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投稿日:2019年05月17日

投稿日:2019年05月17日

アフリカでの活動経験を糧にクラブ設立「+αの価値を届けたい」――グロービス公認クラブ「アフリカ部」 幹事インタビュー

クラブ活動
グロービスアフリカ部 活動レポート

グロービスの学生が、共通の目的や問題意識を持つ仲間と自主的に取り組むクラブ活動の活動事例紹介。

グロービス経営大学院には2019年4月現在、46の多様な公認クラブがあるが、その中でも一段と異彩を放っているクラブがある。2018年設立のアフリカ部だ。グロービスにはアフリカと関わる学生が多くいるものの、互いをつなぐネットワークが存在しなかった。そこでアフリカを軸にした、情報共有や意見交換の場をつくるべく設立されたのがアフリカ部である。

創設者であり代表幹事の北住竜哉氏は、青年海外協力隊員としてルワンダに滞在していた経験を持つ。グロービスで単科生として受講していた頃にクラブ設立を構想し、本科生として入学した4月にすぐさま公認クラブの設立を申請、間もなくアフリカ部をスタートさせた。

現在クラブメンバーは250名。アフリカに関わる起業家やNPO法人関係者を招いた勉強会、アフリカビジネスのケーススタディ(事例研究)、意見交換会などの他、美術館でのアフリカアート鑑賞といったユニークな活動も行っている。

そんな北住氏がアフリカやクラブ運営にかける想いとは何か。ここでは北住氏のインタビューとあわせて、2019年1月に開催された講演イベントのレポートをお届けする。登壇者は、グロービス経営大学院の元単科生であり、現役の青年海外協力隊員である綿貫大地氏。今回は西アフリカ・ベナンからの一時帰国のタイミングで、自身の活動内容や今後のビジネス展開についてお話しいただいた。

(※肩書きはインタビュー当時のものです)

元青年海外協力隊員の北住氏が抱く、アフリカ部への思い

アフリカ部設立に際して抱いていた想いを、北住氏は次のように語った。

「ルワンダから帰国後、『あの2年で自分は成長したのだろうか』『意味はあったのだろうか』と考えてずっとモヤモヤしていました。アフリカに戻る以外にできることがないかを考えていたときに単科生になり、アフリカで活動した経験を自分の価値を広げるための糧にしていきたいと思ったのです」

グロービスには、アフリカに行ったことがある人やアフリカと関わりのある人が意外と多いことを知り、その人たちがつながれるプラットフォームをつくりたいという思いでクラブを立ち上げた北住氏。興味深いネタを集めては毎月イベントを企画開催しており、クラブ運営が学生生活の半分を占めるほど自身にとって重要な活動となっているという。

「すでにあるクラブに入会するのとは違い、アフリカ部は創設者の私が動かしていかないと何も進みません。その責任感があるから、普段の授業や予習復習が忙しい中でもやり続けることができているのだと思います。グロービスには優秀な人がたくさんいますが、その人たちが『世界を変える』と言っているその世界にアフリカが含まれていることは少ない。彼らの頭の片隅にでもアフリカをインプットすることができれば、私がアフリカにいた価値が出てくる気がしています」

ただし、アフリカだけに固執するつもりはないと北住氏は付け加える。

「自分の価値を最大化すると考えたときに、アフリカだけがベストな答えだとは思っていないのです。まだ自分のWILL(やりたいこと)を見つけられていないからかもしれません。見つけた結果がアフリカであればそれでもいいし、もっと身近な社会課題なのであればそれも大事。アフリカに固執しすぎて視野が狭くならないように日々を過ごしたいと思っています」

クラブ活動の運営で得た、【志】【人的ネットワーク】【能力開発】

クラブを運営するようになって得られたものを、志、人的ネットワーク、能力開発というグロービスが掲げる3つの教育理念の軸に沿って説明した北住氏。

まず志については、「アフリカで起業している人の想いや経験談を聴くことは、経営を学ぶグロービスの学生にとって大きな価値があると信じています。私もクラブ運営をする傍ら、講演を聴くことで一起業家としての自分の志が磨かれていくのを感じています」

