

対象者限定案内
<アルムナイ・スクール>
デザイン判断力とクリエイティブリーダーシップ
※2025年7月期より科目名改定
※旧科目名:デザイン思考とクリエイティブリーダーシップ
今やデザインは、全てのビジネスパーソンに必須の基礎教養となりました。デザイン力は、新しい価値を生み出し、より魅力的なビジネスをつくっていくために、業種・職種を問わず必要な能力です。
しかし、「そもそもデザインの力とは何か?」を正しく言葉で理解できている人はほとんどいません。なぜなら、これまでデザインの学びは、一部のデザイン専門家になる人が、感覚的に師匠の背中から学ぶといった方法で行われることが多く、明確な形式知として理論的に語られる部分が少なかったからです。けれど多くの人がデザインを学ぶこれからの時代には、デザインを感覚的なものとせず、論理立てて整理する試みがさらに求められています。
本講座では、デザインの力を「視覚から情報を伝える力」「感性的価値をつくる力」「人間中心で考える力」の3つであると理論的に整理しデザインを学びます。その中でも「視覚から情報を伝える力」と「感性的価値をつくる力」にフォーカスし、「デザイン判断力」と「デザイン発想力」を鍛えます(本科の「デザイン思考と体験価値」では「人間中心で考える力」の一部を取り扱っています)。
「デザイン判断力」とは、デザインの良し悪しを判断する能力です。優秀なデザイナーを選ぶ力を持ち、デザイナーから提案されたデザイン案について対等に議論し、成果が出るアウトプットを選ぶ力です。色・文字・かたちといった、視覚から情報を伝えるビジュアル要素を学ぶことを通して、デザインの理由を言語化し、判断できる力を育てます。
「デザイン発想力」を鍛えるには、さまざまなインプットが必要ですが、本講座ではその中でも重要となる「感性的価値を考える力」にフォーカスします。多くのビジネスパーソンは、効率的・便利といった合理的価値を生み出すことには⻑けていますが、美的・情緒的といった、感性的価値があるモノを生み出すことを苦手としています。成功事例のケーススタディを通して、感性的価値を考えるとは、何を考えることなのか?を具体的に学びます。
本講座は、本講座講師の稲葉が代表を務めるOFFICEHALOと武蔵野美術大学が共同でスタートした、日本初のデザイン経営の学校「WEデザインスクール」のプログラムを、グロービス経営大学院のアルムナイ・スクール向けに再編成した特別プログラムです。美大式のアカデミックな知見を背景とした本格的プログラムで「クリエイティブリーダー」へと変貌を遂げるために、デザインリテラシー(=デザインの基礎知識)を学びましょう。
「マイページ>受講/履修>申込>修了後の申込>大学院(アルムナイ・スクール)」よりお申込ください ※7月期の申込開始は4月8日(火)となります。
※ログイン方法が分からない方は こちら をご覧ください。
講師紹介
稲葉 裕美 (いなば ゆみ)氏
WEデザインスクール主宰。OFFICE HALO代表取締役。
1984年生まれ。デザイン教育プロデューサー。WEデザインスクール主宰。OFFICE HALO代表取締役。
武蔵野美術大学造形学部にて、創造性教育やアート・デザイン教育、その実践的活用や普及を研究対象とし、デザインマネジメントやアートマネジメント、文化政策を学ぶ。2014年に「クリエイティブ教育をイノベーションする」というビジョンのもと、OFFICE HALOを設立し、同年、大人のためのアートスクール「CORNER」を、2016年には武蔵野美術大学デザイン・ラウンジと共同で、日本初のビジネスリーダー向けデザイン学校「WEデザインスクール」を開校。デザイン、アート、表現領域のアカデミックな方法論を融合させ、社会人のクリエイティビティや感性を育成する、これまでにない教育メソッドを生み出し、さまざまなメディアから注目を集める。企業や行政、経営大学院などで多数プログラムを開催し、これまで1万人を超える受講者を輩出している。主な講師実績として北海道大学、神戸大学、国立情報学研究所、千葉県いすみ市など。
