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2021年01月22日

2021年01月22日

あさって会議 第2部分科会C「既存組織の中で新しい事業を生み出す」レポート

モデレーター

鈴木 規文 氏
株式会社ゼロワンブースター代表取締役
グロービス経営大学院 2008年卒業

パネリスト

木内 文昭 氏
株式会社マクアケ 共同創業者 取締役
グロービス経営大学院 2011年卒業
間嶋 宏 氏
トヨタ自動車株式会社 主任(未来プロジェクト室)
グロービス経営大学院 2017年卒業
宮脇 健太郎 氏
ブラザーインターナショナル(コリア)Co., Ltd. 代表取締役社長
グロービス経営大学院 2015年卒業

※あさって会議とは

グロービス経営大学院の教育理念である「能力開発」「志」「人的ネットワーク」を育てる場を継続的に提供するために、オンラインで開催したビジネスカンファレンス。日本全国、世界各地から、各界で活躍する2,200名ものグロービス経営大学院の学生(在校生・卒業生)および教員が一堂に集い、心ゆくまで語り合い、次の行動への決意を固めました。

「あさって会議」という名前は、「未来(あす)に向かって一人ひとりが新たな一歩を踏み出す。その一歩がやがて大きなうねりとなり、さらに遠い日本・世界の未来(あさって)を創る。そんなカンファレンスにしたい」という想いから、学生有志の皆さん(学生企画委員)によって名付けられました。

既存組織の中で新規事業を創造する際は、既存事業とのカニバリやリソース配分の難しさなど、スタートアップの場合とは違った障壁にぶつかるケースが多い。大企業やベンチャー企業などさまざまな立場で新規事業創出に携わってきた3名をパネリストにお迎えし、必要なマインドや戦略について実例を交えながらお話しいただいた。

数年先のコア事業となる新規事業を創出するために

モデレーターを務めたのは、起業家や新規事業開発の支援を行う株式会社ゼロワンブースター代表取締役の鈴木規文氏。「数年先のコア事業となりうる新規事業」と前提を置いた上で、各者のこれまでの新規事業創出にまつわるエピソードを聞き出した。

2013年にサイバーエージェントの社内ベンチャーとして応援購入プラットフォーム『Makuake』を立ち上げた株式会社マクアケ取締役の木内文昭氏は、自身の経験から新規事業を成功させる秘訣を3つ挙げた。

「1つ目は、上りのエスカレーター、つまり伸びそうな市場を選択し、市場の追い風にスピーディに乗ること。2つ目は、『何をするか』は大事だが『経営チームを誰にするか』の観点も重視すること。新規事業は事業領域のピボットが前提になるので、弱みを補完し合えるチームかどうかが重要。3つ目は、インターネットビジネスなど、初期立ち上げに関わる投資コストが一定限度額に抑えられる様な事業の場合は、机上の議論を長い間続けるのではなく、スピーディに事業をスタートしてから市場のフィードバックを得て軌道修正する視点も持つこと」

失敗を悪と捉えない企業文化の醸成

ブラザー工業で新規事業立ち上げを数多く経験し、現在はブラザーインターナショナル(コリア)Co., Ltd.の代表取締役を務める宮脇健太郎氏は、新規事業を生み出すために必要な組織のあり方について言及した。

「弊社の場合、部門間の壁が低く、他部門の人を巻き込んで新規事業の企画を進めても苦言を呈されることはない。なぜなら部門長や役員自身も、やりたいことに挑んで失敗してきた経験があるから。失敗してもバツがつかない風土の中でこそ新規事業は生み出される」

宮脇氏のコメントに同意を示しつつ、木内氏も続ける。「挑戦する人がカッコいいという文化をどう醸成するかが重要。挑戦・失敗経験のある人にセカンドチャンスを作る、社員が希望部署に異動できる制度なども重要だと思います。」

新規事業の創出は、自分を見つけ出す旅

コロナ禍でめまぐるしく変化する今の時代に、新規事業担当者が心がけることとは何か。

「コロナが引き起こしたものは『方向転換』ではなく『遠い将来に起こるはずだった変化の加速』。コロナに関わらず市場は変化しているので、常に新しい顧客創造をしていくべき」と木内氏。

 宮脇氏は「新規事業で培われた変化対応力があれば、あらゆる環境変化に順応できる。今の取り組みは必ず組織の内外で報われる」と、それぞれ参加者の背中を力強く押した。

新規事業創出というミッションを「自分を見つけ出す旅」と称した木内氏。新規事業担当者に何よりも求められるのは、自らの志と組織のビジョンをすり合わせながら自分の意志でチャレンジしていく姿勢。そう改めて教えられたセッションとなった。

モデレーター

鈴木 規文 氏

株式会社ゼロワンブースター代表取締役
グロービス経営大学院 2008年卒業

1998年カルチュア・コンビニエンス・クラブ㈱に入社し、コーポレート管理室長を経て、2006年アフタースクール事業「キッズベースキャンプ」を創業、取締役に就任するとともに、兼務にて株式会社エムアウト新規事業開発シニアディレクター。2008年同事業を東京急行電鉄㈱に売却し、その後3年間における東京急行電鉄㈱子会社でPMI業務に従事。2012年3月株式会社ゼロワンブースター創業し、起業家支援、企業向け新規事業開発支援事業、投資事業を行っている。Global Accelerator Networkのfull member。

パネリスト

木内 文昭 氏

株式会社マクアケ 共同創業者 取締役
グロービス経営大学院 2011年卒業

新卒でリクルートグループに入社以降、複数の新規事業創出に携わる。2009年にサイバーエージェントへ入社し、2013年5月のMakuake設立から現職。経営管理部門を立ち上げ2019年12月東証マザーズ上場。現在は企業の研究開発テーマから具体的な商品・事業を生み出す『Makuake Incubation Studio』を設立し、事業責任者を務める。東証一部上場企業30社以上で「具体的な売上を立てる」までの新規プロジェクト立案実行支援に従事。

間嶋 宏 氏

トヨタ自動車株式会社 主任(未来プロジェクト室)
グロービス経営大学院 2017年卒業

東京大学大学院学際情報学府を修了後、2008年トヨタ自動車に入社。省燃費制御システムの開発を担当。社外との新規事業共創プロジェクトに参画したことをきっかけとして、2018年に未来プロジェクト室へ異動。同年11月より福岡で実証実験を開始したマルチモーダルモビリティサービス「my route」のプロジェクトリーダーを担当。ヒトの移動を豊かにし、生活をもっと便利にするための様々な企画・実証を進めている。

宮脇 健太郎 氏

ブラザーインターナショナル(コリア)Co., Ltd. 代表取締役社長
グロービス経営大学院 2015年卒業

名古屋大学大学院人間情報学研究科修了後、1999年ブラザー工業株式会社に入社。R&D部門に在籍しながら数多くの新規事業プロジェクトに参画し、2004年から米国販売会社に出向、帰国後は新事業企画担当部門にて事業立ち上げ業務を担当。2012年にはドキュメントスキャナー事業を立ち上げ、BtoB向けのソリューションビジネスを推進。2017年より、ブラザーインターナショナル(コリア)Co., Ltd.の代表取締役社長に就任、現在に至る。