地域貢献できるプロフェッショナル人材を育成する大学院派遣。学んだ経験を自主的に発信する文化が根付いてきた

  • 北國フィナンシャルホールディングス様
  • 写真中右:常務執行役員・人材開発部長 横越 亜紀様
  • 写真右:執行役員・カスタマーサービス部長 井上 純子様
  • 写真中央:人材開発部 人材開発グループ・グループ長 藤田 祐子様
  • 写真中左:人材開発部 人材開発グループ・マネージャー 牧 孝一様
  • グロービス担当者
  • 写真左:竹下 博貴

地域総合会社として、金融サービスをはじめ多様な価値を届ける株式会社北國フィナンシャルホールディングス様。
お客様のニーズに応える事業を立ち上げ、成長させていく人材の育成を目的に、グロービス経営大学院への派遣制度を取り入れています。
その内容やこれまでの成果についてお話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)

背景と課題

自社の多角化戦略に伴い、
社員にも多様なスキルが求められるようになった

横越さん:北國銀行という地方銀行から始まった当社は2021年に持株会社化し、事業内容が多角化しています。グループ11社の社員は未経験の事業を立ち上げたり、どのようなビジネスに参入すべきかを考えたりすることが求められるようになりました。

経営戦略の変化に伴い、社員が金融分野のみならず幅広いスキルを身に付けるとともに、見識を広げるための人材育成施策が必要だと感じていました。それまでは銀行業務にまつわる社内研修や、金融機関職員向けに提供される研修を実施してきましたが、当社が目指す姿の実現に向け、多様な業種やエリアの方々と交流しながら学ぶ場を設けようと考えたのです。

多様な価値観に触れながら成長できる
グロービス経営大学院を派遣制度の対象校に

牧さん:社外の方々と学んで見識を広げる育成施策の一環として、大学院への派遣制度を取り入れています。その対象校として、2022年からグロービス経営大学院の単科へ、2023年から本科への派遣を始めました。グロービス経営大学院を採用した理由は、国内最大のビジネススクールで、様々な業種、職種、役職、年齢の人たちとディスカッション形式で学ぶことによって、多様な価値観に触れながらスキルを磨く特徴があることです。

横越さん:オンラインでMBAを取得できることも、重要なポイントでした。当社は石川県に本社があり、大半の社員は北陸地方で勤務しているため、首都圏や関西圏にキャンパスがある学校への通学は負担が大きくなります。

また、単科生制度を利用して一科目から学び始め、受講ペースを作ってから本科へ進学するステップを踏める点もメリットに感じました。

検討プロセスと実施内容

事業展開や経営の舵取りをし、
地域貢献できる人材になることがゴール

横越さん:大学院派遣制度のゴールは、市場動向を察知し、ニーズに応じた事業をスピーディーに展開することで地域貢献できる人材になることです。大学院での学びによって、最先端のテクノロジーに関する情報をキャッチアップするとともに、論理的な思考力や構想力といった高度なスキルを磨いてほしいと考えました。

派遣制度は公募制にしており、新しい仕事にチャレンジしたいという意欲を持つ社員が応募しています。ミドル、シニア層の社員、そして役員クラスが応募するケースも珍しくありません。当社は一定の年齢になると取引先企業へ出向し、経営サポートをする役割を担うことも多くあります。地域の要望に応えるためには、銀行業務に長けているだけでなく、広い視野で経営の舵取りをするスキルを持つことが必要になるため、役職者も大学院で学ぶのです。

単科生制度を利用して、
仕事と学びを両立するペースを作れる

横越さん:グロービス経営大学院へ社員を派遣するにあたっては、仕事と両立しながら卒業まで学びきれるかという懸念がありました。当社は過度な残業がある社員はいないものの、コロナ禍が一段落して出張が増えたメンバーもいることを考えると、大学院へ送り出す立場としては不安があったのです。

牧さん:グロービス経営大学院は、ディスカッションをしながら学ぶ良さがある一方、予習や復習に相応の負荷もかかるため、私も横越と同じ不安を抱いていました。

ただ、単科生制度で一科目からスタートして仕事と学びを両立するペースを作りやすいこともあり、今のところ挫折してしまう社員は出ていません。今後も、グロービスで学び始める社員は、卒業した先輩社員にアドバイスをもらいながら仕事と学習を両立してほしいと考えています。

