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武田勇#4|リーダーとしてのやりがいと教育業界への強い想い

武田勇#4|リーダーとしてのやりがいと教育業界への強い想い

目次

※前回の記事(キャリアインタビュー#3)は、こちら

9.個人の幸せをあきらめないチームリーダーになりたい

ー翌年の5年目には、復調されています。

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部署のリーダーになったことで、自分の中で新たなモチベーションが湧いてきたからです。
引き続き、仕事の定義づけには苦戦していますが、一緒に働くメンバーと自分(=リーダー)の関係性について考えるようになりました。
一緒に働く人たちがやりがいを持ってくれると嬉しいし、そのことが今の自分のキャリアを前向きに感じさせてくれています。
役に立てる具体的な「誰か」を「一緒に働くメンバー」と位置付けられた、とも言えます。

ーマネジメントの際には、どういったことを意識していますか?

本人の意思を尊重しています。
個人にとってのやりがいを、こちらから押し付けることはできないですよね。
一人一人の「向き/不向き」「好き/嫌い」に合わせて、仕事をくだいていったり、まとめていったりすることが大事だと思っています。
個人に合わせ、仕事をパッケージングして渡すイメージです。

また、そうした本人の適性や意思を把握するために、日常的に何気ない話をすることも重視しています。
例えば、「よもやま」と呼んでいる個人面談の場では、仕事以外の話をよくします。
僕自身もしんどい時は無理にかっこつけすぎず、「元気?僕は今日ちょっとしんどいけど」といった風に話し始めたりもします(笑)。
1年目研修に自己開示した経験が、今のマネジメントスタイルに活きていると思います。

10.学生時代からの教員への夢も

―30代を見据え、これからのキャリアをどう考えますか?

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直近で、マネジメントされる側から、組織にはたらきかける側へのシフトがありました。
より上位の管理職を目指していくのは、1つの方向としてあると考えています。
そして、「個人の幸せをあきらめないチームリーダーになりたい」と思っています。

もう1つ考えているのは、業界のチェンジです。
やはり、教育業界に強い想い入れがあるので。
幸いにもグループ会社に「スタディサプリ」という、高校生を対象としたオンライン予備校を提供するサービスがあります。
異動の機会があることを踏まえつつ、社内外での業界を超えるキャリアチェンジも検討しています。

―学生時代に抱いていた、教員への夢は?

きらめてはいませんよ。

今はあまり時間を使っていないのですが、実は、社会人1年目の終わりくらいから、大学生の就活相談を受けるなどキャリアカウンセリングの副業を始めていました。
会社の仕事では満たし切れない自分のやりたいことを、自分の責任で満たしたかったんだと思います。
教師ではありませんが、個人のキャリアに1対1の関わり合いで寄り添った時間は、教員への夢につながっていく経験です。

免許は60歳くらいまで有効なので、教員の夢を叶えるのはもっと後でもいいかなと、今は思っています。

まとめ:武田さんのインタビューを振り返って

"自分の仕事"に妥協せず、周囲に貢献し、評価されている武田さんの生き方に勇気づけられます。

仕事とは、「事」に「仕える」こと。つまり、与えられた役割を果たすこと。
働くとは、「傍(はた)」を「楽にする」こと。つまり、周りの人を楽にすること。

そのように考えると、武田さんが語る「誰かの何かに役に立つ」は、「仕事」や「働く」の核となる普遍的な価値を表しています。

武田さんの幸福度は、「誰かの何かに役に立つ」が"武田さんの文脈"で実現されているときに高まっています。
その文脈は、言葉で表現されなくても、武田さんの中に力強く存在していることを感じ取りました。
だからこそ、どのような環境にあっても、武田さんは"自分の仕事"ができるのでしょう。

「どのような環境にあっても、"自分の仕事"をするにはどうすればいいのか?」

インタビューを通して、武田さんは、この問いに対するたくさんのヒントを提示してくれました。

  • 自分の言葉で仕事を定義した上で、やりたいことを考える。
  • 現場感覚と理論の両輪で組織を説得し、やりたい仕事を推し進める。
  • 自分の根っこ(大切にする価値観)に妥協せずに仕事をする。
  • 仕事外でも、自分の仕事につながる種をまく。

武田さんの未来には、たくさんの道が広がっています。
どの道に進んでも、"武田さんの文脈"で「誰かの何かに役に立つ」選択をされていくのでしょう。
そして、どのような選択をしても、武田さんはその場所で"自分の仕事"をされていくのだと思います。

<聞き手・振り返り:中村直太

【武田さんのキャリアインタビュー一覧】

・#1:「学校外の社会をリアルに語れるように。教師から一般企業へ
・#2:「退職を真剣に考えた1年目。自己開示の大切さを実感
・#3:「武器は知らないと使えない。理論を学ぶためMBA進学
・#4:「リーダーとしてのやりがいと教育業界への強い想い

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著者情報

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

中村直太(グロービス経営大学院 教員)

慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)にて約1,000名のキャリアコンサルティングを経験した後、事業企画にてサービス企画、営業企画、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院のマーケティング(学生募集)企画、名古屋校の成長戦略の立案・実行や組織マネジメント、アルムナイ・キャリア・オフィス(卒業生向けサービス企画)や学生募集チームの責任者などを経て、現在は顧客コミュニケーション設計やセミナー開発・登壇、WEBコンテンツ企画・執筆など様々な事業推進活動に従事。同時に個人としては、人生の本質的変化を導くパーソナルコーチとして活動。グロービス経営大学院の専任教員としては、思考系科目『クリティカルシンキング』、志系科目『リーダーシップ開発と倫理・価値観』に登壇。また、キャリア関連プログラムのコンテンツ開発及び講師を務める。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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