著書『美大式 ビジネスパーソンのデザイン入門』(翔泳社2024年)
稲葉講師からのコメント
本講座は、デザイン経営を目指す3タイプの方に適しています。
まず、ビジョン・新規発想に興味のある方は、「どんなポイントを押さて発想すればいいデザインと言われるのか?」の判断軸を、美大式で本質的に理解することができます。UI/UX・人間中心設計に興味のある方は、フレームワーク習得だけでは身に付かない「人間の体験価値を深く観察・考察する本質的な力」を磨いてもらうことができます。ブランディングに興味のある方は、デザイナーと同じ論点を理解しながら議論ができる「ビジュアル表現の判断者」になる基本が身につきます。そして、デザイン経営をリードする「クリエイティブリーダー」になる方は、この全てを知っておく必要があり、本講座はトップマネジメントを目指す方にこそ受けてほしいクラスです。デザインを強みに変えていきたい方は、ぜひご参加ください。
受講をお勧めする方
このクラスはグロービス経営大学院を修了した方で、デザイン経営を目指し、デザイン判断・デザイン発想ができるクリエイティブリーダーを目指す、下記のような方を対象としています。
- デザインの基礎知識を本格的に身につけ、混乱から脱したい
- デザインの良し悪しを言語化し説明できるようになりたい
- デザインの発注判断の際に、客観的な判断軸を持ちたい
- あいまいにではなく、理論的にデザインを理解し腹落ちさせたい
- デザイナーと対等に議論し、デザインの理由を説明できるようになりたい
- デザイン経営の概要を知り、地図を持ちたい
- 新規創出するための、発想力を身に付けたい
- 新しい魅力を生み出す方法を知りたい
- 美大の本格的な知見を学びたい
- デザイン思考を学んだが、知識が足りず成果につながらない
- 他のデザイン講座や本では、デザインが分かるようにならない
- 初心者だが、デザインを自分の強みに変えていきたい
なお、本科科目の「デザイン思考と体験価値」とは扱うデザインの領域が異なります。受講された方もぜひご検討ください。
受講者の感想
岡 弘子さん(2009期東京校)
株式会社博報堂 博報堂マーケティングスクール 代表
「デザインの言語化はマネジメントにとって重要な要素」
昨年、稲葉講師のクラスを受講しました。博報堂でもデザイン思考は学んだのですが、よりデザイン寄りの内容でした。デザインの言語化はマネジメントにとって重要な要素だと思います。デザイン判断力のクラスではその形を学ぶことができて、1年経った今も活用できています。そして先生がとてもチャーミングでした。
僧野 大介さん(2020期東京校)
キリンビバレッジ株式会社 首都圏統括本部営業企画部 部長代理
「デザインを見て自分なりに判断できる軸を持つことができた」
本科で受講した「デザイン思考と体験価値」とは取り扱うスコープ、フォーカスをあてるところが違いました。このアルムナイ向けのクラスでは、デザインとは何か、観察を通して何が得られるのか、どうビジネスに活かすのかを反復演習して徹底的に学びました。それにより、デザインを見て自分なりに判断できる軸を持つことができました。興味のある方、また、デザイン思考を本科で受講済みの方にも、ぜひ受講をお勧めします。
山口 恭裕さん(2006期大阪校)
山口恭裕事務所 代表(フリーランス)
「差別化が困難な時代、真善美を意識した価値創造が大切」
「デザインの言語化は難しい。ゆえに属人的になりマネジメントが難しい」と思っていませんか?私はこのクラスを受講してそんな悩みから解放されました。差別化が困難な時代、ますます真善美を意識した価値創造が大切になってきます。そんな時代の要請に応えるリーダーに向けた知見が満載の講義です。
廣瀬 隆彦さん(2018期福岡校)
CX Value Lab株式会社 代表取締役
「デザインとは何を問い、何を思考することかを学んだ」