成果と今後の展望

実践的なカリキュラムによって、
あらゆる角度から学びが実務に生かせる

井上さん:私は現在、グロービス経営大学院で学んでいます。学生の立場から感じる特徴は、実践的なカリキュラムです。各科目の内容は理論と実践のバランスが取れており、実務経験が豊富な教員から学べる点も魅力だと思います。ビジネスの最前線で活躍されている教員が、リーダーとしてどう振る舞い、意思決定し、チームのモチベーションを上げているのか。こうしたリアルな経験談を交えて学ぶと、納得感を持ちながら理解を深められます。

この実践的なカリキュラムによって、学んだ内容を自社のビジネスに結びつけて理解できるようになっています。例えばマーケティングやブランディングの授業を通じて、自社の戦略についてより深く理解し、さらに自部署にどのように影響を与えるかを具体的に考えるようになりました。複数の学びが結びつき、あらゆる角度から実務に役立つことを実感しています。

また、単科生として最初に学んだ「クリティカル・シンキング」では、適切なイシューを設定することの大切さを学びました。実務にすぐに取り入れた結果、仕事の進め方やコミュニケーションの取り方が大きく変わりました。実際、受講中に職場の同僚から「井上さん、変わりましたね」と言われたことがあります。イシューを明確にし、相手の立場に立って伝えることが、仕事に大きな影響を与えると実感しました。

能登半島地震の直後に受講した「企業の理念と社会的価値」という科目では、北陸地域の金融機関としての使命を再認識しました。コールセンター責任者として様々な判断を求められる中での受講でしたが、担当教員やクラスメートから励ましの言葉を多くかけてもらった点でも、心に深く刻まれる科目となりました。

私は主にオンラインクラスで学んでいます。全国各地の仲間と一緒に学び、ビジネスやキャリアについて語り合える関係を築けたことは、自分にとっての財産です。グループワークで課題に取り組む科目では、多様性に富んだメンバーでのチームビルディングをオンラインで経験できました。昨年は「あすか会議」にも参加し、普段はオンラインで交流している教員や仲間と直接会える喜びがあったとともに、AIなど最先端の知見に触れる貴重な機会となりました。グロービスの特徴のひとつである、人的ネットワークの大切さを感じる体験を積み重ねています。

(「あすか会議」(ASKA=Assembly for Synergy, Knowledge and Ambition)は、政治家、経営者、学者、メディアなど各界の数多くのトップリーダーの知見・志・情熱に触れることができる合宿型のカンファレンスです。また、 東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンラインの学生が1,000人規模で一堂に集うことで、ネットワークを広げる貴重な機会となっており、「能力開発・人的ネットワークの構築・志の醸成」という教育理念が2日間に凝縮されたイベントとなっています。)

当社の目的を踏まえると、
グロービスを派遣制度の対象校にして良かった

牧さん:派遣担当者として感じるのは、グロービスには派遣元企業が社員の学習状況を把握できる仕組みが整っていることです。学生の受講科目や出席状況、成績が見られる仕組みが整えられているので、社員が着実に成長していることが確認できます。

以前は、大学院というと理論のインプットを中心に学ぶことをイメージしていました。ですが、グロービスはその対極にあり、実践性と先進性を重視しています。グロービスから頂くカリキュラムに関する情報は、ビジネスの最新潮流に触れながら、新しい理論や考え方を取り入れていることが伺えます。また、授業では、知識や理論を仕事で活かすために必要な思考力を磨くべく、ディスカッションを重視して学んでいることが伝わってきます。地域のニーズに応える事業を生み出していく人材を育成するという当社の目的を踏まえると、グロービスを派遣制度の対象校にして良かったと改めて感じているところです。

横越さん:大学院で学ぶ社員の成長や活躍の様子を社内へ広めるために、昨年から、MBAを取得した社員による成果発表の場を設けています。また当社では、業務内容や社員のスキルに関する情報をできる限りオープンにしており、プロジェクトの内容、各社員の大学院通学などの学習状況、キャリアの希望を全社員が閲覧できます。これらの情報から、活躍している社員がグロービスで学んでいることがわかると、「学んでいる人は、確実に力を付けている」と自然と全社へ伝わるのです。こうした成果発表会や情報開示によって、MBA取得にチャレンジする社員が更に増えることを期待しています。