人的ネットワークについては、「アフリカを考える際に『ビジネス軸』と『ボランティア軸』があると思っていて、その両方の人たちがクラブメンバーとして参加してくれています。ビジネス軸は、現在アフリカでビジネスをしている方やこれからスタートアップを考えている方。ボランティア軸は、国境なき医師団やAfriMedico(アフリカの医療を支援するNPO法人)の方など。そうしたネットワークを形成できたのはクラブのおかげです」と語った。

そして能力開発。「グロービスの学生に登壇をお願いすることもあり、一緒に企画を考えることが勉強にもつながっています。先日はウガンダでのスタートアップをテーマに、みんなで課題を設定し、解決策を考えていくという勉強会を開催しました。グロービスでの学びを活かせた良い機会だったと思います」

授業を受けている最中に、クラブでの経験が頭をよぎることも多々あるという。「組織運営とクラブ運営には共通する部分が多かったり、授業で海外の視点や知見が必要になったときにクラブでの話を思い出したり。アフリカ部を運営してみて気づいたことですが、この活動そのものが私にとって大きな学びになっています」

アフリカを軸にしながらも固執はしない

一方で設立当初からの課題もあるという。「勉強会への参加者がなかなか増えず、参加者が固定化していることですね。一般の人にアフリカのことを直球で話しても受け取ってもらえない。だからと言って押しつけるのも違う。誰でも取れるゴロを投げるような活動と、アフリカが好きな人を対象としたエッジの効いた活動をバランスよく行って、リピーターを増やしていくことが当面の課題です。世間のアフリカに関するイベントは登壇者が一方的に話して終わりというものが多いので、いかに気づきや学びを持って帰ってもらえるかを常に意識しています」

今後はより裾野を広げる活動に注力していきたいという北住氏。「アフリカ料理をつくるとか、外部のイベントに行くとか、ビジネス+αのことをやりたいですね。アフリカだけでなく中東や中南米に着目してもいいし、もっと大きな社会的課題や、それとは逆にアフリカ開発との親和性が高い地方再生のような身近なテーマにしてもいい。そこからアフリカに興味を持ってくれる人が増えれば私としては嬉しいです」

アフリカを軸にしながらも固執しないという、北住氏らしいビジョンだ。他クラブとの連携や、全国の学校をまわっての活動も視野に入れているという。

最後にアフリカ部にまだ関わったことのない方に向けて、メッセージをいただいた。

「今から10年後、グロービスでの生活を振り返った時に思い出すのは勉強のことだけでしょうか?仕事を抱えながらがんばって勉強していたこと、転職活動しながら勉学で大変だったこと、家族の協力がありがたかったことなど、勉強+αのなにかを一緒に思い出すと思います。+αを自主的に見つけたいという人には、クラブ活動への入会をお勧めします。クラブ活動には、授業での学びを広げたり、授業にはない交流を深めたりする+αがあるからです。そしてもしアフリカ部が気になるようでしたら、気軽に覗いてもらえたらと思います」

「アフリカ部」が主催する講演イベントのレポートはこちら

アフリカ部とは

アフリカを起点に社会的課題の考察や、途上国のビジネス開発などの勉強会を継続的に実施し、グローバルな視点や、より深い示唆を得る機会を創出するクラブ。在校生・卒業生約250名(2019年1月時点)が在籍し、アフリカに関わる起業家やNPO法人関係者を招いた勉強会、アフリカビジネスのケーススタディ(事例研究)、意見交換会などの活動を行っています。

クラブ活動とは

社会の「創造と変革」に貢献することをテーマに掲げ、グロービスの学生が自主的に取り組む活動です。共通の目的や問題意識を持った同志が集い、それぞれのクラブが多彩なテーマで独自の活動を展開しています。学年の枠を超えて、在校生と卒業生が知識や経験を共有し合うクラブ活動は、志を実現につなげるための場として、大きな意味を持つものとなっています。

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