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論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛える3つの方法

論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛える3つの方法

目次

私たちは日々、多くの仕事を片付けなけらばなりません。
しかし、実際に取り組んでいくと、様々なことが複雑に絡み合い、どこから手を付けたらよいか分からないことがあります。
論理的思考(ロジカルシンキング)とは、そういった「複雑なものを整理し、シンプルにしていく思考方法」です。

今回は、すべての社会人に必要不可欠なスキルであり、あらゆる業務をこなすうえでのベースとなる「論理的思考」を鍛える方法をご紹介します。

論理的思考(ロジカルシンキング)とは

ロジカルとは、「論理的な」「筋の通った」という意味です。
論理的思考とは、物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法です。
とくに問題の解決策を考える場面で力を発揮します。

論理的思考を身に着けるメリット

論理的思考は、幅広いビジネスシーンで役立つので、業種や役職を問わず、すべての社会人が身に着けるべきスキルの一つです。

メリット①:問題解決能力の向上

問題解決とは、問題や課題を見つけて原因を分析し、解決策を考え実行する一連の流れです。
あらゆる業務のベースとなるものであり、ビジネスで成果を出していくためには問題解決能力は必須のスキルです。
物事を体系的に整理し、因果関係を正しく把握する論理的思考を鍛えれば、問題解決能力も大きく向上します。

メリット②:プレゼン力や提案力の向上

交渉相手にとって納得度の高い筋道の通った主張ができるようになるため、自身の提案が採用されやすくなります。

メリット③:コミュニケーション能力の向上

コミュニケーション力は、「聴く力」と「伝える力」からなります。
「聴く力」は相手の意見や考えを正確に理解する力で、「伝える力」は自分の意見や考えを正確に理解してもらえる力です。
論理的思考力を鍛えることで、この両方の能力の向上が見込まれます。

論理的思考力を鍛える方法

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なんとなく難しそうな印象を持たれる方もいらっしゃいますが、どなたでもトレーニングによって十分に習得することが可能です。

方法①:言葉を具体的にする

まず、日々の何気ない会話の中の「抽象的な言葉」を「具体的な言葉」に変えることが、論理的思考のトレーニングになります。

たとえば、 普段こういった言葉を使ってしまう人は気を付けてみましょう。

・「やるべきことに注力して、目標達成に向けて頑張ります」 →具体的に何をやるのか明確にする。
・「早めに提出します」 →具体的な期日を伝える。

特に、後者の「早め」の感覚は人によって異なります。
抽象度が高い言葉は、自分の伝えたいことが相手に正しく伝わっていないことがあります
全ての人が同じイメージができるように伝えるためには、より具体的に言葉を定義する必要があります。

方法②:本質的な問いを押さえる

論理的に考えるためには、「本質的な問い」を押さえることが重要です。
「今、目の前で片付けている業務は、具体的にどのような課題(=問い)を解決するためのものなのか」ということを常に押さえることを心がけましょう。
「問い」をしっかりと押さえていなかったために、仕事が効率的・効果的に進まない例は多々あります。

たとえば、みなさんが「営業力強化プロジェクトチーム」に任命されたとします。
よくあるのは、「営業力強化のための研修をするのはどうか」と思いつき、「どのような研修を行えばよいのか...」と頭の中で無意識に問いを変換してしまうことです。
そうすると、たとえ作成した研修の提案書が力作だったとしても、研修は営業強化の一部に過ぎない可能性があります。
実際には研修なんて些細なことで、本質的には「営業のプロセスをいかに見直すか」という問いの方が重要かもしれません。

問いを押さえるためのコツは2つあります。

  • 1.問いを分解する
  • 2.問いの背景を確認する

【1.問いを分解する】

たとえば、みなさんが人事担当だったとして、上司から「社内のグローバル人材の育成施策を考えてくれ」と言われたとします。
このままでは漠然とした「大きな問い」すぎるので、「どのような人材を?」「いつまでに?」「どの程度?」「いくらかけて?」といったように、検討すべき問いを分解していきます。

【2.問いの背景を確認する】

「問いの出し手の背景にはどのような問題意識があるのか?」「どのような経緯で、その問いは出てきたのか?」ということを理解することも重要です。
先ほどのグローバル人材の例で言うと、人事だけの問題なのか、全社的な何らかの戦略転換なのかによって、考えるべきことの範囲が変わってくるからです。
背景を確認するには、「こういうテーマが今出てきた背景には何があるのでしょうか?」とシンプルに聞くことをお勧めします。

方法③:主張と根拠の骨格を作る

「問い」を押さえたら、次に考えるべきは、その問いに対する自分なりの「答え(主張)」です。
「グローバル人材育成のために何をすべきか?」が問いであれば、「そのためには、〇〇と△△にまず取り組むべきです」が主張になります。
そして、ある主張をするためには、「なぜそう言えるのか?」という根拠もセットで必要となります。
この2つがしっかりとリンクしていれば、説得力がぐんと増します。

