グロービス経営大学院で学び、経営視点を持つ社員が各部門で活躍。
自社の次なる成長戦略を実現する組織づくりが進行中

  • フジクリーン工業株式会社様
  • 写真中:総務部 次長 石田卓哉様
  • 写真左:経理部 情報システム課 課長 松本直樹様
  • グロービス担当者
  • 写真右:加藤 亮介

背景と課題

国内市場が縮小傾向にある中、
自社の次なる成長をけん引するリーダー育成が急務だった

石田さん:当社の主力事業である浄化槽ビジネスの国内市場が縮小傾向にある中、当社のビジネスモデルを再構築して成長させられるリーダー育成が急務でした。浄化槽は住宅設備の一部であるため、住宅が建たないと出荷されません。当社は浄化槽の国内トップシェア企業であるものの、国内は人口減少が著しく、出荷数が横ばいの状況は現在に至るまで長く続いています。

そのため、浄化槽以外の周辺事業も含めて戦略を構築し、海外ビジネスへの進出も含めた成長ステージに進むには、向上心と意欲を持つ社員が本気で学ぶ環境をつくることが重要だと考えていました。

実践性の高さがあるグロービス経営大学院を派遣制度の指定校に

石田さん:当社では以前から、公募型による経営大学院への派遣制度がありました。当初は通学する大学院を指定していなかったのですが、人材育成上の課題をふまえてグロービス経営大学院(以下、グロービス)を指定校にしたのです。当時社長だった渡辺も社員がグロービスで学ぶことで「常識や慣習に囚われず、自分の頭で考えられるリーダーになってほしい」という期待を持っていました。

グロービスは、ケースメソッドを通してディスカッション中心の授業で学ぶことが特徴だと思います。自分の意見を持ち、議論を交わすことで視野を広げ、志を持つ仲間と共に成長していく。こうした学びのスタイルは、特定の分野を深く掘り下げ、論文を書き上げることをゴールとした学び方よりも実践的であり、実務で成果に繋がりやすいと考えました。

また次世代の経営を担うリーダーが学ぶ場には、熱量も必要だと思っています。社外に出て、ビジネスの第一線で活躍する教員や、成長意欲の高い優秀なビジネスパーソンと切磋琢磨するという「学びの熱量」が高い点も、グロービスを指定校にした決め手のひとつです。

私がグロービスの「学びの熱量」の高さを知ったのは、経営企画部に異動し、経営知識を基本から身に付ける必要性を感じてグロービス主催のセミナーに参加したことでした。参加者から登壇者へ多くの質問が寄せられ、活発に意見交換がなされる場に驚いたことを覚えています。
その後、こうした場で私も学びたいと思いグロービスに入学してMBAを取得しました。私の実感値と他の大学院に通った社員の感想を比較検討した結果、グロービスのみを指定校にする判断をしたのです。

松本さん:私はこの派遣制度に応募して、グロービスへ通いました。実際に受講した立場としても、石田の意見に同感です。グロービスでは、経営学におけるフレームワークを理解すること以上に、それらを使って自分なりにケースを分析し、課題を抽出した上で、自分ならどう解決するか、どのような意思決定をするのか、を徹底して求められます。

あらゆる科目で自分の意見を持つことを求められる点が、実践性の高さに繋がっていると感じています。

検討プロセスと実施内容

全社視点で戦略を描き、
実行に導くリーダーが全部門にいる組織を目指す

石田さん:全社で次なる成長に向かうために、戦略を立案し、実行に移せるリーダー人材が各部門にいる組織づくりを派遣制度のゴールにしました。経営大学院で学び、こうした素養を身につけたリーダーが全部門にいることで、部門間でも共通言語で議論できる状態を目指しています。

グロービスへの派遣制度を公募型にしているのは、当社の人事ポリシーに基づいています。Off-JTにおいては、自らの能力開発に高い意欲を持った社員を積極的に支援し、会社の意向と個人の意欲が相乗効果を生む能力開発の仕組みと運用を行うというポリシーがあるのです。ただし、人事制度上は、経営大学院を卒業したことで昇格に大きくプラスに働くことはありません。知識やスキルを獲得しても実務で発揮しなければ意味がないので、保有能力と発揮能力の観点で人事評価を行っています。

