グロービス経営大学院
お知らせ
2024年11月15日
2024年11月15日
iMed Technologies、「脳血管内手術のリアルタイム支援AI」を世界に先駆け導入へ
〜グロービス経営大学院卒業生向け「G-GROWTH」の出資企業〜
グロービス経営大学院は、在校生または卒業生が起業したベンチャー企業を対象とする投資プログラム「GLOBIS Alumni Growth Investment」(以下 G-GROWTH)の出資先である株式会社iMed Technologies(本社:東京都文京区、代表取締役CEO:河野健一)開発の「脳血管内手術のリアルタイム支援AI」が、世界に先駆けて医療施設に導入され、実用化したことをお知らせします。
成人の脳卒中・脳梗塞・脳出血の生涯発症リスクは、世界全体で4人に1人と推定*1されており、日本でも、死因の第4位*2となっています。脳梗塞やくも膜下出血などを治療する手術方法としては、カテーテルを使った「脳血管内手術」が近年普及しています。これは、従来の開頭手術と比較して患者への負担が少ない手法で、手術件数は年率10%以上で増加しています。一方で「脳血管内手術」を執り行う医師にとっては、複数の部位を同時に確認しながらミリ単位の繊細な操作が必要で、高い技量と長時間の集中力が求められます。また、わずかな操作の遅れやずれが合併症につながり、命に関わるような重篤な状況に陥ります。
iMed Technologies社はこの課題に取り組み、ディープラーニングを活用した脳血管内手術のリアルタイム支援AI(Neuro-Vascular Assist)を開発。医療現場において医師をサポートする支援技術として導入が求められ、実用化に至りました。これまでに複数の病院で導入され、日々の手術で活用されています。
このAIは、医師が設定した境界をデバイスが超えた場合や、X線の画面外にデバイスが出た場合に通知を鳴らすことで、医師が即座に認識できるようサポートします。音に加えてAIの画面でも視覚的に分かるように通知を出すことで、若手医師の教育にも配慮した設計となっています。
11月13日に開催された「NVIDIA AI Summit Japan」において、NVIDIA ヘルスケア担当バイスプレジデント キンバリー パウエル (Kimberly Powell) 氏による医療AIの発表で、同社が開発した「脳血管内手術のリアルタイム支援AI」が紹介されました。
URL:https://blogs.nvidia.co.jp/2024/11/13/japan-sovereign-ai-healthcare/
さらに、このAIの医療現場での活用に関する3つの臨床論文が国際的なトップジャーナルにも掲載されました。実際の脳血管内手術でリアルタイム支援AIが活用された初期報告となります。
また同社は、11月21日〜23日開催の「第40回日本脳神経血管内治療学会学術集会」で、スタートアップ企業として初となるアフタヌーンセミナー(共催セミナー)「AIが切り開く脳血管内治療の未来」を開催します。当日は、医療機器展示やこのAI関連の発表演題を8つ予定しています。
代表の河野氏は、脳神経外科医師として脳血管内手術の経験を積みつつ、眼の前の患者だけでなくより多くの患者のためになにかできないか模索し、2017年にグロービス経営大学院に入学。在学中に「企業家リーダーシップ」の受講を通じて、「世界により安全な脳血管内手術を広めたい」という志を育み、iMed Technologies社を創業しました。グロービス経営大学院が2020年10月、投資プログラム「G-GROWTH」からiMed Technologies社に総額1億円を出資し、今回のAIの実用化に至りました。
*1 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1804492
*2 厚生労働省:令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf
グロービス経営大学院 学長コメント
堀 義人(ほり よしと)
グロービス経営大学院 学長
グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー
「iMed Technologiesの取り組みは、グロービスが求める『創造と変革の志士を輩出する』という理念を体現しています。同社は、革新的なAI技術を開発し社会に大きな価値を提供するなど、医療の未来を切り拓く存在であると言えます。今後ますます社会へインパクトをもたらす取り組みを実践していくことを期待します。これからもグロービスは、在校生・卒業生の成長を支援し、彼らが社会の課題解決に挑戦し続けることを全力で応援していきます」
グロービス経営大学院では、在校生・卒業生の起業したベンチャー企業が、投資家から出資を得て成長を加速させている事例が増えています。こうした動きを後押しし、在校生・卒業生のベンチャーと共に成長していくことを目指し、2018年10月にG-GROWTHを開始。2021年には、G-GROWTHの投資先企業の株式会社i-plug(大阪府大阪市、代表取締役CEO:中野智哉氏、グロービス経営大学院2012年卒業)が、東京証券取引所マザーズ市場に上場するなど、支援するスタートアップの活躍の場は広がっています。
グロービス経営大学院は、在校生・卒業生が「創造と変革の志士」として社会で活躍することをこれからも応援してまいります。
参考:グロービス経営大学院の起業サポート https://mba.globis.ac.jp/support/
株式会社iMed Technologies
設立日: 2019年4月
本社所在地:東京都文京区湯島四丁目1番13号 ルネ湯島ビル2階
代表者: 代表取締役CEO 医師 河野 健一
事業内容: 脳血管内手術の手術支援AI開発
ウェブサイト: https://imed-tech.co.jp/
株式会社iMed Technologies 代表取締役CEO 医師 河野 健一(こうの けんいち)氏
医師(脳血管内治療指導医、脳神経外科専門医)
2019年グロービス経営大学院卒(MBA)
脳神経外科医師として医療現場で16年間勤務。現場で脳血管内手術の課題を感じ、「世界に安全な手術を届ける」という理念を掲げ、2019年4月に共同創業者の金子とiMed Technologiesを設立し起業。現在、くも膜下出血や脳梗塞に対する脳血管内治療の手術支援AIを開発。
東京大学理学部数学科卒
京都大学医学部卒
SNS (X) : @CeoImed
E-mail: kono@imed-tech.co.jp
河野氏登壇イベント関連記事 (オウンドメディア「GLOBIS 学び放題×知見録」)https://globis.jp/person_articles/1684/