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「やりたいことを仕事にしよう」とよく言われます。しかし、実際に今いる会社で自分のやりたい仕事を実現しようとすると、理想と現実のギャップに悩む人も少なくありません。今回は、そうした悩みを抱えるビジネスパーソンに向けて、「やりたい仕事」を社内で実現するための3つのステップを紹介します。
①「やりたい仕事」は"作業時間"で言語化する
キャリア教育の普及により、「自分のやりたいことを大切にしよう」というメッセージが社会に浸透しています。しかし、会社という組織は利益追求が前提であり、すべての社員の希望をそのまま実現することはできません。
そこでまず必要なのは、自分が「やりたい仕事」をどれだけ具体的に捉えられているかを見直すことです。重要なのは、部署名や職種名ではなく、「どんな作業時間が自分にとって楽しいか」を明確にすること。例えば「マーケティング部に行きたい」ではなく、「顧客データをExcelで分析する時間が好き」といった具合に、実際の作業レベルで考えることがポイントです。
曖昧なイメージだけで進むと、「想像していたのと違った」となりがちです。子どもが「YOUTUBERになりたい」と言うのと同じで、華やかな部分だけを見て本質を捉えられていない場合があるからです。まずは「どんな作業なら何時間でも苦にならないか」を基準に、自分のワクワクする作業時間を言葉にしてみましょう。
②ワクワクした仕事には全力で取り組む
次に大切なのは、少しでも「これは面白そうだ」と思える仕事に出会ったら、150%の力で取り組むことです。たとえ未経験の仕事でも、最初から上手くこなせるとは限りません。それでも残業してでも成果にこだわることが、信頼とチャンスを生むきっかけになります。
実際に、話し手自身もVoicyのコンテンツづくりを通して、最初は成果が出るか分からない中で試行錯誤を重ねた結果、得意分野として社内外に認識されるようになったと言います。最初は不得意でも、楽しさと努力が伴えば、後から得意になっていく可能性もあるのです。
③自分にタグをつけて認知を広げる
最後のステップは、自分の強みや希望を「タグ」として整理し、社内で少しずつ発信していくことです。おすすめのタグは3つ、「得意なスキル」「それを発揮した実績」「これからやりたいこと」です。
これらのタグを使って、上司との会話や社内の懇親会などで自然にアピールしていくことで、自分の「やりたいこと」が周囲に伝わりやすくなります。話し手も、「コンテンツをつくるのが好き」とあちこちで伝えたことで、YouTube対談企画など新しいプロジェクトに呼ばれるようになったと語っています。
行動次第で「やりたい仕事」は実現できる
会社の中で「やりたい仕事」を形にしていくには、単なる理想論ではなく、具体的な行動が必要です。まずは自分の好きな作業を言葉にし、チャンスが来たら全力で成果を出し、その結果を少しずつ周囲に伝えていく。この3ステップを丁寧に積み重ねていけば、次第に「やりたい仕事」が現実のものとして動き出します。
著者情報

加藤 想(グロービス経営大学院 大阪校企画営業責任者)
神戸大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程(工学)修了。グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。大手通信会社にて設備設計業務、採用活動に従事した後、サービス戦略部門にて新サービスの立案、AI、BPRなどを担当。その後、グロービスに入社。グロービス経営大学院の学生募集企画にて学生のキャリア相談、新規施策立案などを行っている。また、グロービス経営大学院のVoicy「ちょっと差がつくビジネスサプリ」のパーソナリティを務める。
※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。