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北村早紀#2|中国出張に通関士合格。順調に進むも、芽生えた将来への不安

北村早紀#2|中国出張に通関士合格。順調に進むも、芽生えた将来への不安

目次

※前回の記事(キャリアインタビュー#1)は、こちら

4.試行錯誤で取り組む、新入社員時代

ーミスミに入社してからは、どのような仕事をされていたんですか?

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ミスミは、一言でいうと、部品を売っている商社です。
いろいろな協力メーカーに部品を作ってもらい、それをミスミブランドとして顧客に売っています。
その中で私は、MPS(Misumi ProductuonSystem)推進室という、協力メーカーの生産改善(コスト削減、品質改善など)の計画や提案をする部署に配属されました。
イメージは、生産ラインのコンサルとして現場に入っていく感じです。
ミスミは当時「時間革命」と謳っており、受注後いかにスピーディに生産ラインを作って、いかに商品を短期間で納品するか、ということに力を入れていました。

2年目には、静岡工場の担当になったんですね。

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はい。部署としても新しく参入する領域で、上司についてもらいながら試行錯誤で取り組んでいました。
そして、静岡工場に来てから半年たって、ようやく1つ成果といえる仕事ができ、とても嬉しかったです。

ただ、2年目の終わり頃に「キャリア迷」になる出来事があって...。
生産技術の専門家としてキャリアを渡り歩いてきた上司から「この道(生産ラインの改善)を究めるのは、この会社では難しい」と言われてしまい、将来についてもんもんと考えるようになりました。

5.仕事のストレスを勉強で解消

それで、幸福度が30%と下がってしまったんですね。3年目になると、60%に復調していますが、何かきっかけがあったのですか?

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理由は2つあります。

1つは、仕事自体が楽しくなったからです。
8月から急遽、中国の新工場のヘルプにつくことになったのですが、生産性を上げないと非常にまずい状況だったので、現場も含めチーム一丸となって仕事ができ、とても充実していました。
出張も増え、中国:日本=3:7という生活になり、多忙だったのですが、仕事のスキル面でもいろいろな経験を積むことができました。
また、仕事ができる憧れの先輩が中国に出張ベースで行っていたことに感化され、海外で経験を積みたい気持ちはずっとあって。
その希望が叶ったことも嬉しかったです。

もう1つは、通関士(貿易に関わる国家資格)の試験合格という目標があり、勉強に打ちんでいたからです。
上司から「この道(生産ラインの改善)を究めるのは、この会社では難しい」と言われた後、この部署で一番自分が強くなれる領域はどこだろう」と考えるようになったんですね。
生産技術や改善といった知識は、上司には勝てない。
「じゃあ、なんだろう」と考えた時に思い出したのが、2年目の時の経験です。
在庫を減らすための方法を考案するために、サプライチェーンをすべて図式化したことがあって、すごく楽しかったんです。
そして、「サプライチェーンなら一番になれるかも」と思いました。
どう勉強しようかなと考えていた時、たまたまサプライチェーンのヒアリングをしていてお世話になった方が通関士を持っていて。
通関士がサプライチェーンのすべてではないけど、強みになるのではないかと思い、すぐに勉強を始め、半年後無事に合格しました。

日本と中国を往復しながら、倍率1015%の通関士の取得はとても大変に思えるのですが...?

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私にとっては、仕事だけをしているという状況がどうもダメなんですね。
仕事と勉強に両方を負荷をかけると、両方がいい感じになります
他に集中できるものがあると、違う頭を使うことになるのでリフレッシュになるので。
ある種、仕事のストレスを勉強で解消している面もあるのかもしれません(笑)。
中国に行っている間も、ずっと勉強を続けていました。

6.自分の意志で動けるうちに動こう

中国工場のヘルプ経験、通関士合格と順調に進んでいたのに、4年目になり、またがくっと幸福度が10%に落ちてしまいますね。

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このタイミングで、自分の将来について考える要素が3つほど出てきました。

1つは、自分のスキル面での行き詰まりを感じるようになってきたこと。
改善担当として、調査~提案までできることは増えたのですが、どうしても上司のサポートが必要で。
プロジェクトマネジメント力があれば専門知識がなくても対応できたのですが、私はそうではなかったので、このまま今の仕事を続けても、上司がいないと何もできない人間になりそうだという焦りを感じるようになりました。

2つ目は、体力面での将来の不安です。
海外出張が当たり前の部署になりつつあり、今はまだ体力的に大丈夫だけど、この先もずっと続けられるという自信がありませんでした。
週末に移動、月曜日から出社が日常だったので、自分の時間もほしかったのもありました。

3つ目は、新しい上司と相性が悪かったことです。
現在はこういったことは起こらないように組織づくりが行われているそうですが、当時は直属の上司2人が休職したり、後輩が異動したりと、組織がバラバラになっていくのを感じました。
自分の意志で動けるときに動こうという想いが芽生え、転職を意識するようになりました。

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著者情報

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)にて約1,000名のキャリアコンサルティングを経験した後、事業企画にてサービス企画、営業企画、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院のマーケティング(学生募集)企画、名古屋校の成長戦略の立案・実行や組織マネジメント、アルムナイ・キャリア・オフィス(卒業生向けサービス企画)や学生募集チームの責任者などを経て、現在は顧客コミュニケーション設計やセミナー開発・登壇、WEBコンテンツ企画・執筆など様々な事業推進活動に従事。同時に個人としては、人生の本質的変化を導くパーソナルコーチとして活動。グロービス経営大学院の専任教員としては、思考系科目『クリティカルシンキング』、志系科目『リーダーシップ開発と倫理・価値観』に登壇。また、キャリア関連プログラムのコンテンツ開発及び講師を務める。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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