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心理的安全性の作り方とは?明日から実践できる4つのコツ

心理的安全性の作り方とは?明日から実践できる4つのコツ

目次

チームのパフォーマンスを左右する心理的安全性

最近いろいろな場で話題になっている「心理的安全性」は、チームのパフォーマンスを向上させる大きな要因になっていると、研究結果で分かっています。
心理的安全性と聞くと、なんとなく「メンバー同士が誰に対しても不安や恐怖を感じることなく、安心して働ける状態」というような前向きなイメージを持たれると思います。

しかし、「どうやってこの心理的安全性を高めればよいのか?」と具体的な方法が分からないという方は多いのではないでしょうか。
本記事では、この心理的安全性を高めるコツをご紹介します。

☑心理的安全性の概要については、こちら

心理的安全性を高めるポイント

株式会社ZENTech取締役の石井遼介氏による著書『心理的安全性のつくりかた』では、心理的安全性を高める因子として、以下の4つが紹介されています。

①話しやすさ
②助け合い
③挑戦
④新奇歓迎

これら4つの因子からも分かるように、「コミュニケーションが取りやすい環境」が土台としてあり、その上に「強みや個性を発揮できる環境」を作ることが、心理的安全性を高めることにつながります。
そして、その2つの環境が実現すると、結果としてチーム全体のパフォーマンスが上がっていくのです。

この「コミュニケーションが取りやすい環境」と「強みや個性を発揮できる環境」を作り出すコツを、上記4つの要素に沿って具体的に見ていきます。

「コミュニケーションが取りやすい環境」を作る2つのコツ

①話す機会を増やす

「コミュニケーションが取りやすい環境」を作り出すには、「ここでは何でも話していいんだ」という意識や姿勢をメンバーに持ってもらうことが必要不可欠です。
具体的には、リアルタイムの報告・連絡・相談がしやすい状態や、メンバーの立場から意見・アイデアを出しやすい状態を指します。

この話しやすさを生むために、まずは仕事に支障が出ない範囲で「話す機会を増やす」ことを意識してみてください。
例えば、ミーティングで意識的に雑談を組み込んだり、定期的に上司や先輩・後輩と1on1を設定したりしてみましょう。
普段からコミュニケーションの量を増やすことが、話しやすい環境を作る第一歩になります。

また、メンバーからの相談に乗るだけでなく、自分から相談を持ち掛けることもおすすめです。「こうやって助けを求めてもいいんだ」「自分も周りのために動けるんだ」という意識が生まれると、信頼関係も構築しやすくなります。

②相談や質問を歓迎する

より気持ちよくコミュニケーションを取りやすくするために、普段から、相談や質問を歓迎する姿勢を意識してみてください。
話しやすい空気を作ろうとして、話す機会を増やしただけでは、コミュニケーションのハードルは下がりません。

例えば、せっかく高頻度で1on1をしたとしても、毎回忙しそうな雰囲気を出されたり、ネガティブな内容だけにフォーカスしたフィードバックが続いたりするようでは、単純に「ハードルの高いコミュニケーションが多いだけ」になってしまいます。

メンバーから相談や報告をされた際に、その内容ではなく、まずはその行動(相談や報告)をしてくれたことに対して、歓迎する態度を示してみてください。
相談や報告というアクションに対してポジティブな反応をすることで、コミュニケーションそのもののハードルが下がり、メンバーはリアルタイムで報告・連絡・相談をしやすくなります。

結果としてチーム内の連携が強化され、こまめな軌道修正や、適切なトラブル対応が可能になります。

「強みや個性を発揮できる環境」を作る2つのコツ

①挑戦を歓迎する

メンバーから新しいアイデアを提案された場合、まずは「提案」というアクション自体を歓迎・賞賛してみましょう。

「それってうまくいくの?」「このリスクは考えた?」と否定で返してしまうと、新しいことへの挑戦に対してどんどん消極的になってしまいます。
その結果、チーム全体が「守り」の姿勢しか取らなくなり、新しい変化を極度に恐れるようになる可能性が高まります。

また、新しいことを試して失敗に終わったとしても、それを責めないことも重要です。
前向きに次の挑戦に向かう空気を作るために、チームや組織のために取った行動を全力で受け止めるようにしましょう。

②多様な価値観を尊重する

「自分の個性」をチームに受け入れてもらえるという安心感があると、アイデアを提案するハードルは下がります。
リーダーの意見が絶対と考えるのではなく、異なる意見に対しても「確かにそういう考えもあるよね」と一度は受け止める姿勢を持つことが重要です。

メンバーそれぞれが「自分にはない強みや個性を持った相手の価値観」を受け入れることで、一人一人が自分の強みを活かしながら、生産性高く働けるようになります。

例えば、新入社員に対して「これまでの経験をぜひ活かしてほしい」とその人のスキルや強みを尊重する姿勢を示したり、リーダー自ら「この分野は〇〇さんの得意分野だから、〇〇さんの意見を優先してほしい」と働きかけたりすることで、お互いの違いや強みを認め合う風土につながります。

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心理的安全性の低い職場で生じるリスク

ここまで、心理的安全性を高めるコツをご紹介しました。
ここからは、心理的安全性が低い、つまり「メンバーが空気を読んでしまったり、言いたいことを言えなかったりする」職場で生じるリスクについて紹介します。
ご自身のまわりを見渡して、実際に起きていないかチェックしてみましょう。

積極的な発言や自発的な行動が生まれにくくなる

心理的安全性が低い職場では、メンバーが積極的な発言・発信を控えるようになります。
改善などを目的とした前向きな内容であっても、まず真っ先に「これはそもそも、チームに受け入れてもらえる提案だろうか?」と考えを巡らせます。

そして多くの場合、「これは受け入れてもらうのが難しいかも」と発言を躊躇してしまうのです。
自発的な発言を控える、新たなアイデアを提案しなくなる、といったことが起きるため、組織としてのパフォーマンス低下につながる恐れがあります。

ミスが可視化されずトラブルに発展しやすくなる

積極的な発言や自発的な行動が生まれにくくなるため、気軽に相談できず、ひとりで抱え込んでしまい、ミスが発生しやすくなります。
トラブルが起こっても報告を躊躇するため、結果的に対応が遅れてしまうこともしばしばです。

最悪のケースだと、ミスがあっても周囲に報告できる雰囲気ではないため、問題が長い間可視化されず、大きなトラブルに発展する可能性もあります。

まとめ

組織には感情を持つ人間が集まっている以上、その特性を意識した上でマネジメントする必要があります。
しかし、心理的安全性を高めるのは、決してリーダーやマネジャーなど、チームをまとめる人だけの仕事ではありません。

メンバー一人一人が、この心理的安全性の重要性や有用性を理解し、少しずつ働きかけることで、初めてチームの心理的安全性が構築されます。
皆さんが心理的安全性を構築するパイオニアとして、明日から何かひとつでもアクションに移すきっかけになったら嬉しいです。

著者情報

鈴木 麻希(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

鈴木 麻希(グロービス経営大学院 東京校 スタッフ)

早稲田大学文学部フランス語フランス文学コース卒業。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。EC事業を行うベンチャー企業にて自社商品の輸出業務、オンライン・オフラインのマーケティング全般を担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院の学生募集企画にて、受講生の個別相談やセミナー等の運営、営業施策の立案などを行う。また、グロービス経営大学院のVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティを務める。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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