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投稿日:2025年04月08日 更新日:2025年05月28日
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更新日:2025年05月28日
ロジックツリーの基本と使い方――「問題解決の地図」の描き方を動画からご紹介
- GLOBIS学び放題×知見録
- 編集部
ロジックツリーとは?
複雑な課題の本質を見抜き、体系的に思考するためのフレームワーク「ロジックツリー」。本記事では、ロジックツリーの定義から活用シーン、基本的な分解方法までを解説します。ロジックツリーを身につけることで、思考のスピードが上がるだけでなく、抜け漏れのない整理が可能になり、問題解決力やプレゼン力の向上にもつながります。問題に対して抜け漏れなく、構造的にアプローチしたい方におすすめです。
※本記事は、GLOBIS学び放題の動画学習コース、「ロジックツリー ~物事を把握する「分解」の考え方~」の内容をもとに仕事のさまざまな場面で応用できる基本的な考え方を解説します。
実務で活用する方法など、より詳しくロジックツリーについて知りたい方は、ぜひ動画をご覧ください。
ロジックツリーとは?構造的思考の基礎ツール
ロジックツリーとは、問題や課題を構造的に分解して整理する分析手法です。
上位概念を下位概念に枝分かれさせていくその構造が、木の幹から枝葉が広がる様子に似ていることからこの名がついています。「MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)=漏れなく、ダブりなく」を意識しながら階層的に分解することが特徴です。
ロジックツリーの考え方を活用すると、「どこに本質的な問題があるのか」「どんな選択肢があるのか」といった問いに対して、論理的なアプローチが可能になります。
ロジックツリーが活躍する場面とは?
ロジックツリーは、主に「Where」「Why」「How」の3つの観点から問題解決に役立ちます。
- Where(どこに問題があるか)
- Why(なぜその問題が起きているのか)
- How(どのような解決策があるか)
例えば、売上が下がっているという課題に対しては、売上を「数量×単価」という構造で分解し、それぞれの要素に問題があるのかを探るといった使い方が可能です。
また、ツリーを描くことで思考のスピードが上がるだけでなく、抜け漏れのない網羅的な検討が可能になります。
それでは、具体的な分解の方法を2つご紹介します。
分解の方法①:層別分解
層別分解とは、全体をいくつかのカテゴリーに分類していく手法です。
たとえば「離職率の上昇」という課題があったとき、社員を「年代」「部署」「残業時間」などの軸で分けていくことで、どの層に問題が集中しているかが明確になります。
複数の視点から層を切ることで、隠れた傾向を発見しやすくなります。例えば人材分析や顧客分析など、幅広い業務領域で応用可能です。
分解の方法②:変数分解(掛け算分解)
変数分解とは、数式のように要素を掛け算形式で分解していく手法です。
代表的な例が「売上=数量×単価」です。単価をさらに「定価×(1−割引率)」と分けることで、どの変数を操作すれば売上が伸びるかを具体的に検討できます。
こちらは数値で成り立つビジネス指標に強く、マーケティングや財務などの領域で特に有効です。
ロジックツリーを活用したアイデア出しの例
ロジックツリーは、問題解決だけでなくアイデア出しにも使えます。
例えば、イベントのアンケート回答者へのプレゼントを考えるケース。
「モノ」「サービス」「お金と同等の価値」といった中項目に分け、それぞれをさらに細分化していくと、多様な選択肢が自然と浮かび上がってきます。
機械的に枝分かれさせることで、見落としがちなアイデアにもアクセスできるのが利点です。
効果的な絞り込みには評価軸が必要
アイデアが出そろった後は、絞り込みのための評価軸を設定することが大切です。
「予算をかけない」「人手をかけない」「PRにつながる」など、目的に沿った基準を設け、それに照らし合わせて選択肢を絞っていきます。
このプロセスを通じて、目的との整合性が高く、実現可能な施策に自然とフォーカスが当たります。
ロジックツリー活用のコツと注意点
最後に、実践するうえでの2つのポイントを紹介します。
- MECEを厳密に追いすぎないこと。3階層目以降は「その他」も取り入れ、完璧さよりも実用性を優先しましょう。
- 切り口のバリエーションを持つこと。一方向だけで分解しても傾向が出ない場合は、異なる観点(例:時間帯、場所、種類など)で再構築してみましょう。
これらのポイントを押さえることで、より柔軟で実用的なロジックツリーが構築できるようになります。
まとめ:ロジックツリーで問題解決力を高めよう
ロジックツリーは、ビジネスの現場であらゆる課題解決に役立つ強力なフレームワークです。
構造的に思考することで、課題の本質に迫り、解決策を見つけやすくなるだけでなく、チーム内での認識共有にも役立ちます。
プレゼン資料の整理や、会議での発言の裏付けにも使えるため、日常業務にもすぐに応用可能です。
まずは簡単な課題から、自分なりのロジックツリーを描いてみるところから始めてみましょう。
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編集部