目次
社会人になると勉強をしなくなる人は非常に多いです。
中には、漠然と必要性は感じつつも、仕事が忙しく時間が取れないことを理由に、勉強を後回しにしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、社会人におすすめの勉強内容や方法、継続するコツをご紹介します。
社会人が勉強しない理由
社会人の一日の平均勉強時間は6分と言われるほど、ほとんどの社会人が勉強していません。
また、勉強を始めても継続しないというケースも多々あります。
社会人になると勉強しなくなる代表的な理由を3つご紹介します。
理由①:明確な目的がないため
1つ目の理由は、勉強する目的がない、もしくは曖昧だからです。
学生時代は、期末テストや受験などのゴールが外部から自然と設定されていましたが、社会人になると自分で目標やゴールを設定していかなければなりません。
そして、勉強を始めたものの長続きしないパターンとしてよくあるのが、「なんとなく必要そうだから始めた」というものです。
例えば、「英語を勉強しよう」と考えたとしても、緊急性が低かったり、自分のキャリアに確実に英語が必要でなければ、三日坊主になる可能性は非常に高いです。
何かを勉強しようとする姿勢は、とても素晴らしいです。
三日坊主で終わらせないためにも、勉強内容は「将来の理想像」から逆算的に選ぶ必要があります
理由②:能力開発を行う仕組みづくりができていないため
目標が明確にあったとしても、実際の行動に移せないのが人間です。
仕事から帰る途中まで「帰ったら勉強しよう!」と思っていても、帰宅後、気付いたらソファに寝転がってTVを付け、スマホを触り勉強は後回し...となっている方も多いでしょう。
実際に行動に移せるようになるためにおすすめなのは、「誘惑を発生させない仕組み」を作ることです。
先ほどのTVを付けたり、スマホを触るといった行動は、習慣化されていると無意識に行ってしまいます。
なので、まずはそうした自分の直したい習慣に気づき、物理的に隔離してしまうことから始めてみましょう。
また、人は「得をするよりも、損をしないために行動をする」生き物です。
参考書を買う、ビジネススクールに申し込むなど、お金を支払うことでサボれない状況を作ることもおすすめです。
社会人が勉強することで得られるメリット2つ
社会人が勉強することで得られるメリットは、多々あります。
冒頭で「社会人の一日の平均勉強時間は6分」とお伝えしましたが、そのような中でしっかりと勉強に取り組めば、他の社会人と、どんどん差をつけることができます。
勉強で得られるメリットは、自分が取り組んでいる業務の効率化を図ったり、アウトプットの質を上げるなど、比較的即効性のあるメリットもありますが、キャリアや人生など長期的な視点でも大きなメリットがあります。
メリット①:キャリアや人生の選択肢を広げることができる
VUCA、人生100年時代、そしてコロナ禍によって、ますます個人としての能力が試される時代となりました。
日々、目の前の仕事をこなすだけでは、長いビジネス期間を乗り切ることはできません。
たとえ「1社でずっと勤め続けたい」と思っても、それが叶うか分からない時代となりました。
直近で転職を考えていなくても、誰もが常に自分の能力や市場価値を高めておく必要があります。
また、人生のうち大半は仕事の時間です。
その時間を充実したものにするためにも、キャリアや働き方の選択肢を増やしておくことは重要です。
メリット②:自分の軸を見つけることができる
なるべく自分の得意なことや好きなことに時間を使いたいと考える人は多くいるでしょう。
しかし、実際に体験してみるまで、真に自分の得意/不得意領域を知ることはできません。
そして、20~30代はどうしても相対的に経験量が少なくあります。
学びを通して世界を広げ、仕事にダイレクトに関わる分野以外にも真剣に取組み、ある種の疑似体験をすることで、気づかなかった自分の特性や興味のある領域を見つけることもできます。
20代~30代におすすめの勉強内容
社会人にとって勉強が重要なことは間違いありませんが、闇雲に何かを学べば良いわけではありません。
時間と資源は有限です。
そして、若いほど投資対効果が大きいので、できるだけ早いうちに勉強を始めましょう。
20代~30代前半の方が勉強内容を選ぶうえで、重要な3つの軸をお伝えします。
- 軸①:すべてのスキルのベースとなる「論理的思考力」
- 軸②:短期的な視点で成果につながるスキル
- 軸③:長期的な視点で成果につながるスキル
軸①:すべてのスキルのベースとなる「論理的思考力」
まずは、あらゆる業務やスキル獲得のうえでベースとなる「論理的思考力」を鍛えることをおすすめします。
パソコンで例えると、論理的思考力は"OS"部分に当たります。
そして、"アプリケーション"部分は、目の前の課題をこなしていくために必要な特定の分野の知識やスキルが該当します(例えば、資料作成やプレゼンスキルなど)。
