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投稿日:2025年08月02日
投稿日:2025年08月02日
【補えない仕事力をMBAで手に】製薬企業MRから選ばれるグロービスMBAとは
- 本橋敦子
- グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
はじめに|変革の時代に求められる「仕事力」とは
製薬業界は、かつてのような営業力だけでは通用しない時代を迎えています。
新薬開発の停滞、ジェネリック医薬品の普及、医療制度の見直し、デジタルシフトの加速──こうした外部環境の変化により、医薬情報担当者(MR)には、従来の製品知識や営業スキルを超えた「経営視点」や「戦略的思考力」が求められるようになっています。
この変化に対応するため、MR職からキャリアの幅を広げようとする方々が選択肢として注目しているのが、グロービス経営大学院のMBAです。
学び直しの目的は「資格」や「学歴」ではなく、「自分の市場価値を高めるための実践知」を得ることにあります。
この記事からわかること
- 経営的視点や提案力が求められるMRの現状: なぜ今、MRにMBAが必要なのか、その業界構造の変化とキャリアの危機の本質。
- 実務に直結した知識と考える力を養えるグロービスMBAの学び: 現場の経験を「戦略的思考力」に変える、体系的知識とディスカッション主体の学びの実効性。
- 営業職にとどまらず企画や経営にも広がるMR卒業生のキャリア: 卒業生がMBAで得た具体的な成果と、その後のキャリアの変化、そして市場価値の向上。
- 忙しいMRでも無理なく続けられる柔軟な学習環境: 地方・転勤・育児といった制約がある中で、挑戦を可能にするグロービス統合プログラムの仕組み。
なぜ今、MRにMBAが必要なのか?:製薬業界の構造的変化とキャリアの危機
製薬業界の構造的変化とキャリアの危機
MRにMBAが必要とされる背景には、製薬業界の構造的な変化と、それによるMRの役割の抜本的な見直しがあります。これは、単なる景気の波ではなく、キャリアの「構造的危機」です。
- 新薬開発減速や大型特許切れを契機とした製薬会社の戦略転換(MR体制の厳選化):
新薬開発の停滞や大型特許切れにより、製薬会社の成長戦略は従来の営業モデルから脱却し、コスト効率と新規事業創出に軸足を移しつつあります。
MRは、自社の経営環境や戦略を深く理解することで、日々の活動の意味を自身で納得したうえで動くことが、結果としてMR自身の価値を高めることにつながります。 - 医療費抑制とデジタルシフトによるMR活動の制限:
医療費抑制策の強化により、病院経営は効率化を求められています。
医師の時間節約と経営効率化の観点から、MRの医師への訪問機会は制限され、従来の足を使った営業活動だけでは通用しにくくなっています。 - 製品営業から「医療課題の解決提案」へと求められる役割の変化:
単なる製品説明員から、医療現場の課題を理解し、医療機関の経営課題解決にも貢献できるような、企業経営全体を俯瞰する視点や戦略的思考力をもって価値を提案する役割へのシフトが求められています。
こうした背景のなか、MRとして今後も活躍するためには、医療現場だけでなく、自社と提案先(医療機関)の企業全体を俯瞰する視点や、「経営に貢献するビジネスパーソン」としての再定義が不可欠となります。
グロービスMBAで得られる「実務直結の学び」
グロービスのMBAは、MRが現場で培った実践知を、体系的な経営知識と結びつけ、「戦略的思考力」へと昇華させるための環境です。
経営全体を体系的に理解する力
現場のOJTでは断片的にしか学べない経営知識を、グロービスでは以下の観点から体系的に整理し、実務直結の提案力を高めます。
財務・会計: 企業の収益構造と鍵となる経営指標を読み解き、意思決定に役立てる。
マーケティング: 市場分析と顧客理解を基にした戦略設計。
組織・人材マネジメント: チームを導く力と人材を活かす仕組み。
戦略論: 不確実な時代に成果を出すための道筋を描く。
これらの知識の習得により、MRは単なる製品のメリット説明から脱却し、医療機関の経営課題を解決するパートナーへと進化できます。
ケースとディスカッションで鍛える「考える力」
グロービスの授業は、知識の習得だけでなく、「それをどのようにして仕事で活用するか」という実践力に重点が置かれています。
未知の領域にも対応できる判断力: 製薬業界に限らず、IT、金融、サービスなど多様な業界のケースに取り組むことで、自分の業界を外から見る「客観的な視点」が養われます。
