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視座を高めるには?視座を高める3つの方法とメリット

視座を高めるには?視座を高める3つの方法とメリット

目次

上司や先輩から「視座をもっと高めなさい」と言われたことがある方もいるのではないでしょうか。
日々仕事をする中で、視野狭窄にならないためにも、さまざまな角度から状況を見ようとする姿勢はとても大切です。

しかし、「視座」とは結局何なのか?どうやったら高められるのか?ピンとこない方も多いかもしれません。
今回は、視座を高めることのメリットと、その方法について紹介します。

「視座が高い」とは?

そもそも「視座」とは、「物事を眺め、それを把握するときの立場」のことです。
「視座が高い」状態とは、仕事でいうと「今の自分よりも上の立場で物事を見る」ことができる状態を意味します。

例えば、ある資料を修正するよう上司から頼まれ、指摘された箇所を直して提出したとします。
業務経験が浅いうちであれば、まずは指示通りの仕事、つまり言われた部分を直すことができればOKです。
しかし、年次が上がっていくと、言われた通りの行動をするだけでは、上司の期待に応えることはできません。
その中で、「もっと視座を高めてほしい」とフィードバックされるケースが多いです。

視座が高い人は、仕事を依頼する上司の意図や、その背景を押さえて、意思決定者の判断材料となるようなアウトプットを出すことができます。
つまり、先ほどの例だと、「なぜ、資料のこの部分の修正が必要なのか?」という課題を自ら設定した上で、「承認を得るための資料だから、上司としてはこういう情報も必要になるのではないか?」と課題に対する打ち手を考えることができるのです。

「視野が広い」との違い

「視座」と似た言葉で、「視野」や「視点」があります。
これらは、以下のような違いがあります。

  • 視点:「どの観点で」物事を見るか/考えるか
  • 視野:「どの範囲で」物事を見るか/考えるか
  • 視座:「どの立場で」物事を見るか/考えるか

つまり、「視野が広い」とは、思考や知識の幅が広く、多面的・多角的に物事をみることができる状態です。
一方、「視座が高い」とは、より上の立場で、俯瞰的に物事を考えることができる状態のことを指します。

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視座を高めることのメリット

視座を高めると、目の前の仕事に対する姿勢が変わり、それによってさまざまなメリットが生まれます。
とくに期待できるメリットは、3つあります。

生産性が向上する

視座を高めると、俯瞰的に考えることができるようになるため、どの仕事を優先し、どの仕事を後回しにするかなど、仕事の優先順位を判断しやすくなります。

視座が低いと、目の前の仕事しか見えていないため、まんべんなく、がむしゃらに頑張ろうとしてしまうことが多いです。

視座を今よりも高めることで、目の前の仕事の前工程や後工程には何があるのか?を想像し、全体感を持って仕事を進められるようになります。

仕事の全体図が捉えられるようになると、今から取り組もうとしている仕事の緊急度や影響度を冷静に見極めることができるので、結果として、かけたリソース(時間・予算)に対して高いパフォーマンスを発揮することができます。

パフォーマンスが最大化される

視座が高まると、業務全体を眺める癖がつくため、「自分が今取り組んでいる仕事は、全社的な目標達成に不可欠である」という実感を持つことができます。

こうした感覚が持てるようになると、当然モチベーションは上がります。
さらに、「目標を達成するためには、これだけをやっていては足りない。ほかにできることはないか?」という発想になったり、逆に「目標達成のためには、思い切ってこの仕事を捨てるのもありなのではないか?」と、冷静に現状を振り返ったりすることもできます。

その結果、パフォーマンスを最大化するだけでなく、「目標達成のために、自分はこれを頑張っている」という、自分が働く意義をしっかり胸に抱きながら、日々の業務に取り組めるようになります。

周りからの信頼を得ることができる

業務全体を見渡して、自分の業務範囲外のことにも配慮することで、周りからの信頼を得られるのも、視座を高めるメリットのひとつです。

視座を高めると、現状だけを見た場当たり的な判断ではなく、過去の経緯を踏まえて仮説を立てながら行動したり、未来の視点を持ちながら状況を把握したりすることができるようになります。

幅を持って複数の仮説やリスクを想定しておくと、予想外の事態に振り回されることが減ります。
結果として、先輩や上司からの指摘や仕事の手戻りを減らすことができ、より大きな仕事を任せてもらえるだけの信頼感を獲得することができます。

視座を高める3つの方法

実際に視座を高めるには、視座の高い人の考え方に触れることが必要不可欠です。
ここでは、具体的に3つの方法をご紹介します。

ロールモデルになる人と会話する

「この人くらいまで視座を高めたいな」と思う人が周囲にいたら、定期的に1on1を依頼するのがおすすめです。

可能であれば、普段あまり近くで一緒に仕事をしていない人の方がよいでしょう。
距離が近すぎると、普段の仕事のやりやすさや人間関係を配慮し、なかなか本音で話しにくいためです。

自分の今の悩みや、モヤモヤしていることを相談すると、自分では全く持っていなかった視点からアドバイスをくれることがあります。

その経験を積み重ねることで、次第に「あの人だったら、この問題をどう捉えるか?」といった発想ができるようになり、視座が高まっていくことにつながります。

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さまざまな本を読む・動画を見る

残念ながら、周囲に視座が高いと思える人がいない場合は、本や動画を参考にするとよいでしょう。
高い視座から情報発信をし、世間に影響を与えている人は、世の中にたくさんいます。

もちろん、物事を見る角度は人によってさまざまですので、自分の心にしっくりくる人もいれば、あまり共感できない人もいるでしょう。

本や動画を通して、いろいろなタイプの人の考え方に触れることで、自分にとって理想的なロールモデルが見つかるかもしれません。

社外のコミュニティに参加する

社内や身近な範囲にとどめることなく、今まで足を踏み入れたことがなかったコミュニティで、視座の高い人と接点を持つことも大事です。

例えば、オンラインサロン、NPO法人への参画もありますし、私が勤めるグロービス経営大学院のようなビジネススクールで社外のコミュニティを築く方法もおすすめです。
社外にネットワークができれば、そこから徐々に新しいつながりも生まれます。

自分に紐づくネットワークが広がれば、その分、視座の高い人に巡り合える可能性も高まるので、より効率的に視座を高めることにもつながるでしょう。

まとめ

今回は、視座を高めるメリットとその方法についてご紹介しました。

もちろん、視座は一朝一夕で高めることができるものではありません。
しかし、「実際に、その視座に立って経験をする」前にできることは、意外とたくさんあります。

今日ご紹介したことをヒントに、ぜひ「昨日の自分」より高いところから、物事を眺めることを意識してみてください。

また、視座を高めることができれば、視座を低くすることもできます。
つまり、現場目線で物事を見ることもできるようになるということです。

いつも上司やマネジャーの視点で物事を見ていると、現場のことがどんどん分からなくなってしまう、という別の問題が発生するかもしれません。
状況に応じて、「今はどの視座で考えるべきか?」を見極めることも、大事にしてみてください。

著者情報

鈴木 麻希(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

鈴木 麻希(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

早稲田大学文学部フランス語フランス文学コース卒業。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。EC事業を行うベンチャー企業にて自社商品の輸出業務、オンライン・オフラインのマーケティング全般を担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院の学生募集企画にて、受講生の個別相談やセミナー等の運営、営業施策の立案などを行う。また、グロービス経営大学院のVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティを務める。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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