グロービスで学んだ情報を共有する機会をつくる

井上さん:グロービスの学びがより活用できるように、社内ネットワークを大切にしています。単科生として学ぶ社員へ本科のカリキュラムについて共有することや、全社員に向けて「あすか会議」の様子を伝えることもあります。

先日は社内のグロービスを学んでいる有志で説明会を開催し、グロービスで学ぶメリットや、家庭や仕事との両立の方法、実際に仕事にどう生かしているかなどを共有しました。女性や若手社員を含め、一人でも多くの社員が興味をもちチャレンジする気持ちになってほしいと思っています。

私はグロービスで学ぶ中で、自分の意見を伝え、相手の考えを聞きながら議論することで、双方の考えがブラッシュアップされることを経験しました。社内でも学んだ内容を積極的に共有しあうことで、より成長しあえると考えています。

地域に貢献するプロ人材になるために、自律的に学び、キャリアを切り拓いてほしい

横越さん:経営大学院へ派遣する社員は、以前はミドル・シニア層の受講が多かったのですが、近年は若手社員もチャレンジするケースが増えています。

当社トップの杖村から、学び続ける大切さを社員へ発信するとともに、プロジェクト情報、社員の保有スキルやキャリアを全て公開してきたことで、社員も学んだ経験を自主的に発信する文化が根付いてきています。

牧さん:グロービスで学ぶ若手社員からは、「同世代の社員も、グロービスで学ぶ機会を設けてほしい」という声があがっています。自分自身が学ぶだけでなく、仲間と一緒に成長していきたいという姿勢が見られるのは嬉しいことです。

横越さん:今後も、学びに積極的な組織風土を根付かせるために、大学院派遣制度をはじめ、専門知識を得るスクール通学や出向といった他流試合の機会を増やしたいと考えています。当社では、社員に多様な分野のスキルを習得する必要性を伝えるために「スキルマップ」を作成しています。マーケティングやITといった個別スキルを獲得するための資格や、会社が提供する学習機会を一覧にして、社員がやりたい仕事をするためには何を学べば良いかを可視化しているのです。スキルマップの活用とともに、社員からのアイデアも積極的に取り入れ、一人ひとりが望むキャリアを実現する後押しをしていきたいと思います。

また、当社では人事制度を変更し、年功序列の賃金体系から脱却しました。新たな人事制度は、「スキル・役割・生産性・貢献度」という4つの要素に着眼し、全社的な対話によって評価する方法へ移行するものです。この制度変更によって、社員は「自分はどうしたら、やりたい仕事ができるのか」「どうすれば、更に活躍できるか」といったことをより一層、真剣に考えるようになったと思います。これからも引き続き、社員が自律的にキャリアを築き、地域に貢献するプロフェッショナル人材 を育成していきたいと思います。

グロービス担当者の声

グロービス担当者

竹下 博貴

竹下:北國フィナンシャルホールディングス様(北國銀行様)では、2022年にグロービス経営大学院(単科コース)への派遣を開始頂き、多くの社員様に大学院本科へ進学いただいています。

今回のインタビューを通じて、同社における自律的な学びの風土が根付いていることを改めて実感しました。その背景には、経営トップが学ぶ重要性を継続的に発信し、自主的な学びを支援する制度やキャリアマップを整備し、キャリアに応じた学びを可視化していることが挙げられます。また、役員をはじめとする上位層の方々が自ら学ぶ姿勢を示し、グロービス経営大学院に関心を持った社員の方が、気軽に通学中の役員に相談できるような風通しの良さも、学びの文化を強く支えていると感じました。

グロービス経営大学院には、毎年約1,000名の方が入学し、多くの方がオンラインで学んでいます。オンラインでも、実務家講師や多様な受講生とのディスカッションを通じて実践的な学びを深め、在校生や卒業生とのネットワークを構築できる環境が整っています。そのため、業界を超えた「他流試合」の醍醐味を十分に味わうことができます。
今後も、企業様が安心して社員様をご派遣いただけるよう、より充実した学習環境やサポート体制の整備に努めてまいります。社員の成長と企業の発展に貢献できる学びの場として、ぜひご活用いただければ幸いです。

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