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投稿日:2025年06月01日
投稿日:2025年06月01日
ベンチャーキャピタルとは?日本のスタートアップを牽引する「グロービス・キャピタル・パートナーズ」の実力と特徴
- 本橋敦子
- グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
この記事でわかること
- ベンチャーキャピタル(VC)の仕組みと役割
- 日本を代表する独立系VC「グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)」とは?
- GCPの投資実績・支援スタイル・起業家との関係
- グロービス経営大学院との連携による教育と実践のエコシステム
ベンチャーキャピタルとは?|起業家と成長の可能性に投資する存在
ベンチャーキャピタル(Venture Capital:VC)とは、主にスタートアップ企業に対し、資金と支援を提供する投資機関です。
- 将来の成長が期待される企業に出資し、株式上場(IPO)やM&Aを通じてリターンを得る
- 単なる出資にとどまらず、経営支援や人材紹介など、ハンズオン型のサポートを提供
- 起業初期段階の「資金の壁」や「ノウハウの不足」を乗り越える重要なパートナー
VCは、資金面だけでなく、起業家が持つビジョンの実現を後押しする“伴走者”としても機能します。
GCPとは?|グロービス・キャピタル・パートナーズのミッションと起源
グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)は、1996年にグロービスグループによって設立された、日本を代表する独立系ベンチャーキャピタルです。
設立当初のファンド規模はわずか5.4億円。 当時、日本ではすでに株式公開を検討しているような「レイターステージ」企業への投資が主流の中、「アーリーステージで投資し、経営をサポートする」というコンセプトのもとスタートしました。
現在では、累計運用資金は1,800億円を超え、日本最大級の独立系VCへと成長しています。
使命
私たちGCPの使命は次世代の産業をつくることで、よりよい未来を創造することです。 私たちは、起業家こそがそれを実行できる主役だと信じています。
GCPは、教育・人材・ネットワークを有機的に結びつける“実践型VC”として、日本のスタートアップ支援を先導する存在です。
信頼を支える経営チーム|経験豊富な「志ある投資家集団」
GCPの支援力を裏付けるのが、強力な経営陣の存在です。
- 堀 義人 氏(創業者):グロービスグループ代表。「創造と変革の志士を育てる」教育理念を掲げ、日本の起業環境を整備。
- 仮屋薗 聡一 氏(共同創業者):1996年にGCPを共同創業し、以来一貫してベンチャー投資に従事。日本のアーリーステージVCの草分け的存在であり、数々の著名起業家を支援。日本ベンチャーキャピタル協会会長。フォーブス「日本で最も影響力のあるVC投資家」2017年1位の他複数回選出。
- 高宮 慎一 氏(代表パートナー):ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)でMBAを取得(2年次優秀賞)。グローバル展開に強みを持ち、「日本で最も影響力のあるVC投資家」2018年1位、他複数回選出。
- 今野 穣 氏(代表パートナー):人材・組織戦略の専門家として知られ、経営チームの組成・強化や組織づくりにおいて豊富な支援実績を持つ。「日本のベンチャー投資家ランキング」などでも常連。
彼らは起業家にとって単なる出資者ではなく、「同じ船に乗って漕ぐ」パートナーです。
実績で見るGCPの信頼性|IPO37社・累計投資額1,800億円超
グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)は、1996年の設立以来、220社以上のスタートアップに投資し、そのうち37社がIPO。日本のベンチャーキャピタルの中でも際立った実績を誇ります。
GCPが投資しIPOを果たした主な企業一覧(一部上場年順)
- ワークスアプリケーションズ(2001)
- GDH(2004)
- ユニバーサル・ソリューション・システムズ(2005)
- フィスコ(2006)
- ネットエイジグループ(2006)
- リアルコム(2007)
- マネースクウェア・ジャパン(2007)
- グリー(2008)
- ディジタルメディアプロフェッショナル(2011)
- アイスタイル(2012)
- ライフネット(2012)
- IBJ(2012)
- オイシックス(2013)
- オークファン(2013)
- フォトクリエイト(2013)
- ブイキューブ(2013)
- みんなのウエディング(2014)
- カヤック(2014)
- イード(2015)
- 日本動物高度医療センター(2015)
- ピクスタ(2015)
