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投稿日:2018年11月29日
投稿日:2018年11月29日
テクノベートが変える新たな経営
モデレーター
- 須藤 憲司氏
- 株式会社Kaizen Platform 代表取締役
パネリスト
- 伊藤 嘉盛氏
- イタンジ株式会社 代表取締役CEO
- 武永 修一氏
- 株式会社オークファン 代表取締役社長
- 寺田 親弘氏
- Sansan株式会社 代表取締役社長
※あすか会議とは
経営者、政治家、学者、メディアなどのトップリーダーと、グロービスのMBAプログラムの学生(在校生・卒業生)および教員が一堂に集い開催する合宿型のカンファレンスです。第1回あすか会議は2005年、奈良県飛鳥荘にて80人の参加者を迎えて開催。第14回目となる2018年のあすか会議には、東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン、英語MBAの学生1,400名が京都に集い開催しました。
テクノベート時代の経営に必要なこととは
クラウドソーシングやクラウドファンディング、IaaS、PaaS、SaaS…。近年のさまざまなテクノロジーやサービスは、経営のあり方を根底から変えようとしている。初期コスト低下によりスタートアップや新規事業参入の間口が広がった一方で、経営者やビジネスリーダーは進化し続けるテクノロジーと常に向き合い、ビジネスに結びつけていかなくてはならない。
テクノベート時代の経営をテーマに登壇したのは、斬新なビジネスモデルを武器に各業界でスピード成長を遂げている企業のトップ4名。「テクノロジー、クオリティ、ファイナンスが相互にフィードバックし合う状態をつくり上げることを意識して経営している」と語ったのは、名刺管理サービスSansan社長の寺田親弘氏だ。
「ユーザーに最初に提供できるものはクオリティしかない。弊社でいうクオリティとは、名刺データの精度。100%に近い精度を求めるには手入力が必須だが、クオリティによりユーザーが増え、データが溜まることで学習し、テクノロジーが磨かれていく。弊社のR&Dセンターでは、預かった名刺データの研究開発が常時10〜20テーマ進んでいるが、ビジネスに繋がるクオリティになるものを見つけるのは僕の役目。10個あったら1個当たればいい、くらいの気持ちでやっている」と、テクノロジーとビジネスを結びつける難しさについて言及した。
業界の常識を覆した不動産ベンチャー、イタンジ代表の伊藤嘉盛氏は、新しいシステムやサービスを導入する際には「まずクライアントと一緒に失敗する」と明かした。
「アーリーアダプター的な企業に協力してもらい、成功したら他社にも広げていく。不動産業界はIT化が遅れている企業も多いので、最先端システムをいち早く導入できることはクライアント側からしてもメリットに感じてもらいやすい」。
成長企業のトップに聞く、最新テクノロジーの学び方
今回登壇した経営者は全員、非エンジニア。モデレーターを務めるKaizen Platform代表の須藤氏による、最新テクノロジーをどう学んでいるか?という問いに対しては、「詳しい人に聞きまくる」というシンプルな回答が目立った。
「まわりのテクノロジーオタクな社長と話して、何がトレンドなのかを理解するようにしている。また、技術がわかるボードメンバーの比率を高めている」とは、ネットオークション価格比較サイトを運営するオークファン社長の武永修一氏。
自らの専門以外の領域に関しては周囲の力を潔く頼るのもまた、経営者に必要な判断といえる。「論文や専門書を読んだり、ブロックチェーンを勉強したときはマイニングファームをつくってみたりと、自分でとにかくやってみることも大事にしている」というイタンジ伊藤氏の例も参考になる。
質疑応答では、将来名刺がなくなったときのための経営戦略について、Sansan寺田氏へ質問が飛んだ。寺田氏は「紙の名刺をなくしたい、とは創業当初から思っている」としたうえで、「すでにアプリ同士で名刺交換できる機能はあるが、まだ浸透していない。iPhoneのNFC(近距離無線通信)がサードベンダーに解放されれば状況は変わるだろう。現状は誰かがディスラプトしなければならない。それを我々がやる」と力強く語った。
セッションではこの他にも、各企業のスタートアップ時期の話やIT投資に対するマネジメント方法、エンジニアの評価方法など幅広いテーマについて語られた。注目のトップランナーたちによる一歩先の視点を、今後の経営戦略にぜひ活かしてほしい。
編集後記
登壇者による講演またはパネルティスカッション形式でのセッションが終了後、夕食会で参加者同士での交流を楽しんだ後、「ナイトセッション」が開催されました。
ナイトセッションとは、各界のリーダーや著名人、講師たちとインフォーマルな雰囲気の中、少人数でテーブルを囲み、議論し語り合える時間です。普段の講演会やクラス等では知ることができない、登壇者の今の関心や熱い想い、これから成し遂げようとしている事など、この場でしか聞くことができない話をしていただきました。
当日の様子を写真で紹介いたしますので、ぜひご覧ください!
「あすか会議」は、グロービス経営大学院の教育理念である、能力開発、ネットワーク、志を培う場を、在校生・卒業生に継続的に提供することを目的として、各界で活躍する経営者や政治家、学者および教員などを招待して開催するビジネスカンファレンスです。
モデレーター
須藤 憲司氏
株式会社Kaizen Platform 代表取締役
パネリスト
伊藤 嘉盛氏
イタンジ株式会社 代表取締役CEO
武永 修一氏
株式会社オークファン 代表取締役社長
寺田 親弘氏
Sansan株式会社 代表取締役社長
(※肩書は登壇時のものになります。)