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折衝力とは?交渉力との違い・共通点と折衝スキルを高めていく方法

折衝力とは?交渉力との違い・共通点と折衝スキルを高めていく方法

目次

顧客への提案やプロジェクトマネジメントなどにおいて、成功の要となるスキルのひとつが「折衝力」です。
本記事では、折衝力が高い人の特徴や折衝力を高める方法についてご紹介します。

折衝力とは

折衝力とは、利害関係が一致していない相手と、問題解決に向けて駆け引きを行う力のことです。
「最終的な折り合いをつける力」とも言えるでしょう。

交渉力との違い・共通点

折衝力と似ているスキルのひとつに、交渉力があります。
交渉は、お互いの利益の最大化や納得できるゴールを目指します。
それに対して折衝は、そもそも利害関係が一致しない相手とのやりとりなので、妥協点を見出すことがゴールになります。
例えば、交渉がスムーズに進まなかったときに「ここまでなら譲歩できる」という線引きを行うイメージです。

折衝において重要なのは、相手が絶対に折れたくないポイントは何かを見誤らないことです。
その上で、相手が求める代替案をどれだけ提案できるかによって、折衝の結果が大きく左右されます。
このように、折衝は交渉と比べて「駆け引き」の要素が強く、より冷静さが求められると言えます。

また、交渉力と折衝力の共通点を見てみると、下記のようなポイントが挙げられます。

  • ①相手の立場を理解し、複数の仮説を立てながら話を進める。
  • ②相手の出方や求める条件などの論点を整理し、事前準備を行う。
  • ③感情的にならずに、冷静に議論を進める。

これらは、交渉・折衝どちらの場面でも活用できるので、ぜひ覚えておいてください。

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折衝力が高い人の特徴

では、折衝力が高い人には、どんな特徴があるのでしょうか?
折衝力が高い人に共通する3つのポイントをご紹介します。

相手の立場になって考えることができる

うまく折り合いをつける上で重要なのは、徹底的に相手の立場になって考えることです。
例えば、こちらは把握していないけど、相手が求めている条件があるかもしれません。
あるいは、相手の上司など第三者から、プレッシャーがかかっているかもしれません。
そういった見えない部分を探りながら、広い視野で相手について考えることが大切です。

状況をみながら代替案を提示できる

利害関係が異なる相手の場合、どちらの要求も通らず、話し合いが難航してしまうことも...。
その際に重要なのが、相手の反応を見ながら代替案を提案するということです。
相手の表情や仕草、場の雰囲気を見ながら、「どのラインなら要求が通りそうか」などを考えられると、うまく折り合いがつけられるようになります。

客観的に物事をみることができる

交渉と比べて駆け引きの要素が強い折衝の場面では、冷静さが求められます。
折衝力の高い人は、議論している最中も、その場を俯瞰して見ることができます。
物事を客観的に見ることで、お互いの意見を洗い出したり、論点を整理したりすることができるのです。

折衝力を高める方法

折衝と聞くと「難しそう...」と感じてしまう人も多いのではないでしょうか?
ここでは、折衝力を鍛える方法についてご紹介します。

論理的思考力を高め、説明力を高める

折衝力のベースとなるのは、論理的思考力です。
相手の意図を正確に捉え、自分の要求を分かりやすく説明することが重要になるからです。
とくに、自分の考えを言語化する際は、抽象度の高い言葉を使っていないか意識しましょう。
相手との妥協点を探る中で、抽象度の高い言葉を使うと、認識のズレが発生する場合も...。
具体的な言葉を使うことで、説明力が高まり、おのずと折衝力の向上にもつながります。

論理的思考力の詳しい鍛え方については、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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相手の感情にも配慮する

「人間は、どんな場面で感情が動くのか」といったことへの理解を深めましょう。
相手は人間なので、感情で動くことも往々にしてあります
「相手は今どんな感情なのか」「どういう感情を表現すれば心を動かせるか」などを計算することも、折衝の場面では重要です。

相手の主張にもしっかりと耳を傾ける

大前提として、相手の話を真摯に聞く姿勢も非常に大切です。
「この人は自分の話を真剣に聞いてくれているのか」ということは、気配や雰囲気で分かってしまうものです。
話の展開が見えたら先回りして話し始めたり、途中で遮ったりするのは避けましょう。
どんな場面でも、まずは相手の主張をじっくり聞く「傾聴力」を意識してください。

事前準備やシミュレーションをしっかりと行う

こちらの要求に対して、相手はどんな出方をするか事前にシミュレーションしましょう。
折衝の場面でなくても、「いろいろな方面から物事を捉える」「人間や状況を観察する」などのトレーニングを日常的に行うことをおすすめします。
そうすることで、「こういった質問をしたら、こんな返しがくるだろう」といった仮説も立てやすくなるでしょう。

実践的な折衝力を身に着けるには?

実践レベルで習得したいという方は、外部の機関を上手に活用して学ぶというのも1つの手です。
例えば、国内最大のビジネススクール・グロービス経営大学院では、人を動かすために重要となる合意形成の考え方を学びながら、ロールプレイを通じて再現性のあるスキルを身につけていくファシリテーション&ネゴシエーション』という講座があります。
講座は2週間に一度、計6回の開催。
3ヵ月でかなり思考の仕方が変わりますので、ぜひ検討してみてください。

(▼講座の詳細はこちら)
『ファシリテーション&ネゴシエーション』講座

また、グロービス経営大学院では、随時オンラインにて『体験クラス&説明会』を実施しています。
授業の雰囲気や進め方を知りたい方は、まずはこちらからのご参加をおすすめします。

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まとめ

さまざまなコミュニケーションの中でも、利害関係が一致しない相手との折衝は、難易度が高いです。
だからこそ、折衝力をはじめとする複雑なコミュニケーションスキルは、AIに代替されない「人間ならではのスキル」と言えるでしょう。

自分が望むものを手にできるかどうかは、ビジネスを進める上で非常に重要です。
まずは上記で挙げた特徴やトレーニング方法を見ながら、自分の弱みや今できていないことなどを知るところからはじめてみてください。
一つ一つ行動を意識し続けることで、着実に折衝力を磨いていくことができます。

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著者情報

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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