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資本金って大きい方が良いの?

2019年03月07日

  • 会計・財務
  • 実践的
  • キャリア
溝口 聖規 グロービス経営大学院 教員

貸借対照表の純資産の一部である資本金は、会社の設立時に出資者から会社に払い込まれるおカネです。会社は資本金を元手に事業に必要となる固定資産や在庫などを購入するため、ざっくり設立時点の運転資本とも言えます。


一旦調達された資本金は、原則として出資者である株主に返還されることはありません。会社にとっては返済の必要のないおカネですから、安心して事業へ投資することができます。また、外部の銀行や取引先にとっては、資本金の大きな会社は、返済義務のないおカネで事業運営しているという点から、倒産リスクは少ないと考えられます。


資本金は会社の登記簿に記載されていますので、誰でも確認が可能です。非上場会社は、上場会社と比べて外部に対する情報公開が制限されますので、外部の取引先等にとっては会社の資本金情報は会社の信用を評価する重要な情報の1つと言えます。また、例えば労働者派遣事業のように事業内容によっては資本金の多寡が認可に影響する場合もあります。このように、対外的な会社の信用力という面では資本金は大きい方が良いと言えるでしょう。


しかしながら、資本金の金額に相当するおカネが常に会社に維持されているとは限りません。資本金の金額は過去のある時点で会社に払い込まれた事実(履歴)を表していますが、その後固定資産や在庫へ投じるとおカネは減少します。資本金が大きくてもおカネが不足すれば会社は倒産します。したがって、資本金の大きさだけで会社の倒産リスクを判断することは適切でないとも言えます。


過去には、株式会社であれば資本金額は1,000万円以上といった最低資本金制度がありましたが、現在(平成18年会社法改正)では資本金の金額的な制限はありません。極端な例では、資本金が1円でも会社を設立することは可能です。これはあくまで資本金の金額が1円でも可能ということであって、実際には1円では事業は運営できませんので、事業の内容や規模に応じたおカネが必要です。また、会社から無制限におカネを流出するのを制限するために、配当金限度額には規制がかけられています。


一方で、税務面では資本金は小さい方が有利な点があります。例えば、資本金の大きさによって以下のような税制上の取り扱いの違いがあります。

溝口 聖規グロービス経営大学院 教員

京都大学経済学部経済学科卒業後、公認会計士試験2次試験に合格し、青山監査法人(当時)入所。主として監査部門において公開企業の法定監査をはじめ、株式公開(IPO)支援業務、業務基幹システム導入コンサルティング業務、内部統制構築支援業務(国内/外)等のコンサルティング業務に従事。みすず監査法人(中央青山監査法人(当時))、有限責任監査法人トーマツを経て、溝口公認会計士事務所を開設。現在は、管理会計(月次決算体制、原価計算制度等)、株式公開、内部統制、企業評価等に関するコンサルティング業務を中心に活動している。


(資格)

公認会計士(CPA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、公認内部監査人(CIA)、地方監査会計技能士(CIPFA)、(元)公認情報システム監査人(CISA)

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