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コミュニケーション力を高めたい時に読む3冊

こんにちは。オンラインMBA荒木です。
前回のコラム(「ビジネス書を読むときに意識したい3つのポイント」)では、ビジネス書の読み方についてまとめましたので、これからはその続編ということで、何回かに分けて具体的なお薦め書籍をご紹介したいと思います。

今回のテーマは、誰もが悩む「コミュニケーション」についてです。

ちゃんと話しているつもりなのに、うまく話が伝わっていない・・・ メールがなぜか「上から目線」と言われて批判を受ける・・・ 感情的になってしまい、ちゃんとした議論ができない・・・

このようなもどかしさ、おそらく一度ならずとも感じたことがあるのではないかと思います。

そして、そんなもどかしさを感じた時、手に取りたくなる本というのは、堅苦しくなく、教科書っぽくないもの。
それでいてちょっとしたヒントを与えてくれるもの・・・ではないでしょうか。

ということで、今回は「コミュニケーション」をテーマに、敢えて比較的軽く読める「やわらかめ」な本を3冊選んでみました。
それではどうぞ!

1.あなたの話はなぜ「通じない」のか






この本は私が教鞭をとる「クリティカル・シンキング」を受講してくださる方にもお勧めしている一冊です。41oywjKsDSL._SX350_BO1,204,203,200_
コミュニケーションに必要なスキルやテクニックなどが満載。

『考えるスタートは、「問い」の発見だ。問題が与えられたら、私たちはすぐ、「答え」を探そうとする。(略)でも、正解のない問題を自分で考えたいなら、まず、「問い」を探すことだ。』


なんていう素晴らしい一節もあったり。

そんなお持ち帰り盛りだくさんなこの本の中でも、僕が一番強調したいのは、第4章にある「共感の方法」です。
例えば、相手が自分の文章を十分に読まないままリアクションしてくるような時、ありますよね。
こちらが丁寧に書いているにもかかわらず、素っ頓狂な返信メールをしてくる・・・。そんな時、「ちゃんと読めよ」とこちらも言い返したくなります。でも、それでは話は前に進みません。お互いの感情がささくれ立つばかり。
この本では、そういう場面に対して、このようなアプローチを勧めています。

『もう一度、「この人が本当に言おうとしていることはどういうことか」をつかむ気持ちで、相手のメールをじっくり読んでみよう。 そう。「相手にもう一度読め」ではなく、「自分の方がもう一度読む」のだ。想像力を働かせて相手の思考、想いに、いったん寄り添ってみよう。 嫌だろうけど、分かるけれど、「相手の読解力に頼る」より、「自分の読解力に頼る」方が確実だ。』


そうなんです。相手に「読め」と期待するのではなく、自分がもう一度相手の文章を読む。そして、相手の思いを読む・・・。
こんな負の感情が高まっているときほど、ロジカルな「論破モード」のスイッチを入れるのではなく、「共感モード」のスイッチを入れなくてはなりません。
こういうスイッチの切り替えができないと、折角身に付けたスキルやテクニックが全く逆方向に作用してしまうんですよね。もったいない。

この本では、コミュニケーションのスキルとともに、こういったコミュニケーションに対する心のありようなどを教えてくれる良書です。
是非多くの人に読んでいただきたい一冊。

2.20歳の自分に受けさせたい文章講義






さて、次は「文章の書き方」についての本。31QfJVEjrDL._SX306_BO1,204,203,200_
タイトルは「20歳の・・・」となっていますが、年齢は全く関係ありません。
何を隠そう、僕が現在文章を書く際においても貴重な参考材料とさせていただいている本でもあります。

さて、書くことについて、胸を張って「自信がある」と言い切れる人はあまり多くはないでしょう。
僕自身、物を書く際は、短いコラムであれ、書籍のような長文であれ、ひとしきりもだえ苦しみ、「脳みその中身をそのまま言葉にしてくれるデバイスがあれば必ず買うのに!」という類の余計な妄想が必ず入り、「時間を掛けた挙句にこの程度の文章か!」と自己突っ込みを入れ・・・というお約束の紆余曲折を経てようやく形になっていきます。

文章力を高めたい、スピードアップしたい、というのは僕の切実な願いでもあります。
そんな願いに対して、力を与えてくれるのがこの書籍です。超使えるスキルが満載。
一例を引用して紹介しましょう。

『書き手の側も聴覚的なリズムを気にする前に、「視覚的リズム」を考えなければならない。 視覚的リズムとは何か? 分かりやすく言えば、文字や句読点が並んだ時の、見た目の気持ちよさだ。 本屋さんでぱっと本を開いた瞬間、ネットのブログ記事を見た瞬間、受け取ったメールを開いた瞬間。 読者はこの一瞬で「なんか読みやすそう」「なんか読みづらそう」を判断している。視覚的で、直感的な判断だ。 (中略) 「視覚的なリズム」は、ぼくは大きく次の3つによって生まれるものだと思っている。 ①句読点の打ち方 ②改行のタイミング ③漢字とひらがなのバランス 読みやすく、しかもリズミカルな文章を作るためには、いずれも大切な要素である。』


実は、このような文章の基本動作を教えてくれる実用書、あまりないのですよね。
そういう意味で、この本は大変重宝しています。お薦め!

3.心を揺さぶる語り方 -人間国宝に話術を学ぶ-






この本はタイトルにもある通り、人間国宝の一龍斎貞水先生による書籍です。31rGPmUpm9L._SX298_BO1,204,203,200_
こちらはどちらかというと、「話し方についてのスキルはマスターしたはずなのに、なぜか成長しない、評価されない、というカベにぶつかっている人」に特にお勧めしたい一冊です。
なぜならば、「語り方」というタイトルではありますが、この本にはほとんどスキルやテクニックのようなことは書かれていないからです。
ここに書かれているのは、より抽象度の高い、心のあり方、姿勢、のようなもの。
例えばこんな感じです。

『人前で話をするのに、自信はなければいけません。 ここで言う自信とは、話術に対する自信ではなく、「自分が何者であるか」ということの自信です。』 『話術というのは、人間の中身が伴って初めて価値が出るものです。 逆の言い方をすれば、その人の人間性を表すものの一部が話術です。』


このように、通して書かれていることは、

「話し方というのは小手先に走っても意味はない」 「話術の前に、人間性を磨け」

ということです。
話し方、伝え方を学び始めたタイミングの人にとっては抽象度が高くてあまり響かないかもしれません。しかし、ある程度テクニックを理解し、それなりの場数を踏み、しかしその成長に限界を感じているようなステージにいる人にとっては腹の底から痺れる言葉に出会えるでしょう。
僕も時にこの本を読み、ややもすると人前に立つことがマンネリ化しかねない自分の姿勢に喝を入れるようにしています。



さて、今回はコミュニケーションに関する3冊をご紹介してきました。
皆さんのさらなるコミュニケーション力向上の一助になれば嬉しいです。

※そして、もしこういったトレーニングを積みたい、ということであれば、『クリティカル・シンキング』の受講をお薦め!オンラインでも受講可能です。

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