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交渉上手な人が実践している交渉術のポイント5つ

交渉上手な人が実践している交渉術のポイント5つ

目次

以前、こちらの記事で「交渉力を高めるために必要なスキルと、プロセスごとの交渉のコツ」を取り上げました。
今回は、より実践的な交渉術についてご紹介していきます。
交渉術を身につけることで、仕事を思い通りに進めていけるだけでなく、相手と良好な関係性を築いていくことができます。

交渉とは

交渉とは「相手との合意に到達することを目指して討議すること」を意味します。
重要なのは、何かしらの目標に向けて、互いの意見や要求を主張して、最終的な妥協点をすり合わせることです。

交渉と一口に言っても、いろいろな場面があります。
例えば、日常においては買い物がイメージしやすいと思います。
家電や家具を買う際に「いくらまで安くなりますか?」と自ら交渉したり、或いは誰かが交渉するシーンを目にしたこともあるのではないでしょうか。
ビジネスシーンの交渉においては、上司や部下、同僚との駆け引きから、クライアントとの本格的な交渉までさまざまです。

交渉に挑む際の心構え

交渉に挑む前に知っておきたい心構えを3つご紹介します。

勝とうとしない

交渉が上手い人は、「勝ち負けではない」という意識を持っています。
交渉を勝負ごととして捉えている場合、そうした姿勢や意識は相手に伝わってしまうものです。
自分の意見を一方的に押し付けたり、相手が「無理やり押し切られた」と感じたりしたのでは、その交渉は成功とは言えません。
勝ち負けではなく、双方が納得できる結論を探るという意識が大切です。

Win-Winとなる結果を目指す

「勝とうとしない」にも関連することですが、「Win-Winを目指す」ということも重要です。
相手に「負かされた」「こちらだけ割を食っている」といったネガティブな印象を与えてしまえば、関係性も悪くなってしまいます。
自分だけでなく、相手も「よかった」と思える状態を目指しましょう。

お互いが得られる利益の合計の最大化を目指す

やはり重要なのは「双方が得られる利益の最大化を目指すこと」です。
自分の提案と、相手のニーズが重なる部分が大きければ大きいほど、お互いの納得度も高まります。
相手にもメリットが十分あれば、ビジネスパーソンとして信頼関係を深めることもできるでしょう。

交渉上手な人に共通する姿勢

交渉上手な人に共通する姿勢を3つご紹介します。

しっかりと事前準備を行う

交渉上手な人に共通しているのは、「しっかりと事前準備を行う姿勢」です。
時間的な余裕と精神的な余裕を確保し、十分に準備を行うことで提案の質を向上できます。
その上で意識していただきたいのが、相手の状況や関心ごと、立場などをおさえるということです。
交渉する相手の情報収集を行い、相手に響きやすい提案内容は何かを考えましょう。

交渉のタイミングを見極める

「交渉のタイミングを見極める」ということも、交渉を成功させる上で欠かせないポイントです。
例えば、上司の場合であれば、機嫌のよい日・悪い日をリサーチするなど、相手の状況や都合がよい時期を見計らいましょう。
「毎週火曜日は会議があって、あまり機嫌がよくない」「繁忙期になるとなかなか提案の時間をもらえない」など、相手のことを考えてタイミングを計算することが重要です。

誠実な姿勢で接する

「正直に話す」「ごまかさない」「約束を守る」など、真摯な態度で接することも大切です。
自分に都合の悪い情報をふせながら話を進めるといった後ろめたさは、姿勢や態度にも表れてしまいます。
自分が気付かないうちに相手からの信頼を失う...なんてことにもつながりかねません。
交渉も、信頼関係を構築するコミュニケーションのひとつであることを意識しましょう。

交渉における事前準備のポイント

ビジネスの交渉を行うにあたり、重要なのが事前準備です。
事前準備ではどのようなことを意識したらよいでしょうか?
4つのポイントをご紹介します。

状況を整理する

1つ目は、全体像をしっかりと整理するということです。
何となく議論を進めていくのではなく、自分と相手の目的や論点を言語化していきます。
明確な言葉によって状況を認識することで、ブレない議論を行えるでしょう。

交渉相手について理解を深める

2つ目は、交渉相手への理解を深めるということです。

例えば、

  • 相手はどういうポジションの人なのか?
  • どんな権限を持っているのか?
  • 組織の中でどんなミッションを任されているのか?
  • どんなことに関心を持っているのか?
  • 性格や会話のテンポ、思考のスピード、好みは?