グロービス経営大学院への派遣は毎年継続。経営スキルを磨いて活躍する社員が増えている。

石田さん:公募型での派遣制度をスタートする際の懸念点は、希望者が継続して出るかがわからないことでした。グロービスの授業は予習・復習が必須であり、学習の負荷がかなり高いと事前案内で通知していたためです。さらには、応募にあたっては上司の推薦をもらったうえで、自分の意思を記述してもらうことも課していました。

そのため、制度変更を行った当初は毎年派遣するまでには至らなかったのですが、近年は希望者がコンスタントに出るようになり、若手社員も含めてグロービスに興味を持つ社員が増えていることを感じています。

なお、経営大学院への派遣制度で多くの企業が懸念点として挙げるのは、MBA取得直後に退職されてしまうことだと思います。しかしながら、当社はMBA取得直後に退職したら学費を自己負担するといったルールを設けていないにもかかわらず、現在のところ退職者はいません。リーダーとして成長し、フジクリーン工業で活躍したいと思う社員がこの派遣制度へ応募してくれているのだと考えています。実務で課題感を抱き、意欲を持って学び、得られたスキルを活かせる場がフジクリーン工業の社内にあるからこそ、実際に力を発揮して活躍していると思います。

成果と今後の展望

組織をリードするキーパーソンとして活躍する社員が、
各部門に着実に増えている

石田さん:グロービスへの派遣制度を始めてから14年が経ち、卒業した社員は各部門のキーパーソンとして活躍しています。経営企画部、営業部、経理部、開発部、海外事業部などでMBAを取得した社員が増えてきました。彼ら・彼女らは皆、全社視点で物事を捉える視座を得て部門をリードしていますし、経営陣とも同じ視点でディスカッションできるようになっていると思います。

松本をはじめ、グロービスで学んで各部門で活躍している社員を見ると、経営大学院で学ぶ知識やスキルはどの職種であっても役立つことを改めて感じます。どのような仕事もリーダークラスは必ず経営視点を求められますし、汎用性のある知識やスキルを持っていると、未経験の仕事にチャレンジするときにも「こうすれば、きっとできるはずだ」という自信を持てると思います。

また、新入社員からも「将来、グロービスへ通いたい」という声があがるようになり、学びによって成長する企業文化が醸成されつつあることを感じます。さらには、当社の採用試験を受ける方にも、この派遣制度に興味を持っていただいています。人生100年時代と言われる今、自身でキャリアを切り拓こうとする人が増えていることを実感しているところです。

考え抜く習慣が得られ、
学びや経験を振り返る重要性を学んだ。

松本さん:私は、グロービスで学んだことで、物事を深く考える習慣が身につきました。グロービスの課題は、ある程度時間をかけて考え抜かなければ自分なりの答えを出せないものばかりなのですが、だからこそ授業でのディスカッションから多くの学びや気づきがあるのです。こうした営みを繰り返すうちに、仕事に向き合う姿勢も大きく変わりました。

入学前は営業部門に所属し、素早く仕事を進めることだけに集中していたように思いますが、今はなぜこうしたことが起きているのか、今後どうなりそうか、など自分なりに問いを立てて考える癖がついたように思います。

グロービスで学んで他に意識が変わった点としては、「成長するためには、振り返りと学び続けることが重要」と思うようになったことです。グロービスでは毎回の授業後に学びを振り返り、ディスカッションボード(クラス専用のSNS)に投稿する仕組みがあります。また、一年次修了時や卒業前には「振り返りセッション」と呼ばれるイベントがあり、仲間と共に学びを振り返り、今後の行動計画を立てる機会が得られるのです。

学びを振り返ることが習慣になるにつれ、自分の仕事を見つめ直すと、経験を振り返っていなかったと痛感しました。学びや経験を振り返り、次の行動計画を立てることの積み重ねで、自分が少しずつ成長する実感が得られます。振り返りの効用を理解できたことで、学び続ける意欲が湧き、グロービス卒業後も他の外部スクールで学びました。

