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伝え方が上手な人が実践している6つのコツ

伝え方が上手な人が実践している6つのコツ

目次

「ちゃんと伝えたいことが、伝わっているのだろうか?」
「相手に分かりやすく伝えるには、どうしたら良いんだろう?」

ビジネスにおいて、そのような悩みを抱えている人は多くいます。
本記事では、伝え方が上手い人が実践している6つのコツを紹介します。

押さえてきたい伝え方のポイント2つ

まず始めに、伝え方を上達させるうえで、心にとめておきたいポイントが2つあります。

ポイント①:「相手に何が伝わったか」を意識する

ついつい「上手く話そう」ということに意識が向いてしまいますが、重要なのは、「自分が何を伝えるか」よりも、結果として「相手に何が伝わったか」です。
自分ではしっかりと言いたいことを言えたと思っていても、想像していたものとは異なる受け取り方をされたり、内容が理解されていないこともあります。
なので、上手な伝え方ができるようになるためには、「自分が伝えたいことを、正確に相手に伝える」トレーニングが必要となります。

ポイント②:伝えるタイミングにも気を配る

コミュニケーションの際に忘れてはいけないのは、どこまで相手に寄り添えるかということです。
例えば、「正しい人が正しいタイミングで正しいことを言う」ことは、一見正しいことのように思えますが、聞き手側からすれば辛い場合もあります。
「あなたに言われたくない」「今日は勘弁してください」などと思うことも、往々にしてあるからです。
したがって、相手の立場をどこまで配慮できるかという点も大事になってきます。

また、伝えるタイミングにも気を配りましょう
非常に重たい話を、金曜日の帰り際や夜遅くなどに言われてしまうと、それを抱えて週末を過ごす羽目になります。
相手がショックを受けることを言わなければいけない場合や、言った後の変化を見たい場合には、午後一で言って夕方までの様子を観察するといった方法をとることをおすすめします。
同様に、1週間の始まりである月曜日の朝8時に重たい話をするのも、また問題です。
相手への興味関心を含めて、「相手が今どんな状況にあって、何なら伝えられても大丈夫か」なども考慮することが大切です。

日常的に取り入れたい、伝え方のコツ

自分の考えや意見を上手に伝えられるようになるためには、日々の積み重ねが重要です。
普段からぜひ意識していただきたい、伝え方のコツを紹介します。

①相手の前提を理解する

まず、必ず押さえておきたいのは「相手には、相手の世界がある」ということです。
自分と相手の前提は、必ずしも一致していない可能性があることを意識しましょう。
私たちは、知らず知らずのうちに、自分の前提を相手とのコミュニケーションに持ち込んでいます。

このような氷山モデルをイメージしてみてください。
私たちが知覚できる他者の行動は、水面に現れている氷山のわずか一角だけで、海中に隠れている氷山が相手の前提です。
持っている前提が異なっていれば、伝わる内容にもズレが生じます。

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相手の前提を理解するためのポイントは、「1.情報」「2.解釈力」「3.価値観」の3つの観点で、相手と自分との間にどのくらい差があるかを把握することです。

【1.情報】

日ごろ接している情報の量と質のことを指します。
コミュニケーションをする双方の間に、どのくらいの情報格差があるかを押さえておかないと、健全なコミュニケーションは成立しません。
例えば、「経営においてダイバーシティは重要だ。自社でも施策を推進していこう」と伝えても、日ごろからダイバーシティについて多くの情報に触れている人と、初めて接する人とでは、メッセージの受け取り方に大きな差があります。

【2.解釈力】

例えば、社内で「今、自社のROEが4%になった」という話が出たとします。
その数字から、今の会社がどのような状況にあるのかを解釈できるかどうかは、各自が持つ「解釈力」に依存します。
この例では、「会計リテラシー」の差によって、理解度に違いが生じます。
コミュニケーションの際には、話す話題について相手がどのくらいのリテラシーを持っているかをを正しく把握し、言葉を選ぶ必要があります。

【3.価値観】

価値観の差によって、同じメッセージが異なる受け取り方をされた経験は、プライベートを含め多くの方が持っているでしょう。
例えば、「市場環境が厳しい状況だから参入すべきでない」という人もいれば、「厳しい状況だからこそ、あえて参入すべき」と考える人もいます。

②結論を最初に言い切る

無意識の状態では、人は考えた過程をそのまま話してしまう習性があります。
ビジネスシーンでは、聞き手に負荷をかけないよう、結論(=伝えたいメッセージ)を最初に言いましょう。
そして、最後にも繰り返して伝えると、さらに効果的です。

(例)
「お伝えしたいことはAです」
「なぜそう言えるかというと〇〇だからです」
「したがって、Aということをお伝えした次第です」

一方で、結論を最後に伝えた方が有効なケースもあるので、使い分けを意識しましょう。
例えば、心理的な駆け引きで、できるだけ手の内を見せず相手の出方を探りながらコミュニケーションを図る場合です。

③結論を一言にまとめる

伝わりにくいコミュニケーションの典型的なパターンは、話し手自身が伝えたいメッセージを整理しないまま話しているというものです。
伝えるべき結論(メッセージ)が自分の中でクリアになっていないと、相手にも伝わりません。
「絡まった思考」を整理するためには、「伝えたいことを、事前に目と耳で確認してみる」ことが、シンプルかつ効果的な方法です。

例えば、目の前に難解なプレゼン資料があった場合、「結局伝えたいことを一言で表すと何だろうか?」と自問し、書き記していきます。
そして、再度「相手に伝えたいことはこれで間違いないのだろうか?」と念を押し、違和感があれば修正していきましょう。
その過程で思考の整理も進み、伝えたいことをまとめられるようになります。

④結論を支える「根拠」を考える

結論(メッセージ)は、言いっぱなしではいけません。
「なぜそう言えるのか?」という疑問に答える根拠もセットで必要です。
主張を支える根拠を考えるうえで、「演繹法」「帰納法」という2つのアプローチ方法 や、ビジネス・フレームワークの活用が有効です。

詳しくは、こちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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⑤相手の立場で考える

主張と根拠の筋道がきちんと立っていても、「相手が聞きたいこと」が抜けていれば、不十分です。
例えば、ある新商品の企画を役員に提案する際に、役員がどういうことに疑問を持つかを押さえた根拠を用意しておかなければなりません。
「どのくらい売上が見込まれるのか?」「ブランドにどう影響するか?」「なぜ今やるべきか?」といったことかもしれません。
相手の立場で考えた「主張と根拠」によって、初めて相手にとって説得力のあるメッセージとなります。

⑥具体的に語る(数字、ストーリー)

どれだけ意味のある「主張と根拠」を作っても、具体性が欠けると相手に伝わりません
具体的な内容にするためには、「数字」と「ストーリー」の2つが有効です。

【数字】

「市場は大きくなっています」と言うよりも、「この市場は毎年5%成長を遂げています」と伝える方が、インパクトがありますし、相手もイメージがしやすくなります。

【ストーリー】

相手にとって情景がイメージできるような話を添えることで、伝えたいメッセージを相手が受け取ってくれる下地を作ることができます。

まとめ

相手に分かりやすく伝える力は、日々の積み重ねによって磨かれていきます。
ぜひご紹介した6つのポイントを日常業務で取り入れて実践していってみてください。

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著者情報

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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