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投稿日:2019年10月31日

投稿日:2019年10月31日

自分流の生き方・働き方を見つけるカギは、他者との対話と自己表現 ――グロービス経営大学院・公認クラブ「価値観共有クラブ」 幹事インタビュー

クラブ活動
価値観共有クラブ 活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。

価値観とは何だろうか。広辞苑第六版には、「何に価値を認めるかという考え方。善悪・好悪などの価値を判断するとき、その根幹をなす物事の見方」とある。

価値観は一人ひとり違う。それらを共有し合い、自らの価値観と向き合うことで、自分らしい生き方・働き方が見えてくる。志の実現に向けて一歩を踏み出すための足がかりにもなる。――そこに着目して独自の活動を展開するのが、2017年8月に発足した価値観共有クラブだ。

 Facebookグループ参加者は578名(2019年3月時点)。定期的に開催するイベントでは、登壇者の話を聞くだけでなく参加者自らがアウトプットする時間も必ず設けているという。そこに込められた幹事団の思いやビジョンに迫った。

自分一人で発見できることには限りがある

創設者であり副代表幹事の中島星沙氏(グロービス経営大学院2018年卒業)は、入学1年目の冬頃から「自分で何かを始めたい」という思いに駆られていた。当時、参加していた大型クラブのイベントは知識などをインプットするものが多く、いつしか自らアウトプットできる場を欲するようになっていたという。

「在学2年目に入った4月に、働き方について30人くらいで議論するイベントを開きました。そこでわかったのが、最終的には一人ひとりの『人間力』や『価値観』が大事であること。そして、それを対話により共有するのが重要であることでした。私はよくマインドマップを書きますが、一人で発見できることには限りがあります。誰かにハッとする質問をされて大きな気づきを得て、はじめて一歩を踏み出せるという場面が多々あります。必要なのは、お互いにゆっくり語り合える場、参加者全員が主役になってアウトプットできる場。そんな場をつくりたいと思い、クラブを立ち上げました」

2017年4月・6月・7月にお試しイベントを実施したのち、8月に正式なクラブとしてスタートした価値観共有クラブ。代表幹事の滝沢雄太氏(グロービス経営大学院2019年3月卒業)は、立ち上げ前のイベントから参加している一人だ。Facebookページに投稿されたイベント告知を見て、参加希望の旨を熱いメッセージとともに送ったという。

「当時は別の会社にいたのですが、長時間労働に課題を感じていて、働き方についてぜひみなさんと話し合ってみたいと思ったのがきっかけです。そこからクラブに加入したものの、自信のなさがずっとあって最初のうちはなかなか発言ができませんでした。でも、どんな意見も受け止めて承認してくれる環境の中で対話を重ねるうちに、『これでいいんだ』と思えるようになり、自然と自分を表現できるようになりました」

そんな滝沢氏の変化を、中島氏もそばで感じていたという。

「当時は毎日忙殺されて大変そうでしたが、クラブに参加している間は自分とじっくり向き合える時間。その中で滝沢さんが自身の価値観に気づき、行動できたからこそ、今キラキラしているのではないかなと思います。私たちは幹事同士でも常に価値観共有を意識していて、イベント参加者の中にも『やりたいことを見つけた』『次の一歩を踏み出せそう』と言ってくれる人が多くいます。それがゆくゆくは企業や社会への貢献につながると思うと、やってよかったと思いますね」

現在は代表幹事を務める滝沢氏。12名が在籍する幹事団は、2015〜2018期までのグロービス現役生・卒業生で構成されている。「在校生と卒業生それぞれの立場だからこそわかるニーズがある。すべての参加者にとって価値のある活動にしていきたいです」と中島氏は語った。

参加して体感することではじめて価値がわかるクラブ

3ヶ月に一度の全体会では、価値観共有をベースにさまざまなイベントが開催されている。任意団体ORIZURUによるグリーフケア(家族や友人など身近な人と死別した人が、その悲しみから立ち直れるようそばで寄り添いながら支援すること)の勉強会、コーチングのプロや国境なき医師団のメンバーとのコラボレーション、最近ではワーク・ライフバランスコンサルタントの小室淑恵氏による働き方改革の講演も行われた。また、5〜6人の少人数で実施するプチ価値観共有会は、幹事だけでなくクラブメンバー自らが自由に企画できるイベントだという。

「イベントでは、参加者同士の価値観を共有する場を設けるようにしています。情報があふれている今、インプットだけでなく他の参加者とのシェアやディスカッションがしたいというニーズは高まってきているのではないでしょうか」と滝沢氏。Facebookページについても、今まで以上に誰もが気軽に投稿や「いいね」をし合える場にしていきたいという。

本業の仕事、グロービスでの学業、そしてクラブ運営。並行してそれらに取り組む幹事の方々は、それぞれの学びを相互にどう活かしているのだろうか。

「クラブ運営では集客や司会進行も幹事の仕事なので、マーケティングやオペレーション、ファシリテーション、プレゼンなど、いろいろな授業での学びが活かせています」と中島氏。「卒業後もクラブを通じてグロービスとつながっていますので、帰るホームがあるというのは心強い。これまで多くのことを学ばせてもらった分、貢献したい想いも強いです。自分の会社の人をクラブに呼んだこともありますし、いつかは私も登壇したい。自分の事例をイベントでお話しすることは目標のひとつですね」

発足から2年近くが過ぎ、幹事団の土台がようやく固まってきたという価値観共有クラブ。互いの価値観を共有することで自分と向き合うという独自性の高い活動は、今後さらにブラッシュアップされていくことだろう。最後に、まだクラブに参加したことのない方に向けて両氏からメッセージをいただいた。

中島氏は「さまざまな人の視点を活かしながら、そして同じものに固執せず常にトレンドをキャッチしながら、各世代が楽しんで学べるような活動にしていきたいです。自分らしさを見つけるにはインプットだけでなくアウトプットが大事。安心して自己表現できる場ですので、思いきり自分を出しにきてください。価値観の合う仲間とも出会えますよ」とコメント。

滝沢氏からは、「具体的な知識を学ぶ場とは違い、参加して体感することではじめて価値がわかるクラブです。気兼ねなく好きなことを話せるリスクフリーの場でもあります。今後は幹事団からもさらにいろいろな企画を発信していきますので、まずは気軽に参加してみてください」とのメッセージが寄せられた。

「価値観共有クラブ」が主催する発表会のイベントレポートはこちら

「価値観共有クラブ」とは

一人ひとり異なる価値観を共有することで、自身の座標軸やゴールを認識し、イキイキと過ごすための自分流の生き方・働き方を創ることを目的としたクラブ。参加者が大切にしている価値観や目指すこと、想い、悩み、取組事例などを安心してアウトプットできるよう、さまざまなイベントを開催している。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。

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