社内に目を向けると、グロービスで学ぶ社員が毎年出てきているので、同じ目線でディスカッションできるメンバーが増えていると感じています。共通言語で、お互いに高い視座を持ちながら議論ができる点で、組織力も上がっているのではないかと思います

卒業生のひとりとして、
グロービスの絶えざる進化を感じている

石田さん:私がグロービスに通った2009年と現在を比較すると、テクノベート(※1)やグローバリゼーションなど、時代に応じた科目がどんどん増えており、グロービスが進化し続けていることを感じます。

一方、今も変わらない点は、事務局のサポートの手厚さです。各種手続きや提出物のフォローのみならず、キャンパスに行けば声をかけてくれるなど、学生が前向きに学べることを第一に考えてくれていることが伝わってきます。

卒業後も同窓会(G会)や互援ネット(※2)、リユニオン(※3)といった卒業生同士の交流や学びのアップデートができる機会が豊富にあることも素晴らしい点ですね。私も卒業生のひとりとして、仲間との交流が続いていることを嬉しく思っています。

(※1) テクノベート:テクノロジー(Technology)"と"イノベーション(Innovation)"を組み合わせたグロービスの造語

(※2) 互援ネット:卒業生による相互支援ネットワークのこと。卒業生7~8名がチームとなり、3カ月ごとに集まり、ビジネスや人生の課題・展望を共有。互いの経験をシェアすることを通じて、次のアクションへの示唆を得ることができる場になっている。

(※3) リユニオン:グロービスの3つの教育理念である「能力開発」「志」「人的ネットワークの構築」に沿って、入学同期の仲間が5年に一度キャンパスに集い交流し、お互いの成長を確認し合い、在学時と同様にともに学ぶ場のこと

今後も、向上心と意欲あふれる社員へ
学びの機会を提供していきたい

石田さん:今後も、グロービスの受講を通じて得られる学び・経験を社内に広く伝え、学びたいと思う社員が増えるよう働きかけていきます。人的資本経営の時代において、意欲とスキルを兼ね備えたリーダーは会社の資産です。すべての部門で、グロービスで学んだリーダーが何人も活躍している状態にできるよう、この施策は続けていくつもりです。また、人材育成全般としても、グロービスの他教育サービスの活用を増やしています。

これからも当社の人事ポリシーに則り、フジクリーン工業のさらなる成長を実現する社員を育成するために、基本的なスキルを獲得する全社員一律研修や階層別研修は最低限に留めつつ、「自ら学びたい人を応援する」施策を増やしていきたいと考えています。

グロービス担当者の声

グロービス担当者

加藤 亮介

加藤:フジクリーン工業様とは、人材育成や組織開発について定期的にご意見交換を行っています。同社が変革を推し進める中で、担当コンサルタントとしてその一翼を担えていることは大変有難いことだと感じております。また今回のインタビューを通じて、当社経営大学院の活用が、組織の共通言語醸成という意味で大きな効果を発揮できていると再認識できました。経営大学院で学ぶことで必ずしも良い経営者になれるわけではありませんが、素晴らしい経営者の方々の多くは経営の基本的な考え方の枠組みを持たれているようにお見受けしています。ぜひビジネスパーソンの方々のさらなる活躍に繋がる成長機会を、引き続きご提供できればと思います。

一方で、法人のお客様とお話しする中で聞こえてくるのは、経営大学院に派遣してしまうと辞めてしまうのではないかという不安の声です。そうした中で、本インタビューで石田様がおっしゃっていることはとても示唆に富むものだと考えております。経営大学院にご派遣いただくと、講義内容そのものだけでなく、講師や他の受講者との対話からも視座が高まり視野も広がり、今までにないスキルを身に着けることになります。受講後できることが増えた方にとって、今までの業務は少し物足りなく感じるかもしれません。そのため、ご派遣いただく際に受講者に期待されること、派遣後に思う存分チャレンジできる場を提供すること、こういった一連の施策が有機的につながることで効果的な施策となります。

フジクリーン工業様のさらなる成長に向けて引き続き尽力していくことはもちろんのこと、経営大学院で学ぶことが当たり前になり、日本経済がさらに強くなっていく世界を作っていきたいと思います。

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