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交渉力を高めるために必要なスキルと、プロセスごとの交渉のコツ

交渉力を高めるために必要なスキルと、プロセスごとの交渉のコツ

目次

交渉力は、ビジネスの様々なシーンで求められるスキルの1つです。
本記事では、交渉力を鍛えるためのコツをご紹介します。

交渉力とは

交渉力とは、立場や役割、利害関係の異なる人に対し、「お互いが納得できるゴール」を目指して話し合う力のことです。
自分が実現したいことを相手から引き出して取ってくる力、とも言えます。

交渉におけるポイント

間違ってはならないのは、交渉は、けっして「勝ち負けではない」ということです。
自分の意見を一歩的に押しつけ、相手を説得することが目的ではなく、あくまで双方が納得できる所へ結論を持っていくことを目的としています。

交渉するのが上手い人の特徴

交渉が上手い人は、一言でいうと「相手のことをよく理解している」人です。
具体的には、相手の「立場」「関心ごと」「特徴」の3点をよくとらえています。
これらは、一人ひとり異なってくるので、事前の情報収集が大事です。
社内の人であれば、その人を良く知っている人や同じ部署の人などに聞き、情報を集めるようにしてみてください。

①立場

相手がどういうポジションの人か、どんな権限を持っているか、さらに組織の中でどういったミッションを背負っているのか(業務のKPIなど)を把握しておきましょう。

②関心ごと

ビジネスにおける交渉相手の関心ごとは、業務のKPIを達成するうえで、有利に働くかどうかです。
例えば、相手が購買部門の人ならば「コスト削減」かもしれませんし、システム部門の人ならば「効率化」かもしれません。
自分の提案と、相手のニーズが重なる部分があれば、交渉が上手くいく可能性が高まります。

③特徴

ここで言う特徴は、相手のパーソナリティやコミュニケーションスタイルなどを指します。
例えば、性格や会話のテンポ、思考のスピードなどです。
相手がせっかちなタイプなのに、こちらがゆっくりと会話や段取りを進めてしまうと、上手くコミュニケーションが取れないということも起こり得ます。

プロセスごとの交渉のコツ

実際の交渉におけるコツについて、プロセスごとに解説します。
交渉は「事前準部」「交渉中」「交渉後」の3つのプロセスから成ります。

ステップ①:事前準備

最も重要なステップです。
ここで、ほぼ9割の勝負がつくのではないかと思います。
事前準備では、3つのポイントがあります。

1つ目は、相手に関する情報収集です。
先述したように、相手の「立場」「関心ごと」「特徴」の3点を徹底的に理解してきましょう。

2つ目は、「MUST」と「WANTS」を明確にすることです。
交渉は、対立ではなく、お互いが納得できるゴールを目指して話し合うものです。
最初に自分の中で描いていた通りのゴールになるとは限りません。
なので、ゴールを分解して、「ここは確実に押さえておきたい(MUST)」というポイントと、「ここはできた方がいいけど、まあ最悪捨ててもいいな(WANTS)」という許容ラインを持っておきましょう。
交渉中に見返すために、メモに控えておくこともおすすめします。

3つ目は、交渉中のシナリオの準備です。
自分の発言に対し、相手はどういった出方をしそうかを考えます。
「このような返しが来たら、こう返そう」 「こういった質問に対して、ちゃんと答えられるようにしておこう」 といったシミュレーションをし、対策や代替案を準備しておきましょう。
頭の中で交渉場面を動画イメージで想像できるようになると、とても良いと思います。

ステップ②:交渉中

交渉中において、何よりも大事なことは「落ち着く」ということです。
相手の反応に動揺し、自分のペースが乱され、思うように相手に言いたいことが伝えられず、交渉も失敗に終わってしまった、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自らを落ちつかせるのに有効なのが、ステップ①でお伝えした、こちらの2つです。

  • 事前準備をしっかりとすること
  • 自分の伝えたいことや許容ラインを見返すためのメモを用意すること

そして、相手に自分の意見を伝える時は、ちゃんとロジックを立てて、分かりやすく簡潔に説明することが大事です。

また、相手の意見にきちんと耳を傾けることも、重要なポイントです。
実際に話をするうえで、事前の情報収集では把握できなかったことも出てきますので、それに応じて、話す内容は微調整していくことが好ましいです。 そして、人間は感情がある生き物なので、やはり「信頼できる人」に対して協力をしたくなるものです。
「相手の話を聴く」という行為は、信頼関係を築く上でも非常に重要です。

ステップ③:交渉後

上手くいった場合も、そうでなかった場合も、きちんと議事録に残しましょう
そして、合意の際には、相手にもその内容をしっかりとメールなど物理的に残る形で共有しておくことがポイントです。
双方に認識のズレがないかの確認と、後になって相手から「そんなこと言ったっけ?」と言われないようにするためです。

交渉力を身に着けるために磨いておくべきスキル

ビジネスなので、相手にきちんと伝えたいことを伝え、相手のニーズを正確に捉えることが大事です。
一方で、交渉相手は、当然ですが人間です。
ロジック面と感情面の両方を磨いていきましょう

ロジック面

論理的思考は、「複雑なものを整理し、シンプルしていく思考法」です。
難しそうな印象を持たれる人も多いですが、誰でもトレーニングによって身に着けることができます。

こちらの記事で詳しい鍛え方を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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ロジカルシンキング(論理的思考)を鍛える3つの方法 論理的思考とは「複雑なものを整理し、シンプルにしていく思考方法」のことです。あらゆる業務をこなすうえでのベースとなる論理的思考力を鍛える方法をご紹介します。

感情面

コミュニケーションは、情報の共有だけでなく、相手との信頼関係を築くうえで、欠かせない手段です。
コミュニケーションは、「言語」「非言語」の2つから成り、コミュニケーション能力は4つのスキルに分解できます。

こちらの記事で詳しい鍛え方を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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交渉力を身につけるためのオススメ講座

人の心を動かす交渉力を本当の意味で身につけるには、やはり書籍や動画学習など知識偏重の勉強では、限界があります。
より実践レベルで習得したいという方は、外部の機関を上手に活用して学ぶというのも1つの手です。
例えば、国内最大のビジネススクール・グロービス経営大学院では、人を動かすために重要となる合意形成の考え方や、当事者間の利害調整を行うために必要な交渉力を学ぶファシリテーション&ネゴシエーション』という講座があります。
講座は2週間に一度、計6回の開催。
3ヵ月でかなり思考の仕方が変わりますので、ぜひ検討してみてください。

(▼講座の詳細はこちら)
『ファシリテーション&ネゴシエーション』講座

また、グロービス経営大学院では、随時オンラインにて『体験クラス&説明会』を実施しています。
授業の雰囲気や進め方を知りたい方は、まずはこちらからのご参加をおすすめします。

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まとめ

今回は、交渉のコツについて、プロセスごとに紹介しました。
「上手く交渉がいかないな...」と思う人は、まずはどのステップでつまずいているかを確認してみましょう。

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著者情報

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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