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北村早紀#4|新たに見つけた使命。自分の心が動くままに生きる

北村早紀#4|新たに見つけた使命。自分の心が動くままに生きる

目次

※前回の記事(キャリアインタビュー#3)は、こちら

10.使命に向かってひたむきに仕事ができるのは気持ちがいい

そうした仕事への考え方の変化により、キャンサースキャンに入社したんですね

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はい。一次面接で社長に会って「ここだ」と思いました。

キャンサースキャンは、「マーケティングテクノロジーで、人と社会を健康に」というミッションを掲げ、予防医療を推進しているベンチャー企業です。
転職活動中に、「自分が本当にコミットしたい領域」について考えていた時に、一番しっくりとくるミッションでした。

私の母方は癌家系で、20年ほど前に母親が乳がんになったんです。
母は毎年検査を受けていたりと気をつけていたのですが、がんが見つかった時、すでに重めだったんですね。
今は手術をして再発もせず元気なのですが、予防・早期発見早期治療の大切さを実感していたので、キャンサースキャンの掲げるミッションに強く共感しました。

予防医療に関する知識や経験をお持ちではありませんでしたが、何採用の決め手となったのでしょう?

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前提として、予防医療の経験者は、マーケットにほとんどいません。
なので、選考はそれぞれの強みやミッションへの共感を重視していたようです。

入社後に社長に聞いたのですが、私の採用は「ミスミ時代の話」で決めたそうです。
中国の工場に行っている時のエピソードから、「泥臭い仕事を粘り強くやる奴」と思われたみたいです。
不良品が工場で多発していた時があったのですが、不良品が出る捨ててしまうこともあり、どのくらいあるか、なぜ不良になったのか原因が分からない状態でした。
そこで私は、3日間くらいずっと不良品を拾って、その不良品がなんで不良品になったのかを、スタッフに聞いて回り、原因を見つけたということがありました。
そのエピソードから、社長は「ベンチャーできれいに整っていない状態でも働ける奴だ」と判断したようです(笑)。

キャンサースキャンに入社後は、幸福度が80%と最も高いですね。

会社のミッションに深く共感しての入社なので、この使命に向かってひたむきに仕事をできるのが気持ちよかったからですね。
「愚直に取り組めば成果が出る」と、自分の仕事に少しだけ自信が持てるようにもなりました。

入社後は、どのような仕事をされていたんですか?

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ソーシャルマーケティング事業本部に配属され、西日本を中心に自治体事業の運営を行っていました。
車の運転も多く、ホテルに宿泊という生活で、体力的に辛い場面もありましたが、裁量権もあって様々なことにチャレンジができ、充実していました。

一方で、落ち込む時期もありました。
繁忙期が過ぎた頃に、このペースで何年も仕事できるかなと不安に感じることがありました。
今は組織作りも進んでいますが、当時は社内でどんなキャリアの広がりがあるのかも、まだ見えない状態でして...。

さらに、翌年度の組織編制で、自分が担当している一番大きな顧客を手放さなくてはならないことを知ったと同時に、同期が先に昇格したことを知る、ということもありました。

しかし、その数日後に新規事業への異動が決まったり、
半期表彰で社長賞をもらうことができたりと、これまでの仕事への姿勢や成果を認められたと感じる出来事が続き、気持ちも前向きになりました。

11.自分の心が動くままに生きていきたい

今はキャンサースキャン2年目ですね。働く上での姿勢など、変化はありましたか?

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新規事業に異動しまだ何も分からない中、新型コロナウイルスの流行で在宅勤務となり、4,5月は辛かったですね...。
6月以降は、少しずつできることが増え、本来の自分のペースも取り戻せるようになってきました。

また、仕事のスタンスとしては、「文句を言わずにやりきると、もっと楽しい仕事に声をかけてもらえる」と考えるようになりました。
新規事業の仕事もある中で、本来担当ではないイレギュラー案件にアサインされ、大変ではありますが、どんどんこなすようにしています。
やりたいことを声に出すことも大事ですが、それよりも「やるべきこと・頼まれたことをやりきり、周囲の信頼を獲得する」ことが大事だと改めて感じています。

新規事業ということもあり、うまくいかないことの方が多い日々です。
しかし、「できるまで、あらゆる手段でやり続ける」「諦めるという選択肢は持たない」を心がけ、取り組んでいます。

ミッションに共感した会社で2年。仕事のスタンスも固まってきました。この先の展望は?

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しばらくは、新規事業の立ち上げと規模の拡大に尽力していきたいです。
今の取り組みが社会で拡がれば、「人と社会を健康にする」というミッションの達成に近づけますし、純粋に元気な人が増えると思っています。

新規事業の取り組みが落ち着いたらどうするかは、まだあまり想像できていないですね。
現状は、「〇歳までにこうしたい...!」という逆算的な思考でキャリアを考えておりません。
自分の心が動くままに生きていきたいし、今は自分のミッションと会社のミッションが重なっているため、思いきり仕事に没頭できています

自分が心からやりたいと思えることにコミットして生きることができ続けるように、日々の積み重ねを怠らずに過ごしたいと思っています。

まとめ:北村さんのインタビューを振り返って

キャリアの成熟とは「本当の自分を取り戻していくプロセス」であることを考えさせられました。

誰もが生まれて間もなく、社会の常識や他者の価値観にさらされながら、人生の歩みをスタートします。
両親に始まり、地域や学校・友人など、外側からの大きな影響を受け続け、ふと気づいた時には、自分の内側がそれらで覆い隠され、人生を決めることができない自分がそこにいます。

そんな自分を出発点に、どのように"本当の自分"を取り戻していくのか?
北村さんは、飾らない等身大の"今"の言葉で、この問いに対するたくさんのヒントを提示してくれました。

  • 「周囲との比較」や「期待に応える」を基準に生きている自分を自覚する
  • 「自分が強くなれる領域はどこだろう」と考え、存在価値を創り出す
  • 「仕事」「学び」の両方を真剣に取り組み、偶然のチャンスをつかむ
  • 「心からやりたいことは何か?」の問いを心に持ち続ける(逃げない)
  • 全力の仕事で自分自身にドライブをかけ、キャリアを前進させる

人生の幸福度とは、「本当の自分で生きている度合い」に比例することを教えてもらいました。
みなさんは、北村さんのお話から、どのようなメッセージを受け取ってくださいましたか。

<聞き手・振り返り:中村直太

【北村さんのキャリアインタビュー一覧】

・#1:「やりたいことが分からない。周りに流され、苦しんだ就活
・#2:「中国出張に通関士合格。順調に進むも、芽生えた将来への不安
・#3:「プロジェクトを回し切る経験がしたい。営業職へ転身
・#4:「新たに見つけた使命。自分の心が動くままに生きる

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著者情報

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)にて約1,000名のキャリアコンサルティングを経験した後、事業企画にてサービス企画、営業企画、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院のマーケティング(学生募集)企画、名古屋校の成長戦略の立案・実行や組織マネジメント、アルムナイ・キャリア・オフィス(卒業生向けサービス企画)や学生募集チームの責任者などを経て、現在は顧客コミュニケーション設計やセミナー開発・登壇、WEBコンテンツ企画・執筆など様々な事業推進活動に従事。同時に個人としては、人生の本質的変化を導くパーソナルコーチとして活動。グロービス経営大学院の専任教員としては、思考系科目『クリティカルシンキング』、志系科目『リーダーシップ開発と倫理・価値観』に登壇。また、キャリア関連プログラムのコンテンツ開発及び講師を務める。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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