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人生100年時代とは?これからの働き方やキャリア形成、マネープラン

人生100年時代とは?これからの働き方やキャリア形成、マネープラン

目次

医療やテクノロジーの発達、衛生面や所得面の改善により、先進国を中心に100歳まで生きる確率が圧倒的に高くなってきました。
長寿化は、単純に寿命が延びるだけでなく、人々のライフプランや働き方、教育のあり方などに、様々な領域に影響を及ぼしています。
従来では当たり前だったキャリアや人生の選択が有効ではなくなりつつある今、これからのキャリア形成や働き方を考えていくうえで押さえておきたいポイントをお伝えします。

人生100年時代とは?

「人生100年時代」とは、世界的にもベストセラーとなった『LIFE SHIFT』の著者であるリンダ・グラットン氏が提唱した言葉です。
同書では、先進国で生まれる子供の2人に1人が100歳以上生きる「人生100年時代」が到来すると予測しており、100年間生きることを前提とした従来とは異なるライフプランを立てていくことの必要性が述べられています。
長寿化の流れはもちろん日本も例外ではなく、「日本の2007年生まれの子どもの半数が107歳まで生きうる」と言われています。
人生100年時代の到来は、人々の生き方のあらゆる側面に影響を及ぼすため、当然政府にとっても、教育や労働、子育て、介護など、様々な社会制度について検討していく必要となります。
実際に、2017年以降日本政府では「人生100年時代構想会議」と称した会議を過去複数回実施し、人生100年時代を見据えた経済社会システムを創るための議論を行っています。

人生のマルチステージ化

それでは、100年ライフの人生設計は具体的にどのようなものになるのでしょうか。
従来のライフプランは、「教育仕事引退」という3ステージを基本としていました。
人生の前半で教育期間を終えるとフルタイムで働き、定年を迎えるとフルタイムで引退生活を送るというものです。
この3ステージの生き方を100年ライフで機能させようと思えば、金銭面の問題を解消するためにも、仕事のステージの期間を長くするしかありません。
しかし、『LIFE SHIFT』の著者 リンダ・グラットン氏は、ただ単純に長い年数働き続けるのはあまりに過酷で消耗すると述べ、ステージを組み替えながら柔軟に自分らしい生き方を見つけていくマルチステージの生き方を提案しています。
例えば、同時期に複数の仕事や活動に携わったり、社会人を経験して再度大学で学び直したりなど、人生において何度もステージの移行と変化を経験する生き方です。
今でもこのような生き方をしている人はいますが、今後はより一般的なものになっていき、同世代の人たちが同時期に同じようなキャリアの選択を行うという常識は、過去のものになると考えられます。

有形資産と無形資産への投資が重要

また『LIFE SHIFT』では、充実した100年ライフを送るためには、2つの資産が重要であると述べられています。
1つは、定年後に必要な有形の金銭的
資産です。
もう1つは、マルチステージを生き抜くための高度なスキルや知識、肉体的・身体的な健康、家族や友人との人間関係といった無形資産です。
有形資産と無形資産は相互にポジティブな影響を与えうる
ものであり、長く生産的な人生を築くためには両方への投資を意識していく必要があります。

人生100年時代における働き方の変化

これからの働き方を考えていくうえで、押さえておきたい3つの変化をお伝えします。

従来の定年の概念がなくなる

経済産業省の資料の中で「昭和の人生すごろくをコンプリートする概念はなくなった」と述べられています。
「昭和の人生すごろく」とは、年功序列の終身雇用で定年まで働いて、定年後は年金生活という人生のことです。
国の財政的にも、「60歳で定年し、その後は年金生活」というのは、もはや現実的ではありません。
さらに今後、定年は引き上げられ、70代後半~80歳になるとされています。
もし80歳まで働くとすれば、今までの前提から仕事をする期間は20年延びるわけです。

パラレルキャリアが当たり前になる

パラレルとは「平行」という意味の言葉で、パラレルキャリアは「複数のキャリアを並行する」ということです。
会社の寿命の短命化が進み、定年まで1つの会社で勤めあげることは稀になるでしょう。
そして「組織」から「個人」へとキャリアの主導権がシフトしていく中で、キャリアを自己責任で築いていくことが当たり前になっています。
複数のキャリアを並行することで、収入のみを目的とせず、スキルアップや価値観のアップデート、ネットワークの構築など、キャリアの糧となる資源を広く獲得するアクションが求められます。

