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仮説思考を鍛える3つの方法。仕事の効率化と質向上を目指そう

仮説思考を鍛える3つの方法。仕事の効率化と質向上を目指そう

目次

短時間で質の高いアウトプットを出す人をうらやましいと感じたことはありませんか?
実は、いわゆる仕事のできる人の多くは、往々にして普通の人とは違う頭の使い方をしています。
本記事では、ビジネスを効率的に進めるために必須のスキル「仮説思考」の鍛え方をご紹介します。

仮説思考とは

仮説思考とは、簡単に言うと「おそらくこうなるかな」と先を見通していく思考方法です。
仮説とは、自分なりの「仮の答え」です。
根拠(=情報やデータ)から問いに対する答えを探しにいくのではなく、限られた情報から最も確からしい「仮の答え」を先に想定した上で、あたかも「逆算」するかのごとく、その答えに必要な根拠を探しに行きます。
仮説思考は「逆算思考」と呼んでもいいかもしれません。

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仮説思考のプロセス

仮説思考は、基本的にこの4つのステップから成ります。
より精度の高いアウトプットを出すコツは、ステップ3までいったら終わりではなく、ステップ1~3をぐるぐると回していくことです。
ステップ3で得た知見を基に再びステップ1に戻り、最初の思い付きレベルの初期仮設をデータや事実で補強しながら、より確かな仮説へと育てていきます。


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仮説思考を身に付けるメリット

仮説思考は、様々なメリットがあります。

メリット①:作業スピードと質が上がる

仮説思考のメリットは、試行錯誤による余計な作業をしなくてもよいため、スピーディかつ集中して精度の高い仕事ができることです。
仮説を持たずに仕事をした場合は、試行錯誤のみで仕事を進めるため時間がかかります。
時間が無限にあれば、この方法でもいつか答えにたどり着けるかもしれません。
しかし、ビジネスでは常に限られた時間で結果を出すことが求められるため、仮説思考が必須になります。

メリット②:素早く軌道修正できる

「仮の答え」なので、もちろんデータ分析し検証していく過程で「間違いだった」と分かることがあります。
しかし、たとえ結果的に「仮の答え」が間違っていた場合にもメリットがあります。
思い描いていたストーリー展開から外れるので、間違いということに素早く気づくことができるし、新たな「仮の答え」を立てるためのヒントを得ることができるので、スピーディかつ的確に軌道修正していくことができます。

これからの時代、仮説思考がますます重要になる理由

仮説思考は、クライアント企業の問題解決を生業とするコンサルタントの思考法としてよく取り扱われてきました。
しかし、現代においては、すべてのビジネスパーソンが仮説思考を身に着けておく必要があります
これまでは、ビジネスの現場において、過去の成功パターンさえやっていれば、ある程度数字が伸びていった時代がありました。
しかし今は、テクノロジーの急速な進化により、変化が激しく先が読めないVUCA時代です。
そうした状況の中、ただ時代に流されていくのではなく、未来に目を向け仮説を持ちながら主体的に動き、スピーディに意思決定できる企業や個人が、ビジネスにおいては今後生き残っていきます

仮説思考を高める方法3つ

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仮説思考を身に付けるうえで押さえておくべきポイントをご紹介します。

方法①:「引き出し」を増やす

まず、仮説を立てるために欠かせないのは「知識」です。
どれだけビジネスや物事を見る「引き出し」を持っているかによって、仮説を持つ力に差がつきます
引き出しがまったくない状態では、初期仮設を立てることすらできません。
知識には、「経験から得られる知識」と「学習から得られる知識」の2種類があります。

【仮説の引き出し=知識(経験+学習)】

「経験から得られる知識」は、日々の業務をこなす中で蓄積されていくものです。
頭に最も深く刻まれる知識である一方で、自らが経験できることでしか得られないので、幅と深さが限定されたり、全体感が持てないという欠点があります。
それを補うのが、ビジネスを体系的に学ぶことで培われる「学習から得られる知識」です。

方法②:「問い」を身に付ける

よく使われる問いのパターンが分かれば、仮説を立てる際の糸口になります。
ここで役に立つのが「ビジネス・フレームワーク」です。

例えば、代表的なフレームワークの3Cを使って、新商品の企画に取り組む場合、このようにそのまま問いに翻訳して使うことができます。

・Customer(顧客):ターゲットとなる顧客は誰で、なぜ自社の商品を買ってくれるのか?
・Company(自社):顧客が買ってくれる条件を満たせているだろうか?
・Competitor(競合):他社はどのような戦い方で挑んでくるだろうか?

