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投稿日:2024年01月17日
投稿日:2024年01月17日
勉強するほど年収は上がり、幸せになる?――働く社会人における勉強実態調査から
- 米良 克美
- グロービス・ファカルティグループオフィス
企業の経営理念としてのウェルビーイング
ウェルビーイング(well-being)は、世界保健機関の定義によれば、「身体的、精神的、社会的な側面すべてが満たされた状態」を指し、日本語ではしばしば「幸福」や「幸せ」と言い表されます。
近年、このウェルビーイングや幸福の概念は、個人だけでなくビジネスの目標としても注目されています。実際にトヨタ自動車、積水ハウス、ロート製薬などの著名な企業が、次々と経営理念にウェルビーイングや幸福につながる項目を取り入れ、掲げています。
働く社会人の「学び直し」
もうひとつ、グローバル化やデジタルトランスフォーメーションなどの急速な変化がある現代のビジネス環境において注目が集まっているのが、「働きながらいかに新たな知識やスキルを身につけることができるか」です。2022年10月3日に開催された第210回の臨時国会ではこのトレンドに合わせ、「個人の学び直し(リスキリング)を支援するために5年間で1兆円を投じる」と岸田文雄首相が発表し、学び直しを国の支援対象とする姿勢を明確にしました。
この「人生100年時代」において、学び直しは働く社会人にとって不可欠です。以前は学生時代に身につけた知識やスキルが一生有用と考えられていましたが、新たな知識やスキルが日々生まれている現代では、これらを常にアップデートすることの必要性もまた生まれています。
働く社会人は勉強している?学びによって幸せになっている?
ここで考えたいのが、この現代における2つの注目トピックの間にある関係です。一生涯学び続ける精神を持ち、自己の価値を高めるために努力することは、現代の社会人に必要な要素のひとつです。しかし、学び直しや学びの継続は、幸せに生きるために必要な要素と言えるのでしょうか。
日本において、働く社会人がどれだけの時間を学習に費やしているか、そしてその学習時間と主観的幸福度にどんな関係があるかについては、まだ明らかにされていません。そこで筆者は、日本の働く社会人について勉強時間の実態を調査し、個人の学習時間と主観的幸福度の関連性を明らかにするために、アンケート調査を行いました。
まとめ
上の結果から、働く社会人において、日々勉強に時間を投資することには、幸福感の向上につながる可能性のあることが示唆されました。一生涯学び続ける精神を持ち、自己の価値を高めるために努力することは、幸せに生きるためにも大切な要素のひとつとなるのです。
年が明けて2024年になりました。新年の目標として、何か新しいことを勉強してみてはいかがでしょうか。本記事が、皆さまが勉強することを後押しできれば嬉しく思います。
<参考文献>
米良克美「働く社会人における日々の勉強時間と主観的幸福度の関係」グロービス経営大学院紀要2023年2巻 p.107-110
米良 克美
グロービス・ファカルティグループオフィス