デザインとは何を問い、何を思考することなのかを、基礎的な知識から、すぐに使える視点や思考まで、楽しく学ぶことができました。日常的にクリエイティブへ接する方だけでなく、経営者の方にとっても、ただの教養ではない大きな視座を得ることができる機会だと思います。
※肩書は受講当時のものとなります。
開催概要
7月期開講
◆開講形式:オンライン開催 全6回
◆開講日時:隔週土曜日 14:00~17:00
2025年 7/19(土) 8/2(土) 8/16(土) 8/30(土) 9/13(土) 9/27(土)
◆受講料:154,000円
◆定員:35名
科目概要
本科目では、理論的に言語化しながらデザインを学ぶことを基本とする一方で、感性的な意味の見出し方や、感じ方をより深めてもらうことを重視します。これまでの理性的な情報処理のスタイルにとらわれず、新しい柔軟な理解の回路を開発することを意識し心がけてください。受講にあたり、前提知識やデザイン経験は一切必要ありません。初心者が一歩目から始められる内容になっています。
また、このクラスで学んだ視点を持ちながら、日々の中で観察を深めることもとても重要です。日常を過ごす家の中、街の中、自然環境の中など、さまざまな環世界との関わりの中にデザインが存在することに気づき、その意味を自ら分解的に理解した上で実感することで、デザイン能力は乗算的に伸びていきます。授業外の時間でも、デザインに触れる時間を積極的に持ち、体感的な理解を深めてください。
各回共、さまざまなデザインを自ら観察し、収集した結果をまとめるなどの、予習アサインメントがあります。また最終課題で自らリサーチに取り組んでいただきます。
なお、予習アサインメントの作成時は、以下のポイントも意識して取り組んでください。
(1)言葉を尽くす・深掘りする
アサインメント作成で最も重要なことは、言葉を尽くして認識を詳細に書き出すことです。曖昧な単語を使い漠然とした認識のまま捨て置くのではなく、「何を?」「どれぐらい?」「どんな感じで?」など自らに何度も問いかけることで、感じ方を深堀りし、明確化してください。
(2)敏感になり観察する・まずは自分の気持ちを大事にする
次のことを意識し、深みのあるアサインメントになるよう心がけてください。
- 周囲にあるデザインに敏感になり、小さな違いを大きく感じる
- デザインを時間をかけてゆっくり丁寧に観察する
- まずは自分が好きなもの、面白いと感じるものを大事にすることから始める
- 他者の感じ方から学び、感受の幅を広げていく
各回テーマ
DAY1
<セッションA>
「デザイン経営」「クリエイティブリーダーシップ」とは何か
デザインをビジネスで活用するために知っておくべき「デザイン経営」の基礎知識、ビジネスパーソンが目指すべき「クリエイティブリーダーシップ」について整理します。
デザインというキーワードに注目が集まるとともに、多くの誤解も生まれているデザイン領域への認識を、初歩から再度確認することで、多くの社会人が抱えるデザインへの疑問を解消していきます。
<セッションB>
「デザインの力とは何か?」の概要を理解する
「デザイン力とは何か?」の概要を理解します。ケーススタディ型で、ビジュアルのデザイン事例から、デザイ
発想でつくられた体験の事例まで、幅広く扱い分析・議論します。パーソナルワーク、グループワークを繰り返す中で、「デザインをするとは、何をすることか?」を大掴みに理解していきます。
DAY 2
<セッションA>
ビジュアルデザインの観察法を知る
WEデザインスクールオリジナルの「デザイン観察フレームワーク」を用い、ビジュアルのデザインを分解的に言語化することで、デザインの「見方」を身につけます。デザインは漠然とした感覚的なものと思われがちですが、実際は理論立てて考えられ、一定の判断基準を持ち議論することができるものです。本セッションで、フレームワークの習得により、その基本を身につけます。
<セッションB>
デザイン観察フレームワークを実践する
