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投稿日:2025年07月27日

投稿日:2025年07月27日

PBLとは?MBA教育における実践的学びとグロービス経営大学院の強み

本橋敦子
グロービス コンテンツオウンドメディアチーム

PBL(Problem Based Learning)とは?

PBLとは Problem Based Learning(問題基盤型学習) の略です。

与えられた「問題(Problem)」を出発点に、学習者が自ら調査・分析し、解決策を導く教育手法を指します。

講義を聞いて知識を覚えるのではなく、「どう解決するか」を主体的に考え、試行錯誤を重ねながら形にしていくことがPBLの最大の特徴です。単なる知識のインプットではなく、試行錯誤を通じて「知識を使える力」に変える学びとして、ビジネス教育でも注目されています。

現代のビジネスリーダーに求められる能力は、戦略やファイナンスの知識に加えて、新しい価値を素早く形にし、検証・改善できる力です。PBLはまさにその力を養う方法であり、課題発見力・仮説構築力・実行力・協働力といった実務直結のスキルを鍛えます。

ケースメソッド×PBL──グロービスMBAの特長

MBA教育といえば「ケースメソッド」が有名です。ケースメソッドは、実際の企業事例を教材に、経営者の立場で意思決定を議論する学習法です。

グロービスでも戦略やマーケティングなどの基幹科目でケースメソッドを採用しています。
 一方で特徴的なのは、PBLも積極的に導入している点です。

  • ケースメソッド:経営判断を深く考える力を鍛える

  • PBL:解決策を実際に形にする力を鍛える

両者を組み合わせることで、グロービスでは「考える力」と「実行する力」を兼ね備えたリーダーを育成できるのです。

PBLの代表例:応用科目「デジタル・プロトタイピング」

その代表例が、グロービスの応用科目「デジタル・プロトタイピング」です。

この科目では、受講生が Figmaを活用してアプリのプロトタイプを作成 します。
共通課題に対してチームごとにアイデアを企画し、検証と改善を繰り返しながら最終的に成果物を発表します。

担当するのは、グロービス経営大学院教員の難波美帆氏と、デザイン会社グッドパッチの現役UI/UXデザイナーである三浦寛大氏、毛利慶二朗氏(記事執筆時点)。

MBA教育とプロフェッショナルの実務知を融合させた、他にない学びの場となっています。

「この科目は、プロダクト作りにおける、デザイナーという専門職との連携やコラボレーション(共創)の仕方を学ぶ場でもあります。アプリが実際に形になり、動くことで、その面白さにのめり込んでいきます」(難波美帆氏/グロービス経営大学院 教員)

受講生の反応と学びの傾向

実際に受講した学生からは、次のような反応が伝えられています。

  • デザイン思考で学んだはずなのに、実際にアプリを作る段階では戸惑いや難しさを感じる

  • チームごとに異なる成果が生まれ、他の成果物から新しい気づきを得られる

  • 実務と同様に達成感も悔しさも味わう

難波氏も、こうした学びの価値を強調しています。

「受講生は『わかるとできるは違う』を体感し、葛藤しながら学んでいきます。受講生にはグロービスでの学びと実務との接続を体験してほしいです」

まとめ|PBLを理解し、実務直結のMBA教育を選ぶ

PBL(Project Based Learning)とは、課題解決を通じて主体的に学ぶための教育手法です。
不確実性の時代においては、知識を持っているだけでなく、それを実行に移す力が不可欠です。
PBLは、この時代に求められる実践的な実行力を育てる上で大きな意義を持ちます。

グロービス経営大学院は、ケースメソッドPBLという二つの強力な学習手法を体系的に導入している点が強みです。
これにより、単なる思考力だけでなく、それを現実の場で活かす実行力をも兼ね備えた人材を育成しています。
考える力」と「形にする力」のどちらも高めたいと考える方にとって、グロービス経営大学院は最適な学びの場となるでしょう。

本橋敦子

グロービス コンテンツオウンドメディアチーム

大学卒業後、全国紙の記者として10年勤務。仙台支局で事件・事故、裁判、行政、スポーツ、東日本大震災の被災地を取材したほか、異動後の東京経済部では流通・小売り、通信、フェムテックなどをテーマに執筆した。現在はグロービスにて、オウンドメディア「GLOBIS学び放題×知見録」の編集等を担当。