主張:「~だと思う」
根拠:「なぜならば~」

主張を組み立てるための、2つのアプローチ方法をご紹介します。

  • 1.演繹法
  • 2.帰納法

【1.演繹法】

既存のルールに、具体的な事象をあてはめて結論や主張を導く方法です。
私たちは何らかの主張をしようとする際に、すべてを必ずしもゼロベースで考えているわけではありません。
すでに何らかの知識やルールがある分野では、その知識を拝借することで主張を作ることができます。

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演繹法を身に着けるためのポイントは、「一般的なルールの引き出しを増やすこと」「知識を『使える状態』にまでしておくこと」です。

【2.帰納法】

複数の事象から、自らある共通のルールを見つけ出し、無理なく言えそうな主張を導き出す方法です。

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演繹法は自動的に結論が決まっていくのに対し、帰納法は「解釈が何通りも成立する」という特徴があります。
目の前の事象から新しいものを「想像する力」が求められます。
帰納法のコツは、「思い込みを捨てて、サンプルをしっかり集めること」「経験や事例の幅を増やし、具体的に考える力を身に着けること」です。

論理的思考を支える3つの概念

論理的思考を習得するには、「MECE」「ビジネスフレームワーク」「ロジックツリー」の3つを使いこなせるようになることが有効です。

①『MECE』:網羅性を追求する

MECE(ミーシー)とは、 こちらの頭文字をとった言葉です。

  • Mutually(お互いに)
  • Exclusive(重複せず)
  • Collectively(全体に)
  • Exhaustive(漏れがない)

日本語に訳すと、「全体集合として、それぞれが重複することなく、漏れがない状態で網羅されている」という意味です。

物事における網羅性を追求するための考え方で、限られた時間の中で最善の解決策を考える際に重要です(※ビジネスにおいて、時間と資源は有限です)。
MECEを自然と意識できるようになれば、情報整理力がぐんと増し、効率性・生産性が上がります。

逆に、MECEができておらず、「モレ」や「ダブり」がある状態では、的外れな解決策になってしまったり、非効率な資源配分が起きてしまいます

たとえば、職業で分類したとします。 
【学生/主婦/アルバイト/会社員】
とした場合、自営業の人が含まれていない「モレ」が発生していますし、学生かつアルバイトをしている人もいるので「ダブり」も発生しています。
この分類の仕方では、MECEとはいえません。

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②『ビジネスフレームワーク』:MECEの応用

いわゆる「ビジネスフレームワーク」の多くは、MECEを応用したものです。
状況や課題の本質を押さえるうえで非常に役立つので、積極的に学び、使いこなせるようになることをおすすめします

【例①:3C】

新規市場の定義や新商品開発などの場面で環境分析を行う際に役立つフレームワークです。

  • Customer(顧客):ターゲットとなる顧客は誰で、市場はどのような状況か?
  • Company(自社):自社の強みやユニークネスがどこにあるのか?
  • Competiror(競合): 自社の強みやユニークネスがどこにあるのか?

【例②:4P】

マーケティング戦略を考案したり見直すうえで、役立つフレームワークです。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(販売チャンネル)
  • Promotion(プロモーション、コミュニケーション)

③『ロジックツリー』:広がりと深さを押さえる

問題の原因を深堀りしたり、解決策を具体化&特定化するときに役立つ考え方です。
また、考えうる解決策の優先度をつけやすいというメリットもあります。
MECEの考え方(漏れなく、ダブりなく、網羅する)をベースとして、ツリー状に(※木が葉で生い茂っている様子を想像してください)、要素を分解&整理していきます。

たとえば、肩こりに聞く商品やサービスの市場機会を考える際には、このようなロジックツリーで考えていきます。

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自分の思考の癖を自覚する

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論理思考力を高めるには、自身の「思考の癖」に気付くことも大切です。
クリティカルシンキング(批判的思考)」という、意識的に自分の考えを批判的にみる思考法も、思考の癖の改善に有効です。

典型的な思考の癖はいくつかあります。
先ほどご紹介したように、抽象度の高い言葉を使ってしまいがちな方は、「もっともらしい事を言っているんだけど、中身は何もない」ということにならないように、まず「本当にその言葉が適切か」など問い直してみてください。

また、相手と話が噛み合わない時には、前提が合っていない場合があります。
そうした場合は、自分の前提で話を進めていないかということを問い直す必要があります。
同時に、相手はどのような前提を持っているのかをチェックすることも大切です。

その他にも、因果関係を取り違えてしまったり、視野狭窄になって逆サイドの意見を考えられなかったりといった思考の癖もあります。

まとめ

ビジネス基礎力は、若いうちから身に着けた方が、投資対効果が大きいスキルです。
すべての社会人に必須である論理的思考は、ぜひ積極的に鍛えておきましょう。

また、同じくあらゆるビジネスパーソンに必須のスキルとして「仮説思考」があります。
短時間で質の高いアウトプットを出すために必要な思考方法です。
こちらの記事で、詳しい鍛え方を解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。

関連記事

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仮説思考を鍛える3つの方法。仕事の効率化と質向上を目指そう 短時間で質の高いアウトプットを出すために必須の「仮説思考」を高める方法をご紹介します。

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

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