- アカツキ(2016)
- ホープ(2016)
- ビープラッツ(2018)
- メルカリ(2018)
- メドレー(2019)
- ランサーズ(2019)
- クリーマ(2020)
- ヤプリ(2020)
- ビジョナル(2021)
- Photosynth(2021)
- MFS(2024)
さらに、2023年には第7号ファンドで727億円を組成。1社あたり最大100億円の投資が可能で、グローバル市場を見据えた支援体制も万全です。
起業家が語るGCPの支援力|「出資者」ではなく「伴走者」
GCPの支援は、単なる資金提供にとどまりません。起業家のビジョンに深く共感し、課題に並走しながら事業の成長を支えます。
起業家の声(抜粋)
- 松本恭攝 氏(ジョーシスCEO/ラクスル創業者)
「最初の5分ほどの話でしっかりと噛み合い、すぐに投資を決めていただいた。チャレンジを想像以上に応援してくださった」(Day1からグローバル組織を目指す、ジョーシスの魅力 ~ジョーシスCEO(ラクスル創業者)松本氏 × GCP代表パートナー 高宮~)
- 斎藤拓泰 氏(タンプCEO)
「経験のない“1周目の起業家”にも、信用を築くサポートをしてくれる。GCPとチームを組めば、天下を獲れる」(「フル代表として勝てるチームだ」——“最高の購買体験”で勝負するギフトEC界の新星・TANP)
このように、GCPは「信頼関係に基づく本質的な支援」で選ばれています。
GCPが起業家に選ばれる3つの理由|ベンチャーキャピタルの理想像
① ハンズオン支援|戦略・採用・組織構築まで深く関与
GCPは出資後も、「GCP X」と呼ばれる支援チームが起業家の“伴走者”として事業に並走します。
- 経営戦略の立案
- 採用計画・人事体制の構築
- 組織文化の設計 など
② グローバル展開支援|サンフランシスコに海外拠点あり
2023年には米・サンフランシスコに拠点を開設。
海外のVCやスタートアップとのネットワークを活用し、日本発スタートアップのグローバル展開を支援しています。
“世界で戦えるベンチャーキャピタル”として、日本の起業家を国境の先まで導きます。
③ 起業家と同じ目線で並走する“志”あるVC
GCPが支援する起業家の多くは、事業の社会的インパクトや志を重視しています。
GCPは起業家の才能や可能性を何倍にも増幅させ、起業家のみでは到達できない規模のインパクトへと飛躍させることを目指し、起業家やスタートアップを支援しています。
そして、そうした志を持って、グロービスの「ヒト」「カネ」「チエ」を掛け合わせながら、投資先1社1社の長期的な支援や誘導を続けています。
このスタンスこそが、GCPが数あるベンチャーキャピタルの中でも特に起業家から支持される理由です。
教育と実務の架け橋|グロービス経営大学院のベンチャーキャピタル連携の強み
グロービス経営大学院は、GCPとの強い連携を活かし、実務家による実践的なベンチャー教育を提供しています。
GCPの投資家が講師として登壇
- GCPの代表パートナーや現役投資家が講師として登壇する授業が複数存在します。
- 特に「ベンチャー戦略プランニング」「ベンチャー・キャピタル&ファイナンス」などの創造領域科目では、実際の投資判断や起業支援の現場の知見が教材に活かされています。
- 2025年時点でも、GCPのパートナー(例:仮屋薗聡一氏)が、ケースメソッド形式の授業で登壇しており、起業家育成や投資家視点のリアルな学びを提供しています
ケース教材にもGCPの投資事例を反映
- 授業ではGCPが関与した実例をケース教材として使用。
- 起業から成長、IPO、グローバル展開に至るまでの戦略・資金調達・組織設計といった実務を多角的に学ぶことができます。
学生にとってのメリット
- 実務家VCとの接点が在学中から得られる貴重な教育環境
- 将来起業を志す人材にとって、資金提供者視点を学ぶ機会
- ファイナンスやベンチャー投資を志すビジネスパーソンにとっても、キャリア連携のヒントが豊富
なぜGCPが注目されるのか?
- 日本最大級の独立系VCとしての信頼と実績
- 教育機関との連携による、実践知に基づく支援体制
- グローバル展開・IPOを視野に入れた成長支援
- 起業家との深い信頼関係に基づいた“伴走型支援”
こうした要素が重なり合い、GCPは日本のスタートアップ・エコシステムの中核を担っています。
まとめ|「人」「資金」「知」の三位一体で未来を創るVC
ベンチャーキャピタルとは、単なる資金提供者ではありません。
- 起業家の志を理解し、人・資金・知識を結集して共に挑戦する“共創のパートナー”です。
その中でも、グロービス・キャピタル・パートナーズは、
- 圧倒的な投資実績
- 起業家との信頼関係
- 教育との融合による支援エコシステム
を武器に、日本のイノベーションを支える代表的な存在となっています。
本橋敦子
グロービス コンテンツオウンドメディアチーム
早稲田大学文化構想学部卒。新聞記者を経て、グロービスのオウンドメディア編集を担当。