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ファシリテーションとは?役割と必要なスキル、具体的なやり方

ファシリテーションとは?役割と必要なスキル、具体的なやり方

目次

「何時間もかけた会議なのに、明確な結論まで到達せずに時間切れになってしまった」

みなさん、少なくとも一度はこのような経験があるのではないでしょうか。
会議をスムーズかつ生産性高く進めるには、「ファシリテーション」の実行が重要です。
本記事では、ファシリテーターの役割とファシリテーション能力を高める方法を紹介します。

ファシリテーションとは

ファシリテーション(facilitation)とは、一言でいうと「会議やミーティングを円滑に進める技法」のことです。
具体的には、参加メンバーの発言を促しながら、多様な意見を瞬時に理解・整理していき、重要なポイントを引き出しつつ、議論を広げ、最後には議論を収束させ合意形成をサポートする、こういった一連の行動を指します。
ファシリテーションの役割を担う人のことを、「ファシリテーター(facilitator)」と呼びます。

ファシリテーションの目的

ファシリテーションの最大の目的は、参加メンバーの「腹落ち感」を生み出すことです。
「腹落ち感」とは、各々が会議の目的と理由を深く理解しながら、あるべき姿を自ら描くことができ、当事者レベルを持てるレベルで納得している状態を指します。
一方的に指示や命令をしたり、演説をするだけでは、人はなかなか主体的には動いてはくれません。
理想的な会議のゴールは、それぞれの知恵とやる気が引き出され、自分から主体的に動き、協力して問題解決にあたることができる状態になっていることです。
ファシリテーションは、いわば「腹落ち」を生み出すコミュニケーション技術であり、適切に行うことができれば組織としての意思決定力や問題解決力も高まります
そのため、ファシリテーションは単に会議を円滑に進める技法にとどまらない、リーダーにとって必須のスキルといえます。

ファシリテーションのメリット

近年、働き方改革により、時間当たりの生産性や効率性の向上が求められています。
そのような背景の元、ファシリテーションの重要性も増しています。

メリット①:会議の生産性アップ

会議中、話が脱線しそうになったり、論点がズレてきた際に、適切に軌道修正してくれるファシリテーターの存在があると、「時間をかけたけど、何の結論も出ませんでした...」といった残念な会議にならずにすみます。

メリット②:新たなアイデアが出やすくなる

参加メンバーが発言しやすい雰囲気を作ることも、ファシリテーターの役割の1つです。
議論が活発に行われるようになると、その分、新しいアイデアも生まれやすくなります。

ファシリテーターの役割・やり方

大きく6つの役割があります。

出発点と到達点を明確にする

まず事前準備として、今回の会議はどこから始め(=出発点)、どこまで結論を出すことを目指すか(=到達点)をしっかりと決めておきます。
議論の最終ゴールは、関係者間での「合意形成」なので、出発点と到達点は、合意形成までのプロセスを分解することでイメージしやすくなります。

<合意形成のプロセス>

  • 1.「場の目的の共有」...何の話をなぜこの場でするのか?
  • 2.「アクションの理由の共有」...なぜそうするのか?
  • 3.「アクションの選択と合意」...どうするのか?
  • 4.「実行プランの確認と共有」...誰が・いつまでに・何をするのか?

例えば、プロジェクトのキックオフのような会議の場合は「出発点を1にし、時間の都合もあるので到達点は3を目指そう」となるかもしれません。
あるいは、すでに複数回目の会議であれば「1,2は前回の会議でできているので、今回の出発点は3で、到達点は4を目指そう」となるかもしれません。
出発点と到達点はその時の状況に応じて設定していき、会議が始まった際には参加者にも共有するようにしましょう。

参加者の把握(保有情報や立場)をする

同じチームや部署のメンバーとのミーティングの場合は、意識せずとも、共通認識や共通言語ができています。
しかし、他部署のメンバーとの会議の場合は、保有情報に差があったり、そもそもの前提やミッションが異なっていることが多々あります。

なので、会議をスムーズに進行するには、参加者のこのような情報について予測したり把握しておくことも重要です。

  • 今回のテーマについて、何を知っていて、何を知らないか?
  • 議題に対して、どのような考えや意見を持っているのか?
  • 関心ごとは何か?(=どのようなミッションやKPIを持っているか?)
  • 議論のキーパーソンは誰か?そして、どんな性格の人か?
  • 参加者の相互関係はどうなっているか?

発言しやすい雰囲気を作る

参加者の発言を引き出していくためには、まずは参加者が発言しやすい話題や興味のある話題からスタートしてみるのも1つの手です。
また、発言がなかなか出ない原因として、参加者が「本当は言いたいことがあるのに発言しない」というケースがあります。
原因として、参加者が「自分の発言は重要ではない」と思っていたり、発言に自信がないことがあげられます。
ファシリテーターは、そうした発言を躊躇する原因を取り除いていくために、参加者一人ひとりの発言を尊重しながら、個々人の発言には十分な意義があることを伝えていく必要があります。

本筋と合っているか確認していく

発言を引き出していくと同時に注意しなければならないのは、「話の脱線」や「論点とのズレの発生」です。
本筋からずれてきた場合は、目的を皆で再確認したりなど、適宜、軌道修正をしていきましょう。
「話が盛り上がってしまい、なかなか軌道修正できない」という場合もあるかもしれませんが、参加者の感情に配慮しながらも議論を止める勇気もファシリテーターには求められます。

