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投稿日:2024年04月11日 更新日:2024年04月15日
投稿日:2024年04月11日
更新日:2024年04月15日
大企業からスタートアップへの転職の現状とその魅力――スタートアップに転職していきいきと働いている人はどういう状態か?:Vol.2
- チームDELAHA
- グロービス経営大学院卒業生
- 田久保 善彦
- グロービス経営大学院 副学長
前回は、大企業からスタートアップに転職した経験を持つ人たちへのインタビューを紹介しながら、転職後の働き方や心境の変化などについて見てきました。では、転職してスタートアップでいきいきと働いている人は、より具体的には一体どんな状態なのでしょうか。
ここでは、ある枠組みを元に仮説を立て、スタートアップで働いている人のインタビューを通して検証した結果を紹介していきます。
図2-1 筆者作成
上の図のように、「満足」という状態は、複数の「感情」の組み合わせで出来上がっています。例えば、楽しい、やりがいを感じる、成長している、などの実感のことです。また、その「感情」はその人が属する場所や集団の「環境」によっても変化します。ポジションが変わった、仕事の幅が広がった、といったものです。
このように、「感情」と「環境」の2つの要素の相関関係から、満足について以下のようなことが言えると考えました。
- スタートアップという「環境」に身を置くことで、特定の「感情」が動かされ、それが自分のありたい姿に近づいたとき「満足」という状態となる。
- 反対に、感情がネガティブに動かされ、環境が自分の望まないものになれば、当然仕事に対する不満にもつながる。
改めて、感情、環境それぞれの要素を以下のように定義することとします。
- 感情因子:満足もしくは不満足の状態を作り出す感情の因子(個人の主観)
- 環境因子:感情を動かすことになる、周りの環境を示す因子(事実)
この関係を用いて、スタートアップに転職した人の感情の変化と、スタートアップで働く人に共通する要素を洗い出していきたいと思います。
図2-3 筆者作成
図2-4 筆者作成
表2-1 筆者作成
表2-2 筆者作成
次回は、スタートアップで働く人はどの感情が大きく動いているのか、その感情を動かしている環境因子は何かについて、インタビューを通して検証した結果をお伝えします。
まとめ
- スタートアップへ転職し、いきいきと働く=「満足」して働くには、個人の主観を表す「感情因子」と、事実を表す「環境因子」に分解される要素が関係している。
- スタートアップという「環境」に身を置くことで、特定の「感情」が動かされ、自分のありたい姿に近づいたとき「満足」という状態に至る構造を定義した。
(つづく)
チームDELAHA
グロービス経営大学院卒業生
田久保 善彦
グロービス経営大学院 副学長