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2020年12月25日

2020年12月25日

「変革の可能性を信じ、組織カルチャーを変える人材になるためには」 特別セミナーレポート

足立 光
ナイアンティック シニアディレクター プロダクトマーケティング
(当時、現在は株式会社ファミリーマート チーフ・マーケティング・オフィサー)
志水 雄一郎
フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長兼CEO
唐澤 俊輔
Almoha LLC, Co-Founder COO
澁谷 直幸
株式会社NTTぷらら 営業本部 営業部 第三営業担当部長

2020年8月、グロービス経営大学院は、公認クラブ活動「グロービス変革クラブ」との共催で、参加者約900名にも及ぶ大規模な特別セミナーをオンラインで開催した。本記事では、その様子を一部ご紹介したい。


スピーカーは、ナイアンティック シニアディレクター プロダクトマーケティング 足立 光氏、フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長兼CEO 志水 雄一郎氏、Almoha LLC, Co-Founder 唐澤 俊輔氏の三氏。モデレーターを、「グロービス変革クラブ」の代表幹事であり、株式会社NTTぷらら 営業本部 営業部 第三営業担当部長 澁谷 直幸氏が務めた。

カルチャーは、真似できない競争優位性になり得る

COVID-19で社会が大きく変化するなか、企業として変えるべきこと、残すべきことは何かを問い直すことが必要とされている。本セミナーは、組織カルチャーの変革を成し遂げる人材像にフォーカスし、話を伺った。


開口一番、澁谷氏は組織カルチャーの重要性に言及。これに対し、「ビジネスにダイレクトに効いてくるもの」と説くのは、唐澤氏だ。


「価値観や判断軸が揃っていれば、本質的な議論に集中でき、意思決定のスピードや生産性が向上する。対外的にはパートナーシップや採用時のギャップを埋める手立てとなる」


続く足立氏は、「製品やサービスのように真似ができない競争優位となり得るもの」と話す。


「カルチャーが揃っていれば軋轢を生まず、間違った方向に行く人もいない。満足度もプラスに働く。ただし、会社のフェーズに沿った最適なカルチャーが必要。見直しながら追求しなければならない」

変革を成し遂げる人材に求められる資質とは

続けて話題は、『組織カルチャーを変革する人材』に移り、澁谷氏は、まず良いカルチャーを作りあげている企業や経営者の共通点を志水氏に尋ねた。


仕事柄、多くの経営者とつながりのある志水氏。「優れたカルチャーを持つ企業は、社員全員がデシジョン(決断)するための“命の言葉”を持っている」と話す。


「ハードシングスを乗り越え、短期間で成長するには、共通言語が必要。これらはどこかの模倣や外部企業のサポートによるものではなく、経営者が社員と共につくると良いものが出来上がる」


一方の足立氏は、変革人材に求められるスキルとして、以下の三つを挙げた。

1.めげない心:反発が起こったとしても、それに負けない心を持つ

2.巻き込む力:変革に賛同してくれる仲間を作ること。人が好きなこと。いつも明るい笑顔でいる

3.仕組み化する:変革を進める行動を取った人を表彰するといった制度の導入、クレド作成など、新しく生まれ変わったカルチャーを継続できる仕組みを作る


「変革にかけられる時間は1年」と話す足立氏。この期間中に、変わることでもたらされる好影響を片鱗だけでも示すことが重要という。


最後に、澁谷氏は、各登壇者が変革を成し遂げる人材になった経緯に迫った。

唐澤氏は、「変革は一人ではできない。周囲を巻き込むことが全てで、組織のトップの協力を取り付けることは欠かせないが、より一層大事になるのは現場を動かしているミドル層の丁寧な巻き込み。」という点を挙げた。


足立氏は、「カルチャーを変える前に、何がビジネスドライバーになるのかを見極めることが大事」と話す。


「私の属するゲーム会社は、当初ユーザーしか見ていなかった。それではビジネスが先細りになるので、私はノンユーザーも同等に見ていくカルチャーに変革した。すると、新しい施策が生まれてきた。カルチャーの変革は、あくまで手段。目的が何かをクリアにしておくことが大切だ。」