学びの土台となる論理的思考力を鍛えておくと、アプリケーションにあたるスキルをより効果的に獲得していくことができるようになります。
論理的思考力の詳しい鍛え方については、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
軸②:短期的な視点で成果につながるスキル
今取り組んでいる仕事や、自分の担当領域の成果を上げるうえで、獲得しておくべきスキルです。
例えば、営業部で自身の成績を伸ばす場合は、顧客とのコミュニケーションやプレゼンスキルの分野。
財務部に所属となった場合は、アカウンティングやファイナンスの分野、といった具合です。
比較的すぐに目の前の業務の成果につながるスキルを鍛えておくことは、評価にもつながりますし、周囲からの信頼を得るうえでも重要です。
軸③:長期的な視点で成果につながるスキル
目の前の業務の成果にダイレクトにはつながらないけれど、自分の将来のキャリアを考えた場合に必要になってくるスキルです。
「今のキャリアの延長線上にはないが、チャレンジしてみたい」という領域があれば、その領域に必要となるスキルの獲得に向けて勉強してみましょう。
また、将来的に役職を上げていきたい、自分の裁量でできる仕事を増やしていきたいと考えている場合は、今の自分のポジションよりも高い視座(=経営者に近い視点)で仕事をみていく必要があります。
ダイレクトに業務に求められるスキルだけでなく、経営に関する知識を学びながら、経営視点を養っていくようにしましょう。
おすすめの勉強方法と継続するコツ
集中力やモチベーションを維持するためにおすすめの方法を紹介します。
方法①:勉強の計画は具体的に立てる
勉強する内容を決めたら、「いつ」「何を」するか、実行計画を作っていきましょう。
ここでのポイントは「具体的に」設定することです。
例えば、「日曜日に3時間勉強しよう」と抽象度の高い計画を立ててしまうと、ダラダラと時間を過ごし、気付くと一日が終わっていたということになりかねません。
「日曜日の午前8時~11時に参考書の○○の章に取組む」など、できるだけ具体的に計画を立てておくと、正確な時間配分で取組むことができます。
方法②:自分にとって集中できる勉強場所を見つける
勉強場所は、「誘惑にかられない」場所をおすすめします。
自宅やカフェ、図書館、会社の会議室、自習室など、集中できると感じる場所は人それぞれでしょう。
ぜひご自身にとって集中できる勉強場所を見つけてみてください。
その際に、スマホはできるだけ触りにくいように、鞄の中にしまうなどの工夫もしましょう。
方法③:一緒に勉強する仲間がいる場に身を投じる
学生時代に勉強を頑張っていた人の中には、「周囲のクラスメイトや友人が勉強していたので、自分も頑張れた」という人も多いのではないでしょうか?
私自身も現在グロービス経営大学院で学んでいますが、勉強中、苦しい時は共に学ぶクラスメイトの顔が浮かびます。
「いつも忙しい彼は今の時間も勉強しているだろうな」「勉強しないとグループワークで迷惑をかけてしまう」など想像すると、もうひと踏ん張り頑張れるものです。
このように、勉強を継続するために切磋琢磨し合える仲間がいる環境に身を投じてみるという方法もおすすめです。
グロービス経営大学院にはオンラインクラスもあり、全国から幅広い年齢層&職種の社会人の方が学ばれています。
随時オンラインにて『無料体験クラス』も実施していますので、授業の雰囲気や進め方など、ご興味のある方はぜひ参加してみてくださいね。
(▼日程一覧はこちら)
まとめ
おすすめの勉強内容や継続するためのコツをお伝えしました。
社会人で勉強をする人の中には、先行き不透明な時代の「キャリアの備え」を目的にしている人も多くいるでしょう。
今は実際に転職をする人だけでなく、誰もが"もしも"に備え「転職力」を磨いておく必要があるので、そういった人はどんどん増えていくと思います。
転職力を磨くうえでキーとなるのが、「ポータブルスキル」です。
こちらの記事で、「ポータブルスキル」の具体例を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
著者情報
加藤 想(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)
神戸大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。大手通信会社にて設備設計業務、採用活動に従事した後、サービス戦略部門にて新サービスの立案、AI、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院の学生募集企画にて学生のキャリア相談、新規施策立案などを行っている。また、グロービス経営大学院のVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティを務める。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。