賞:マーケターオブザイヤー (MCEI),WEB人貢献賞、ACC GOLD、Ad-tech Tokyo モデレーター・セッション1位など

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