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「タスクが多すぎて、何から手をつければいいかわからない」と感じることはありませんか?そんなときに鍵となるのが「段取り力」です。タイムマネジメントに苦手意識がある人でも、段取りの工夫次第で仕事の流れは大きく変わります。本記事では、段取り力の高い人に共通する3つの習慣をご紹介します。
タイムマネジメント=段取り力の時代
「時間管理が苦手」「TODOが片付かない」という悩みには、タイムマネジメントではなく「段取り力」の視点でアプローチしてみるのがおすすめです。
たとえば、3分で済むアンケートを「あとでやろう」と先延ばしにすると、思い出す・再確認する・気にし続けるといった追加の手間がかかり、結果的に10分以上の負荷になることもあります。小さなタスクこそ、思い立ったその場で片づけるのが効率的です。
①全体像を正確に捉える
段取り力の高い人は、ゴールと現在地を常に意識しながら動いています。今どこにいて、目的地にたどり着くには何が必要か。そんな逆算の思考を自然と行っています。
RPGゲームに例えると、ボスを倒すにはまずレベル上げや装備の強化が必要だとわかっている状態です。特にプロジェクトのように複雑な業務においては、この俯瞰的な視点が成功を大きく左右します。
②ボトルネックから先に潰す
段取りの悪い進め方は、タスクを上から順番に処理してしまうことです。一方で、段取り上手は「どこが進行を止める要因になるか」を先に見極めて対処します。
たとえば、外注先の決定や承認作業、他部署との連携など、自分の努力だけでは進められない部分を早めにクリアすることで、全体がスムーズに回り始めます。逆に、自力でどうにかできる作業は後回しでも大丈夫。冷静に優先順位を見極める力が、プロジェクトの成否を分けます。
③動画のようにストーリーで想像する
段取りが上手な人は、プロジェクト全体の流れをまるで動画のようにイメージしています。誰がどの作業を、どのタイミングで行うのか。それぞれのアクションに対して具体的な想像力を持っています。
たとえば、「この人は文章作成が得意だから任せて大丈夫」「この人には事前にフォローが必要」といった見立てをもとに、事前の対応を取ることで進行が止まりません。これは、日ごろからメンバーのスキルや状況を観察しているからこそできることです。
「段取り力」は観察と工夫で磨ける
段取り力は、才能ではなく習慣で磨くことができます。「全体像を描く」「ボトルネックを見つける」「ストーリーとして想像する」。この3つの習慣を意識するだけで、仕事の進み方は驚くほどスムーズになります。
進行が遅い、うまくいかないと感じたときこそ、段取りの見直しが効果的。ぜひ、明日からこの3つの視点を実務に取り入れてみてください。
著者情報

加藤 想(グロービス経営大学院 大阪校企画営業責任者)
神戸大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。大手通信会社にて設備設計業務、採用活動に従事した後、サービス戦略部門にて新サービスの立案、AI、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院の学生募集企画にて学生のキャリア相談、新規施策立案などを行っている。また、グロービス経営大学院のVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティを務める。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。