ロジカルな構造化とプレゼン力: クリティカル・シンキングなど思考を鍛える科目の受講を通じて、情報を整理するフレームワークを習得し、論理的で説得力の高いコミュニケーションが可能になります。
多様なバックグラウンドを持つ仲間との討議による視野拡張: 異なる業界・職種の仲間との討議は、自分の思考の癖や欠けている視点に気づきを与え、学びを深めます。
経営者の視点を疑似体験する意味
MRが経営陣や病院幹部に対する提案・調整力を求められる今、「経営者の立場に立って考える」力は大きな武器となります。
MBAでは、ケースやグループワークを通じて「自分が経営者だったらどうするか」を繰り返しシミュレーションします。
この経営者の視点を自らの中に取り込む体験が、実務での一歩先を行く行動と、説得力のある提案を可能にするのです。
実例で見る|MR出身者がグロービスで得たキャリアの変化
【注記】卒業生の肩書きは、インタビュー実施当時のものです。
営業から営業企画へ、そして事業の中核へ
「MBAのことを知っていても、MRとして勤めていたときは、自分には無関係のものと捉えていました。(中略)仕事で任される範囲が広くなっていったころ、MBAを学んでいた上司を見て、自分自身に見えていない『何か』がその上司には見えていると強く思うようになったのです。自分もその『何か』を見てみたい――そう考えたことが、動機です」( 塩野義製薬株式会社 営業企画部 伊藤 裕朗さん)
現場と経営をつなぐ「言語と構造」を手に入れた
「当初、私が他人より優れていた点と言えば、薬学部で学んだ幅広い薬学知識のみでした。(中略)今は、自社の財務諸表や組織改編などから会社の状況や戦略を深く読み解けるようになり、会社や仕事そのものへの興味が増しました」 (MSD株式会社 営業 馬場 初俊さん)
「作業」を「成果」に変えるロジック
「業務をしながら、本当の課題は何か?を考えてから取り組むようになり無駄な作業が減りました。(中略)また、授業で学んだ内容を毎回丁寧に自分ごとに落とし込むことで、時間制約の大きい育児中でも仕事で結果を出すことにつながっています」 (大手製薬会社 営業 真坂 雅美さん)
学びの柔軟性|地方・育児・転勤…それでも学べる仕組み
多忙で、転勤や育児といったライフイベントの可能性が高いMRにとって、学習環境の柔軟性は挑戦の可否を分ける生命線です。グロービスのMBAプログラムは、この懸念を解消するための柔軟な学習環境を提供しています。
地方勤務でもオンラインで質の高い学びを確保
グロービスのオンライン授業は、地方勤務や転勤が多いMRにとって大きな魅力です。通信環境さえ整えば、どこからでも受講でき、学びの質は通学と変わりません。
夜間・週末中心の開講で育児と両立しやすい
夜間や土日に開講される授業は、パートナーとの育児分担や、子どもの就寝時間などを活用することで育児中のMRにとっても挑戦を可能にします。さらに、通学とオンラインを柔軟に併用できるため、急な出張や転勤、子どもの体調不良といった予期せぬ変化にも、学びを途切れさせることなく対応できる「学び続けられる設計」となっています。
単科受講からスタートできる安心の制度設計
MBA取得に踏み切る前に「自分にできるか」「本当に役に立つか」を確かめたいという懸念に対し、グロービスは単科生制度を提供しています。本科生として入学する前に1科目から受講できるため、仕事との両立や授業のレベルへの不安を、実際に体験することで払拭できます。
まとめ|MRのキャリアにMBAがもたらす価値とは
グロービス経営大学院のMBAは、MRが今後のキャリアを自律的に、そして戦略的に描くための「武器」となる学びです。
MBAは、MRとしての専門性に経営というレイヤーを重ねることで、会社の中でも外でも通用する「戦略的人材」へと進化させます。
現場経験を土台としたキャリアパスの拡大:営業として培ってきた実践知に、戦略的思考力を組み合わせることで、企画・マーケティング、組織変革、経営層に近い役割への視野移行が可能になります。
MBAは学位ではなく「効果的な自己投資」:短期的な昇進や転職だけでなく、中長期的に激しい環境変化を生き抜くための「戦闘能力」を身につけるための最も効果的な手段です。
「今のままではだめだ」「変わりたい」という強い想いが芽生えたなら、グロービスはあなたのかけがえのない成長とキャリアへと変える「伴走者」となり得ます。
本橋敦子
グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
大学卒業後、全国紙の記者として10年勤務。仙台支局で事件・事故、裁判、行政、スポーツ、東日本大震災の被災地を取材したほか、異動後の東京経済部では流通・小売り、通信、フェムテックなどをテーマに執筆した。現在はグロービスで、オウンドメディア「GLOBIS学び放題×知見録」の編集等を担当。