などの観点から、情報収集を行っていきましょう。

自分のミッションを明確にする

3つ目は、自分のミッションやゴールを明確にしておくということです。
ここは確実に実現したい」という最低条件と、「ここまで実現できたらベスト」といった許容ラインをクリアにしましょう。
交渉中にも見返せるように、メモしておくことをおすすめします。

シミュレーションする

4つ目は、事前に交渉のシナリオを想定しておくということです。
相手がどんなシナリオを持っていて、提案に対してどんな反応をするのか具体的にイメージしましょう。
1パターンだけではなく、「こう提案したら、こんな返しがくるのではないか」と複数のシナリオを想定することが大切です。
また、相手のシナリオだけでなく、自分のシナリオもイメージしておきましょう。
相手の出方やシナリオを具体的に想像し、対策や代替案まで準備することで落ち着いて対応できます。

交渉時のポイント

最後に、交渉時における5つのポイントをご紹介します。

自分の意見を分かりやすく筋道立てて話す

1つ目は、論理的に筋道を立てて自分の意見を伝えるということです。
分かりやすく簡潔に説明することで、相手の理解度や納得度も高まります。

感情的にならない

2つ目が、落ち着いて冷静に対応するということです。
私自身も若かりし頃は、交渉時にヒートアップして感情的になってしまうことがありました。
しかし、自分の感情が前に出れば出るほど、フラットに物事を判断することができません。
感情を抱いたとしても、「どこまで表現して、どこを表現しないか」といったところまで演じ切れるとよいでしょう。

相手の感情や状況に配慮する

3つ目は、相手がどんな反応をしているか把握するということです。
状況や感情など、相手の視点を常に意識しながら議論を進めていくことが大切です。
相手の反応や言葉だけでなく、声のトーンや表情などにも意識しましょう。

互いが求めていることを洗い出し、整理する

4つ目は、お互いの意見や要求を整理するということです。
よくあるパターンとして、「交渉中は上手くいったと思ったけど、よくよく見返すと議論がブレている」「相手と共通認識が持てておらず、言った言ってない問題になった」があげられます。
こうしたことを防ぐためにも、決まったことやお互いの要求を全て洗い出して、整理しながら議論を進めていきましょう。
また、その内容を議事録に残して、相手にも確認を取ることがベストです。

適切に質問しながら、相手の状況や意図を理解する

5つ目は、相手に質問しながら、状況や意図を理解するということです。
事前準備やシミュレーションをしていても、交渉中に想定外の事態が発生することもあります。
その際に、「何がクリアになっていて、さらにどんな情報が必要なのか」といった疑問点を整理して、適切なタイミングで相手に質問することが重要です。

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人の心を動かす交渉力を本当の意味で身につけるには、やはり書籍や動画学習など知識偏重の勉強では、限界があります。
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例えば、国内最大のビジネススクール・グロービス経営大学院では、人を動かすために重要となる合意形成の考え方や、当事者間の利害調整を行うために必要な交渉力を学ぶファシリテーション&ネゴシエーション』という講座があります。
講座は2週間に一度、計6回の開催。
3ヵ月でかなり思考の仕方が変わりますので、ぜひ検討してみてください。

(▼講座の詳細はこちら)
『ファシリテーション&ネゴシエーション』講座

また、グロービス経営大学院では、随時オンラインにて『体験クラス&説明会』を実施しています。
授業の雰囲気や進め方を知りたい方は、まずはこちらからのご参加をおすすめします。

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まとめ

交渉が上手い人は、その場の空気を読むことが上手い人とも言えます。
さらに、相手の感情や状況を瞬時に把握できるというだけでなく、事前に論理的に交渉を進めるための準備もしっかりと行っています。
このように感情面・ロジック面、どちらのスキルも磨いていくことが重要です。
「交渉が苦手...」と感じている方は、まず自分に足りないスキルを振り返ることからはじめてみてくださいね。

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著者情報

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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