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「自分らしいキャリア」を探究する、身近なビジネスパーソンのキャリアインタビュー。
今回は、予防医療を推進しているベンチャー企業・キャンサースキャンにて、新規事業の立ち上げに従事している北村早紀さんにお話をお伺いしました。
学生時代の就活では、やりたいことが分からず、周りの基準に振り回され、苦しんだそう。
しかし今は、「人と社会を健康にする」というミッションの元、仕事に情熱を燃やしています。
2度の転職を経て、北村さんはどのように自身の「使命」を見つけていったのでしょうか?
<聞き手:中村直太>
【北村さんのライフチャート】
1.勉強もサークルも。バランス型の充実した学生生活
ー北村さんは、2008年に慶應大学法学部に入学されたんですね。どのような学生時代を過ごされてましたか?
第一志望の大学だったので、入学できて嬉しかったです。
ただ、コミュニケーションが下手だったため、入学してすぐの4月は辛かったですね。
新歓のノリも苦手でした。
ダンスサークルに入って徐々に友人ができ始めてからは、楽しくなってきました。
学生時代は、授業にもちゃんと出て、バイトもして、サークルにも行って...と、バランス型でしたね。
今思えば、「もっとバランス崩せばよかったなあ」とも思うんですけど(笑)。
2.やりたいことが分からず、苦しんだ就活
ー就活中はがくっと一転、幸福度が10%まで落ちてますね。
学生時代の私は、「自分と周りを比較する」という傾向がありました。
就活の時には、その癖のせいで痛い目にあいました...。
とくにやりたいことがなく、「せっかく慶應に入ったし、親を安心させるためにも、とりあえず良い企業に入ってばりばり働こう」くらいにしか考えていませんでした。
一方で、「やりたいことが見つかった時には、しっかりとコミットできる人間になりたい」という漠然とした想いはありました。
そして、就活序盤は、周囲の意識の高い友人につられる形で、外資系やコンサルのインターンにエントリーしてみたのですが、そういった企業の選考を突破するほどのロジカルさはなく、早々に終わりました。
日系企業に向けての就活に取り組むも、やはり「これ!」という企業はなく...。
よく考えず、みんなが受けていて誰もが知っている大手企業ばかり受けていました。
最終面接までいく企業もありましたが、全滅でした。
ー辛い期間が続いたのですね...。
そうですね。
私は「心から思っていないこと」を取り繕って言うことが本当に苦手で...。
面接でもそれが伝わっていたんでしょうね。
3.「自分の人生を自分で決めること」の大切さを実感
ー長い就活を終え、部品メーカーの商社であるミスミに入社したんですね。
はい。なかなか決まらず「どうしよう...」と考えていた時に見つけたのが、ミスミでした。
ミスミに惹かれた理由は2つあります。
1つ目は、募集要項で特定の領域に閉じず「将来チームリーダーになりたい人」とあり、ここならビジネスパーソンとして鍛えられそうだと感じたこと。
2つ目は、ミスミの面接は他社とは違って、志望動機や将来の夢など自分を取り繕う必要がなかったこと。
そして、もう1つ印象に残っているのが、大学の課外活動でお世話になった先生に「北村さんは慶應っぽくない所がいいよ」と言われたことです。
その言葉で、憑き物が落ちた感じがしました。
今のミスミは1万人規模になっていますが、当時は国内オフィスで800人ほどで。
周囲が大企業に行く中で、「自分もそうしなきゃ」と思っていたんですね。
でも今思えば、無理して面接で取り繕って大企業に行っていたら、息苦しかったんじゃないかなと思います。
就活期間は長く辛かったですが、周囲の目や評価を気にせず、「自分の人生を自分で決めること」の大切さを実感した時期でもありました。
著者情報
中村直太(グロービス経営大学院 教員)
慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)にて約1,000名のキャリアコンサルティングを経験した後、事業企画にてサービス企画、営業企画、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院のマーケティング(学生募集)企画、名古屋校の成長戦略の立案・実行や組織マネジメント、アルムナイ・キャリア・オフィス(卒業生向けサービス企画)や学生募集チームの責任者などを経て、現在は顧客コミュニケーション設計やセミナー開発・登壇、WEBコンテンツ企画・執筆など様々な事業推進活動に従事。同時に個人としては、人生の本質的変化を導くパーソナルコーチとして活動。グロービス経営大学院の専任教員としては、思考系科目『クリティカルシンキング』、志系科目『リーダーシップ開発と倫理・価値観』に登壇。また、キャリア関連プログラムのコンテンツ開発及び講師を務める。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。