キャリアの二毛作、三毛作

これはパラレルとは異なる概念です。
人生において、2回、3回とフィールドを変えながら働くことが当たり前になるということです。
30歳になったら次の仕事、40歳になったら次の仕事、そして、60歳からの転職みたいな話も、おそらく今後普通になっていくでしょう。
産業や組織が加速的に短命化し、スキルの消費期限も短くなっていく中で、望まずとも変化が求められる時代です。
生涯1つの組織で働く、1つの分野のみで食べていく、というキャリアプランは今後リスキーになります。

人生100年時代のマネープラン

平均寿命が延びれば、当然老後で必要に必要なお金も増えます。
現状から考えると、仮に年金が貰えたとしても、おそらく「雀の涙」程度の額になることが想定されます。
期待しすぎず「貰えたらラッキー」と考え、将来に備えておく方が賢明かもしれません。
将来に向けて金銭面で備えるためには、「稼ぐ」「貯める(貯蓄)」「増やす(資産運用)」の3つの方法がありますが、
最も有益で価値のある備えは、「稼ぐ力」を高めることです。
理由は、「貯める」「増やす」は、そもそも「稼ぐ」ことを前提とするからです。

稼ぐ力を鍛えるには、「時間単価」を意識しながら働くことが重要です。
「自分は1時間当たりいくらもらえる仕事ができるのだろうか」を意識すると、必然的に稼ぐ力をシビアに捉えざるを得ません。
私たちには時間単価を上げるために、この先どのような能力開発をしていく必要があるのかを真剣に考えることが求められています。

社会人の学び直しの重要性が高まる

従来の日本では、高等教育を終えた後は仕事に従事するため教育の場から離れるケースが一般的でしたが、人生100年時代では社会人が新たな知識やスキルを学ぶために大学・大学院で学び直すケースも増えてくると考えられます。
なぜなら、「パラレルキャリア」や「キャリアの二毛作、三毛作」が当たり前になると、私たちは常に自身の市場価値を意識する必要があるからです。
市場価値とは、自分を商品として考えた時の、世の中からみた価値(値段)のことです。 
今勤めている会社内での価値ではなく、「他社からみて価値があるかどうか」です。
市場価値が高い人材は、他社からみて魅力的な人なので、1つの会社に依存する必要はなくなります。
一方で、市場価値は一度高めればよいというわけではなく、テクノロジーの進化や労働市場の変化によって、求められるスキルや知識はどんどん変わっていきます
自分に市場価値があると思っていても、5年後には「それはもうAIでやっているから要らない」となっている可能性もあります。
なので、市場価値を維持、または高めるために、社会人の「学び直し」は必須になります。

今、「専門実践給付金」という制度があります。
雇用保険をかけている人は最大112万円(2020年4月現在)まで国から支給されるという、働く人のスキルアップや能力開発を支援する制度です。
知ってる人はそれを使って、着々と学び直しをしています。
学びやすい環境が整備されるほど、「学ぶ人」と「学ばない人」の格差は、広がっていくでしょう。

では、学び直すことを前提にしたとき、私たちは何を学び直せばいいのでしょうか。
2018年に経済産業省は、個人のライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」として定義ています。
どのようなスキルが今後求められるかは、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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社会人基礎力とは?人生100年時代に必要とされる3つの能力と鍛え方 社会人基礎力とは、「多様な人々と仕事をしていくうえで必要な基礎的な力」のことです。社会人基礎力を構成する3つの能力を紹介します。

まとめ

人生100年時代と聞くと、「長いなあ...」とネガティブな気持ちで捉える人も少なくないでしょう。
しかし、働き方や価値観も多様化する中で、従来よりも自分らしく生きることの追求がしやすくなってきています。
変化をチャンスと捉えるか、それとも脅威と捉えるかは、人それぞれです。

この100年時代にみなさんはどのようなキャリアを築いていきたいか、ぜひ考えてみてください。

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村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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