グロービス経営大学院
お知らせ
2023年03月03日
2023年03月03日
グロービス、ChatGPTを使った対話型の経営教育システム「GAiChaL」を世界に先駆けて導入へ
グロービス経営大学院は、対話向け大規模言語モデル「ChatGPT」を活用した対話型の学習システム、GLOBIS AI Chat Learning(略称GAiChaL、ガイチャル)を開発し、2023年3月中旬から動画とAIで学ぶMBA単位「ナノ単科」向けにリリースすることを発表します。
GAiChaLは経営教育分野でグロービスAI経営教育研究所(GLOBIS AI Management Education Research Institute、略称GAiMERi)が世界に先駆けて開発したシステムです。会話型AIサービス「ChatGPT」などを運営するOpenAI社が2023年3月1日にChatGPTのAPIを公開したことに伴い、グロービス経営大学院が提供する「ナノ単科」にChatGPTを実装させて、演習問題に対して質疑応答を通して対話的に学習するシステムを世界に先駆けて導入することを意思決定しました。
「ナノ単科」は、GLOBIS 学び放題のコンテンツを活用して、動画とAIを組み合わせて学び、単科の1/3の授業料で、1/3の単位(0.5単位)が取得できるグロービス経営大学院の新たな科目として、2022年4月よりサービス提供を開始しています。
今回リリースしたGAiChaLは、グロービスの経営教育のノウハウをコンテキストに織り込むことでChatGPTの回答を方向付け、自然な対話によって経営学の概念を学べるように工夫しています。将来的にはグロービス経営大学院がケースメソッドで大事にしている対話的な学習を人を介さずにAIで実現することを目指します。
グロービス経営大学院では、テクノロジーを使った創造と変革、すなわちテクノベートを担う次世代ビジネスリーダーの育成をミッションとしており、常に最先端の技術や手法を取り入れた教育プログラム、テクノベートMBAの開発・改善に取り組んでいます。2016年からビジネスにイノベーションを生み出すリーダーを育成する「テクノベート*」の科目提供を開始しています。
「テクノベート」を標榜する経営大学院として、2019年から入試の書類選考にAIを試験導入するなど、挑戦的な取り組みを行ってきました。また自社で研究・開発した「GAiDES(GLOBIS AI Document Evaluation System)」と「GAiL」で、すでに2つの特許を取得。1つめは2021年、自社開発したAIによる自然言語テキスト解析エンジン「GAiDES」を搭載したレポート採点支援システムに関して、グロービス初となる特許取得となりました。次いで2022年に新たに特許を取得したAIラーニングシステム「GAiL」は、AIを使った記述式学習システムで、AIによるフィードバックをもとに学習を進めることを可能とし、「ナノ単科」の学習サイクルにおける「AIによる記述式学習」に活用されています。
さらにグロービスは、ディープラーニングを使った囲碁AI(GLOBIS-AQZ)を産業技術総合研究所等の支援・協力で構築して、中韓や欧州の囲碁AIと世界大会で競った実績があります。今回のGAiChaLの導入はこれまでのAI開発の蓄積を元に急ピッチで実現させたものです。グロービス経営大学院はこの結果、「世界初のAIを活用したコンテンツ&ディスカッション融合型MBA単位プログラム」を実現することとなりました。
今後もGAiMERiの研究を活かし、最先端のテクノロジーを活用することで、一人でも多くのビジネスパーソンに最適な学びの場を提供してまいります。
*テクノベート:テクノロジーとイノベーションを組み合わせた造語。
◆グロービスAI経営教育研究所(略称GAiMERi)の概要
2017年2月開設。国内最大のビジネススクールであるグロービス経営大学院、企業の人材育成や組織変革など教育現場から得られる知見と、AIをはじめとするデジタルテクノロジーや認知科学の発展がもたらすイノベーションを統合し、次世代の経営教育モデルの研究開発を推進する研究所。