志水氏は、変革を導く人材を見極める際のSNSの活用法について持論を展開。交際範囲や発信内容の重要性を示唆した。


「どのような人と交流し、どんなことを発信しているのか。さらには、どのようなコミュニティに参加しているのか、どのような意思を持っているのか。これらはSNSの様子を見れば分かる」


そのうえで、日本の将来やイノベーションにどれだけ強い関心を示しているか、前向きな行動を取っているかを見ていると語った。


組織カルチャーを変革することの本質と、それを成し遂げることのできる人材像に迫った本セミナー。大きな結果を残した“体現者たち”が発するメッセージは、これから変革を起こそうとする参加者の心の奥に深く刺さったことだろう。

足立 光

ナイアンティック シニアディレクター プロダクトマーケティング
(当時、現在は株式会社ファミリーマート チーフ・マーケティング・オフィサー)

1968年、米国テキサス州生まれ。一橋大学商学部卒業。P&Gジャパン、ブーズ・アレン・ハミルトン、ローランド・ベルガー、シュワルツコフ ヘンケル社長・会長、ヘンケルのコスメティック事業の北東・東南アジア統括、ワールド執行役員・国際本部長などを経て、2015年から日本マクドナルドにて上級執行役員マーケティング本部長としてV字回復をけん引。2018年9月より現職(当時)。I-neの社外取締役、ローランド・ベルガーやスマートニュースのアドバイザーも兼任。著書に「圧倒的な成果を生み出す『劇薬』の仕事術」、「『300億円赤字』だったマックを六本木のバーの店長がV字回復させた秘密」、「世界的優良企業の実例に学ぶ『あなたの知らない』マーケティング大原則」等、訳書に「P&Gウェイ」、「マーケティング・ゲーム」等。オンライサロン「無双塾」主催。

志水 雄一郎

フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長兼CEO

慶應義塾大学 環境情報学部 卒業、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)にて『DODA』立ち上げなどを経て、2016年に成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社を設立、代表取締役社⻑に就任。2014-15年ビズリーチ主催『Headhunter of The Year』2年連続受賞。2016年 国内初『殿堂』入りHeadhunter認定。2019年より⼀般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会ベンチャーエコシステム委員会委員に就任。2020年に一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)スタートアップ委員会企画部会/スタートアップ政策タスクフォース委員に就任。

唐澤 俊輔

Almoha LLC, Co-Founder COO

大学卒業後、日本マクドナルド株式会社に入社し、28歳にして史上最年少で部長に抜擢。経営再建中には社長室長やマーケティング部長として、社内の組織変革や、マーケティングによる売上獲得に貢献、全社のV字回復を果たす。株式会社メルカリに身を移し、執行役員VP of People & Culture 兼 社長室長。採用・育成・制度設計・労務といった人事全般からカルチャーの浸透といった、人事・組織の責任者を務め、組織の急成長やグローバル化を推進。その後、SHOWROOM株式会社でCOO(最高執行責任者)として、既存・新規双方の事業成長を牽引すると共に、コーポレート機能全般に責任を持ち、事業と組織の成長を推進。

現在は、Almoha LLCを起業し事業・サービスの開発を進めつつ、スタートアップ企業を中心に人・組織の開発やカルチャー醸成の支援に取り組む。

グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了。グロービス経営大学院 客員准教授。

澁谷 直幸

株式会社NTTぷらら 営業本部 営業部 第三営業担当部長

慶應義塾大学経済学部卒業、グロービス経営大学院卒業。グロービス変革クラブ代表。株式会社NTTドコモにて、7回の新規事業立ち上げ、取締役会事務局、長期ビジョン検討等に従事後、2020年7月より株式会社NTTぷららに出向。インターネット接続・映像ソリューション等の法人営業チームを率いる。プライベートで視察した中国・深センのアフターデジタルの世界について講演多数(参加者は大手企業経営者・中央省庁を含む約600名)。