タイムキーピング

定めたゴールに到達するために、会議の時間管理もしていかなければなりません。
あらかじめ、「会議の目的の共有に〇分」「□□の議論に〇分」「まとめに〇分」など、各ステップの所有時間を決めておき、実際の会議では進捗を確認しながら進めていきましょう。

⑥結論付けと合意形成をする

最後に、今後のアクションに向けて、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を明確にし、参加者の意見や認識を一致させて、会議を締めくくります。
今後のアクションまで決まらなかった場合は、今回の議論で「決まったこと」「決まらなかったこと」を明確にし、次回の会議で話し合う論点として押さえておきましょう。

ファシリテーションに必要なスキル

ファシリテーターに求められる4つのスキルを紹介します。

理解力

会議では、様々な意見がいろいろな角度から出てきます。
ファシリテーターは、そうした多様な発言の内容を瞬時に理解し、整理しながら、進行していかなければなりません。
こちらの記事で、理解力の高め方について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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理解力がないと仕事は非効率に。鍛えるための4つの方法 理解力とは、物事の仕組みや状況を正しく判断する能力のことです。ビジネスにおいて様々な場面で求められる理解力を鍛え方を紹介します。

論点をおさえ、整理する力

ビジネスにおける議論の主な目的は、「適切な意思決定」をすることです。
そもそもの論点がズレていたり、重要なポイントを見逃したまま議論が進んだ場合、誤った意思決定をしてしまいます。
そうならないためにも、ファシリテーターは、論点を十分に理解・把握しておかなければなりません。
そして、実際の会議では、参加者の発言の内容を理解しつつ、議論の中で出てくる論点について、深めていくべきか否かを判断していく必要があります。
ファシリテーターには、こうした論点を把握する力と整理する力が求められます。

この2つの力を鍛えるためには、「論理的思考力」を高めることが有効です。
論理的思考力は、「複雑なものを整理し、シンプルにしていく思考方法」です。
具体的な高め方については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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論理的思考力(ロジカルシンキング)を鍛える3つの方法 論理的思考力は、すべての社会人に必要不可欠なスキルです。論理的思考力を高めるメリットと鍛え方を紹介します。

質問力

質問力とは、不明点や疑問点などを問いかける能力です。
参加者から出てきた話の内容が不十分な場合には、すかさず「それって具体的にはこういうことですか?」「もう少し具体的に教えていただけますか?」など、適宜質問をしていきましょう。   
質問力を高めるポイントについては、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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質問力を鍛えるメリットと方法。質問力を高めコミュニケーション能力向上! 「質問力」はビジネスやプラベートなど様々なシーンで問われる能力です。質問力を高めるメリットや方法について紹介します。

聴く力

参加者の発言意欲を高めるには、ファシリテーターの「聴く力」が大事です。
ファシリテーターは、「聴こう」「理解しよう」としていることを態度でも示すためにも、こうしたことを意識し、発言しやすい雰囲気作りをしていきましょう。

  • 発言者に顔や体を向ける
  • 発言者の目をしっかりと見る(アイコンタクト)
  • うなづきや相づちを入れる
  • 発言を受けて要約し、自分の理解を示す

実践的なファシリテーションスキルを身につけるには?

今は書籍や動画学習など、ファシリテーションの方法について学ぶ手段がたくさんあります。
一方で、ビジネス現場で多くの方がファシリテーションの実践が上手くいかないと悩んでいます。
その理由は、ファシリテーションは思考力や理解力、表現力など、各プロセスで高度な複合スキルが同時に求められるからです。
人間の思考の処理能力には限界があるためキャパシティオーバーになり、表面的なテクニックを学んだだけでは、なかなか上手く実行できません。

実践レベルでファシリテーションスキルを習得したいという方は、外部の機関を上手に活用して学ぶというのも1つの手です。
例えば、国内最大のビジネススクール・グロービス経営大学院では、人を動かすために重要となる合意形成の考え方を学びながら、ロールプレイを通じて再現性のあるスキルを身につけていくファシリテーション&ネゴシエーション』という講座があります。
登壇する講師の多くは、経営に関する体系的な知識はもちろん、経営者やコンサルタントなどの実務経験を持つ"経営のプロフェッショナル"です。
講座は2週間に一度、計6回の開催。
3ヵ月でかなり思考の仕方が変わりますので、ぜひ検討してみてください。

(▼講座の詳細はこちら)
『ファシリテーション&ネゴシエーション』講座

また、グロービス経営大学院では、随時オンラインにて『体験クラス&説明会』を実施しています。
授業の雰囲気や進め方を知りたい方は、まずはこちらからのご参加をおすすめします。

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まとめ

様々な関係者と仕事をしていく中で、ファシリテーション力は必須スキルです。
ファシリテーションスキルの要となるのは、「思考のスピード」です。
思考力は一朝一夕で身につくものではなく、日々の積み重ねによって鍛えられていきます。
まずは、日常で触れる情報に対して、「この情報の本質って何だろう?」と立ち止まって考える癖をつけることからスタートしてみましょう。

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

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