ビジネス・フレームワークの引き出しを増やし、ぜひ仮説を引き出すための糸口として使ってみてください。


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方法③:「使える仮説」を立てる

「使える仮説」とは、最終的に解決策(解決のためのアクション)につながる仮説のことです。
ビジネスは、分析するだけでなく、実際にアクションし成果を出すことに意味があります。

たとえば、上司から「営業力強化に関する提案」を出せと言われたときに、「営業成績が二極化しているのでは」と初期仮設を立てたとします。
これだけでは、たとえデータ検証できたとしてもアクションにはつながりません。
そこで、「使える仮説」を立てるために役立つのが、「So What?(だから何なの?)」と自らの仮説に問いかけることです。

「営業成績が二極化しているのでは」
↓ So What?(だから何なの?)
「成績が悪い人の底上げが必要なのではないか」
↓ So What?(だから何なの?)
「成績が悪い人は内勤に時間を取られ、顧客訪問ができていないのではないか」
↓ So What?(だから何なの?)
「無駄な時間を減らして訪問数を増やせばよいのではないか」

このように「So What?(だから何なの?)」を繰り返すことで、実際の解決のためのアクションにつながる仮説が見えてきます。

日常で仮説思考を鍛えるコツ

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仮説思考を鍛えるために、日常で意識して取り入れてほしいことを3つご紹介します。

  • ①論理的思考力を鍛える
  • ②因果関係を正しく捉える
  • ③未来志向になる

①論理的思考力を鍛える

論理的思考力とは、物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法です。
仮説思考を支える、最も重要な
思考法なので、ぜひ習得しましょう
難しいものに捉えられがちですが、誰もがトレーニングによって身に着けることができます。
論理的思考の詳しい鍛え方については、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

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論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛える3つの方法 論理的思考は、あらゆる業務をこなすうえでのベースとなる思考法です。習得のコツを解説します。

②因果関係を正しく捉える

仮説思考を鍛えるうえで、「物事の因果関係を正しく捉える」ことも重要です。
因果関係とは、原因と結果の関係のことです。
議論中に私たちがよくやってしまうのが「論理の飛躍」です。
何を根拠に主張しているのか、そのつながりがよく見えないことがあります。

例えば、「将来AIに仕事を取って代わられるのではないか」という話を最近頻繁に耳にしますよね。
本当にそうなのでしょうか?
漠然とした不安を、「よく知らない」ことが助長させていることはたびたびあります。
違和感を感じる話は、そのままうのみにせず、その話には「何の裏付けがあるのか」「どういう根拠があるのか」をきちんと調べたり分析する習慣をつけましょう

③未来志向になる

普段の生活の中で、「1年後どうなっているかな」「5年後はどうかな」と常に意識を未来に向けて生活してみることも、仮説思考を鍛えるのに役立ちます。
例えば、買い物に行った時に「将来この商品は残るのかな。それとももっと便利な商品に代わるのかな」「今こういう服が流行っているけれど、いつまで流行るかな」などと、疑問を持って考えてみましょう。

世の中は様々な情報であふれています。
ぜひ、日頃から様々なことに好奇心を持って情報収集し、自分なりの仮説を立てる習慣をつけてみてください

まとめ

仮説思考は、この先最も大切なスキルと言えるかもしれません。
まずは今何が起こっているのかに好奇心と興味を持って、常に問題意識を持つことから心掛けてみてください。

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オンライン体験クラス&説明会日程

10/19(土) 13:00~16:00

オープンキャンパス

開催:オンライン(Zoom開催) ※体験クラス・卒業生スピーチあり
本科(MBA)への進学や入試への出願を検討している方向け

10/22(火) 19:30~21:30

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催)
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け

11/2(土) 10:00~12:15

体験クラス&説明会

開催:オンライン(Zoom開催) ※卒業生スピーチあり
本科(MBA)への進学を検討している方・進学を視野に単科で1科目から学び始めたい方向け


著者情報

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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