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「自分の言いたいことが相手に伝わらない」という経験は誰もが一度はあると思います。
相手と持っている前提が違ったり、頭で考えていることがなかなか言葉にできなかったりしたときに、助けとなるのが「例え話」です。
本記事では、例え話を使ってコミュニケーションを円滑にするためのポイントについてご紹介します。
①自分の好きな題材で例える
例え話をするときに、いろいろな題材を用いるのではなく、まずは好きな題材をひとつ決めることをおすすめします。
スポーツや音楽、料理、家事育児、歴史...など、自分が考えやすい題材がよいでしょう。
ちなみに筆者はスポーツの中でもとくに好きな野球に例えて、物事を考えたり説明したりするようにしています。
例えばビジネスの場面でもよく使われるのが、ポテンヒット(守備陣が思わぬところにボールが落ちてヒットになること)などの野球用語です。
身近な題材に置き換えることで、自分に引き寄せて考えたり、相手の理解を促したりすることができるでしょう。
②積極的に口に出してみる
ふと思いついたときに、迷わず「例えば......」と口に出すことが重要です。
仕事で「うまく伝わらないな」と思ったときは、例え話でシンプルにできないか思考を巡らせる癖をつけましょう。
そして、最初は失敗してもよいので、とにかく口に出してみることをおすすめします。
アウトプットすることで、相手の反応を見ることができます。
相手がちゃんと理解できたのか、それともまだ腹落ちしていないのかといった様子を見ながら、例え話の精度を磨いていきましょう。
③相手の関心事に合わせて例える
伝える相手の関心に合わせて、例え話を活用しましょう。
そのためにも、普段から相手に興味を持って接し、どんなことに関心を持つのか情報収集しておくことが大切です。
ここで、ひとつの事例をご紹介します。
先日同僚とプレゼンテーションの練習を行ない、フィードバックを求められたときのことです。
同僚はもともとバンド活動をしており、歌うことが好きな方でした。
「プレゼンテーションが慣れていない」「たどたどしい感じが残っている」ことを、「歌詞を覚えていない曲を歌っている感じがするので、まずは歌詞を覚えるようにしてみてください」と伝え、腹落ちしてもらうことができました。
このように、慣れてきたらぜひ相手に合わせて例え話を投げかけてみてください。
まとめ
例え話を活用することで、相手に分かりやすく伝えられることはもちろん、自分自身の頭も整理できるというメリットがあります。
トラブルやイレギュラー対応などの場面においては、例え話を使って言い換えることで、複雑な状況をシンプルに捉えることができます。
状況把握は仕事を進めていく上で基礎となる部分なので、ぜひ上手く活用してみてくださいね。
例え話を上手く使うために必要な言語化能力を鍛える方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
著者情報
熊谷 翔大(グロービス経営大学院 大阪校責任者)
神戸大学発達科学部卒業。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。大手自動車メーカーにて、総務・人事部門にて、不動産管理や地域渉外、全社の労務管理に従事。また、全寮制の中高一貫校への出向も経験。その後、グロービスに入社。現在はグロービス経営大学院・大阪校の責任者として、学生募集や学生の履修相談・キャリア支援、クラス運営のオペレーション等、大阪校全体のマネジメントを担う。
2020年3月の新型コロナウイルス感染拡大の際は、BCPプロジェクトのリーダーの一人として300を超えるクラスのオンライン化を推進。また、組織内のDXプロジェクトの責任者として、社内コミュニケーション改革に従事。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。