セッションAで理解した、「デザイン観察フレームワーク」を活用しながら、さまざまなデザイン成功事例を分解し「このデザインのどこがどういいのか?」という根本的な部分を、言語化しながら明確化します。それぞれのデザインはどんな理由でつくられているのか、またどんな印象や魅力をもっているのか、丁寧に読み解くことで、これまで見えていなかった部分を見る力を養います。
DAY 3
<セッションA>
ビジュアルを言語化し、判断軸を磨く
サービスや戦略のデザインを目指す場合でも、最終アウトプットとなるビジュアルのコントロール能力がなければ成果は出せません。ビジュアルの中でも基本となる「文字」について、体系的に、言語化しながら理解することで、ビジュアルの良し悪しを判断する力と、議論する力を養います。
<セッションB>
ビジュアルを言語化し、判断軸を磨く
サービスや戦略のデザインを目指す場合でも、最終アウトプットとなるビジュアルのコントロール能力がなければ成果は出せません。ビジュアルの中でも基本となる「色」について、体系的に、言語化しながら理解することで、ビジュアルの良し悪しを判断する力と、議論する力を養います。
DAY 4
<セッションA>
中間課題の講評
Day3までのビジュアルのデザインについての学びを総括する課題に取り組み、その成果を講評します。課題への取り組みと講評を通して、学んだ項目を、実践的な視点で再咀嚼し、腹落ちさせることで、より高いレベルの判断軸をつくります。
<セッションB>
「デザイン発想」とは何を考えることか?
デザイン発想とは何を考えることなのか、その論点を洗い出し、具体的に理解することで、アイデアの良し悪しを判断する力を身につけます。発想を評価する際も、自ら発想する際も、「どういうアイデアが良いアイデアか?」が分からなければ、成果はでません。優れたデザインの発想のポイントを、ケース分析を通して具体的に紐解くことで、理解を深めていきます。
DAY 5
<セッションA/B>
「感性的価値」を生み出す発想法を知る
優れたデザイン発想によって、生み出されたプロジェクトの「どこがどういいのか?」を、分析的に言語化し理解しながら、これまでにない「魅力」や「価値」を生み出すための、発想の勘所を学びます。デザインセンスは才能や思いつきではなく、ケーススタディや知識の積み重ねによって磨かれていくものです。本セッションでは、美大のアカデミックな知見と共に、それらを効率的に得ていくことで、発想力を磨きます。
DAY 6
<セッションA>
課題の発表と講評
Day5までのデザイン発想、サービスデザインについての学びを総括する最終課題に取り組み、その成果を共有・発表します。課題への取り組みと共有を通して学んだ項目を、実践的な視点で再咀嚼し、腹落ちさせることでより高いレベルの判断軸をつくります。
<セッションB>
感性を継続的に磨く
デザイン発想を自分のものにしていくためには、デザイン発想の構造や枠組みを理解するにとどまらず、継続的な感性のトレーニングが必要です。本セッションでは、自らの発想力を高いレベルまで磨くために、具体的に何をすればよいのか?クラス後も続けられる感性磨きのポイントを整理します。
FAQ
Q:本科科目の「デザイン思考と体験価値」と「デザイン判断力とクリエイティブリーダーシップ」の違いを教えてください。
アルムナイ・スクールの「デザイン判断力とクリエイティブリーダーシップ」のクラスは、デザイン全般に対する判断力が身につく、美大式のアカデミックな知見を背景とした本格的プログラムです。
本科科目の「デザイン思考と体験価値」では、デザイン思考の手法(フレームワーク)を用いて、新たなサービス・製品を生み出す力、「スキル」が学べます。
一方で、「デザイン判断力とクリエイティブリーダーシップ」では、ビジュアルのデザインや、サービス・企業のブランディングを含めたデザイン全般の良しあしを判断する力、「センス」が学べます。
そして、デザイン思考力を活用して成果を出すには、この「スキル」と「センス」の両方が必要です。
お問い合わせ
グロービス経営大学院 アルムナイオフィス
Mail:gmba@globis.ac.jp