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コロナによって起こった社会の変化と、備えておくべき個人のキャリア

コロナによって起こった社会の変化と、備えておくべき個人のキャリア

目次

新型コロナウイルスの流行に加え、現代は何が起こるか予測不可能なVUCA時代。
最近、若手の社会人の方から「『世の中が変わる』と言われているけど、具体的にどんなことが変わるのでしょうか」といった質問をいただきます。
本記事では、コロナ前後で起こった変化を紹介しつつ、私たちが長いキャリアの中で気をつけていくべきことについて考えていきます。

近年のコロナ流行前に起こっていた変化

コロナ以前も、テクノロジーの急激な進化によって、各所で様々な変化が起こっていました。
しかし、「社会全体の仕組みが変わる」というレベルの大きな変化は、徐々に移行し普及していくといったものでした。

経済環境の変化

様々な評価があると思いますが、安倍政権になってこの数年間は少なくても株価はかなり上がりました。
そして、デフレも若干解消されたような状況にはなり、景気そのものもそれなりに良かったということなのだろうと思います。

企業の競争環境の変化

以前、こちらの記事で、テクノロジーの進化によって、次々と画期的なサービスが生まれ、これまで想定していなかった業界の企業と競合しなければいけなくなったという話を紹介しました。
当然、最先端のところでは様々な変化が起こっており、どの業界も急に戦いのルールが変わる可能性を秘めています。
しかし、基本的にはまだまだ同じ業界の企業間で戦っていることが多い状況でした。

雇用・働き方の変化

終身雇用は終わったと言いながらも、1つの会社で長く働いていらっしゃる方は非常に多いですし、それを良しとする文化も根強く残っている気がします。
景気が良くなれば、転職者も減るというのも、これまでも繰り返されてきたパターンです。
年功序列もそれなりに薄れてきたものの、たとえば「大企業で40代前半の人がスピード出世で執行役員になった」というような話も、それがいちいちニュースになるといったことも今だにあります。

個人のキャリアの変化

個人のキャリアというのは、その人自身の「生き方」の問題なので、本来は個人が考えて行くものです。
しかし、従来の日本の企業では、新卒で入社して、決まった研修を受けて、おおよそ何年おきに異動して、何年ぐらい働いたら役職が変わって...といったように、会社主導でどんどん個人のキャリアが作られていくことが多くありました。
そして、おそらく今もそのような企業は多く、実はあまり変わっていないのかもしれません。

コロナ流行により劇的な変化を余儀なくされた

コロナ流行以前は、「社会全体の仕組みが変わる」というレベルの大きな変化は、数年かけて徐々に移行し普及していくといったものでした。
しかし、コロナ流行により、私たちはライフスタイルや働き方などの急激な変化を余儀なくされました。このような急激な変化は、コロナが流行しなくても、「そのうち起こる変化」だったわけですが、それが「急加速した」のだと思います。
今後、予測されるであろう変化についてご紹介していきます。

これから予測される変化

経済環境の変化

まず劇的に変わるのは経済の環境でしょう。
コロナにより明らかにいろいろなことがダメージを受けたので、しばらくの間は低成長、もしくは今年~来年あたりはマイナス成長になる可能性があります。

企業の競争環境の変化

今までこういった会社が、こういうことをやるとは思ってなかったよね」といったことが、どんどん始まり、そしてそれが加速していくと思います。
例えば、「家電のイメージの強いパナソニックが自動車を作り始めた」というのも1つの異業種競争です。そして、コロナの流行により、多くの人のライフスタイルや考え方に浸透しつつあったものが、引っくり返された事例もありました。
近年は「シェアリングエコノミー」といった、個人でモノを所有せず、必要に応じて利用するといったサービスの導入が増えていました。
その中で「カーシェア」の利用も一般化しつつあり、個人での自動車の購入数も減っていました。
しかし、コロナにより「やっぱりいろんな人が利用するカーシェアって感染が怖いよね」となり、「安くていいからやっぱり自分の車が欲しい」といった意識変化も起こっています。

雇用・働き方の変化

コロナにより多くの企業が打撃を受けましたが、会社の売上が上がらないと、当然終身雇用といった制度を維持するのは難しくなります。
人の流動もどんどん進み、企業側も従業員の一生に責任を持つのは難しいので「空いている時間に、どうぞ副業でお金を稼いでください」と、企業が副業を推奨するといったことも増えていくのではないかと思います。
年功序列については、たとえば2020年4月1日に日本電産という日本を代表する会社が、いきなり成果主義を導入しています。
その他の企業でも、コロナがきっかけで人事評価制度を変えたという動きが出てきています。
自宅からのテレワークになれば、普段の仕事ぶりが見えにくくなるため、やはり成果に重きを置いた評価にならざるを得なくなるのでしょう。
コロナ終息後もテレワークが一般的になれば、こうした動きも加速していくと思われます。

個人のキャリアの変化

今後、企業が個人の「人生全般に責任を持つ」ということは、当然難しくなるでしょう。
「自分は何をやりたいのか」「どういうキャリアを選びたいのか」といったことを、一人一人がきちんと向き合って考え、自分で道を切り開いていかなければなりません。
そして、常に能力開発し、個人としての「市場価値」を高めていかなければならないという圧力も強まっていくと思われます。
市場価値とは、自分を商品として考えた時の、世の中からみた価値(値段)のことです。

こちらの記事で、市場価値が高い人の特徴について解説していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

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どこでも誰とでも働ける!転職で市場価値が高い人の特徴と高めるコツ 転職の文脈で良く聞く「市場価値」ですが、ウィズコロナでは転職の希望の有無に関わらず、誰もが市場価値を高めていかなければなりません。

まとめ

今回ご紹介した内容は、直近起こるだろうと予測される変化でした。
この変化に対応するために、一番効果的なのは、やはり自分の能力を高め磨いていくことです。

もし社内の能力開発環境が不十分であると感じたら、外部の機関で学ぶというのも1つの手です。
例えば、私が教員を務めるグロービス経営大学院では、マーケティングや経営戦略、リーダーシップ、思考力を鍛える講座など、ビジネススキルを学べる講座が豊富にあります。
講座は2週間に一度、計6回の開催。
3ヵ月でかなり思考の仕方が変わりますので、ぜひ検討してみてください。

またグロービス経営大学院では、随時オンラインにて『無料体験クラス』を実施しています。
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著者情報

田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)

田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)

慶應義塾大学理工学部卒業、修士(工学)、博士(学術)、スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業・中央省庁・自治体などを中心に、調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院にてマネジメント業務・研究等を行なう傍ら、リーダーシップ開発系思考科目の教鞭を執る。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』、共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』等がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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