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~母校と故郷に錦を飾ろう。創業400年のファミリービジネス~

高田さん

【氏名】高田 海道(たかた かいどう)
【勤務先】株式会社虎屋本舗
【入学年】2015年

■自己紹介
桜前線を待ち焦がれながら、寒さの中にも暖かさを感じる季節となりました。グロービス2015期生の高田海道です。現在、広島県福山市にて家業の和菓子屋「虎屋本舗」で修行の日々を送っております。主な業務は直営店舗の営業統括や和菓子教室の講師、広報、人事、財務と何でも屋さんです。

■グロービスの門戸を叩くまで
ありがたいことに弊社は本年で創業397年目を迎えます。3年後の創業400年には事業承継を断行すると現当主が宣言しております。もう後がないと覚悟を決めた私は、それまで靄がかっていた「経営」という言葉について改めて見つめ直しました。そんな折、2014年に地元の先輩の紹介で「クリティカル・シンキング」を単科生として受講しました。体系的な経営知識、カリキュラムの利便性、何よりも『社会に創造と変革を』という志をともにする仲間達に惹かれグロービスの門を叩きました。


■地方中小企業の障壁
広島県の一中小企業の事業承継者である私にとって、グロービスへの入学にあたり2つの障壁が立ちはだかりました。
① 「わざわざ広島から通って、お金と時間をやりくりできるのか?」
② 「社長を説得することができるのか?」
当時の広島県にはイノベーション人材制度という全国でも稀なMBA向け補助金があり
ました。(参考URL https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/72/inno-koubo.html)
密かに行動に移し、どうにか補助金の承認をいただいた私は、いよいよ社長プレゼンへと臨みました。向こう3年間の事業計画書と自己投資対費用効果を、目標値をもって滔々と根気強く説明し、ようやく入学の承認をもらった感動は今でも忘れません。

■ファミリービジネスにMBAは必要か?
結論から言うとMBAホルダーという『称号』は恐らく話のネタ程度であれば役に立つかもしれません。必要なのは、ひたすらカリキュラムで学んだ知識を実践へ昇華させる行為の繰り返しだと考えます。むしろ最低限でも在籍中に学内ネットワークを駆使し、学費程度のビジネスインパクトを出すべきと目標をたてました。実際に学内の紹介から、関西の鉄道会社様での催事や菓子素材企業様との商品開発など具体的な話を目下推進中です。家族経営ならではのフットワークを駆使することで、学内に溢れるビジネスチャンスを活かすことができています。

■ファミリービジネス・マネジメントと永続性
グロービスには「ファミリービジネス・マネジメント」という面白いクラスがあります。経営に関して言うまでも無く、会社法、相続、株式の移譲まで、「良き事業承継とは?」というテーマについてみっちり3日間、全国の事業承継者の猛者達と学び合うカリキュラムです。世間では家族経営と事業承継は「経営課題」としてネガティブに捉われがちです。しかし、転じて家族経営の強固なガバナンスを通じた「競争優位性」というポジティブにもなり得るという素晴らしい気づきを仲間達が与えてくれました。自社におきかえても、なぜ創業400年も事業が継続したのか?伝統とは?というテーマを「教材:創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか」に照らし合わせ、企業と地域社会の永続的発展という崇高なる光明を見出す事が出来ました。

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■最後に感謝をこめて
グロービスの学生は同じ釜の飯を共にする仲間でもあり、良きライバルでもあります。業種や規模は違えど、「創造と変革」を単なるスローガンに終わらせず、本気で実現しようとしている仲間ばかりです。地方だから、大都市マーケットだからなんて言葉は使い古された言い訳でしかありません。卒業してから学びを活かそうだなんて思っている人はほぼいません。席に座ったその瞬間から「創造と変革」に向けて努力している仲間を誇りに想い、そして奮起させられます。私も母校に錦を飾るべく、新たな伝統文化の一端を担える様な、そして創業500年企業の礎を築ける様な、そんな生涯自分にしか出来ない商いをやり遂げたいと想います。

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