お使いのブラウザはサポート対象外です。推奨のブラウザをご利用ください。

【研究科長の日々のつぶやき⑦】組織変革

【研究科長の日々のつぶやき⑦】組織変革

目次

グロービス経営大学院・田久保研究科長によるミニコラム『研究科長の日々のつぶやき』をお届けします。
第7回目のキーワードは、「組織変革」。
「ウィズコロナ」「ニューノーマル」といった言葉をキーワードに、様々な企業が組織変革を強いられている今。
難易度も高いこの課題について、どのように対応していけばよいのでしょうか?

今年も残すところ、数日となりました。
時間が経つのは本当に早いものです。
グロービス経営大学院では、4半期に1度のサイクルでクラスが変わります。
そこで教鞭をとらせていただいている私は、毎年数多くのビジネスパーソンの方の出会いがあり、今年も本当に多くの学びを、受講生の皆さんから頂きました。
本当に役得だなぁと改めて思います^^
ありがとうございます。

本からは「過去」、人からは「現在」について学ぶ

読書が好きで、本をよく読むのですが、やはり人から聞く色々な生の声を聴くのも良いものです。
本当に勉強になります。

本からは過去について学び、人からは現在について学ぶ
そしてそれらを通じて、未来に向けて考えたり、準備をしたりする

こんなことを来年も続けられるとよいですね。

組織を変える「ポジティブアプローチ」6原則

2020年は新型コロナウイルスの流行により、様々な企業が影響を受けました。
そこで今回は、「組織を変えたい!!」と思われている方におすすめの書籍『組織を変える「仕掛け」』をご紹介します。

組織論、リーダーシップ論に関わる最新の知見をふんだんに盛り込みつつも、非常に分かりやすくそのコンセプトを紐解きながら、組織を変える「仕掛け」について、深めていくといった内容です。
本書の中で、引用されている何冊かの本を読んだことがあるのですが、その内容を極めて平易な言葉に置き換えてしまう筆者の能力には脱帽です。
分かりやすすぎて引っ掛かりがないのが、逆に言えば難点かもしれません^^

本書の基本的なコンセプトは、筆者が「ポジティブアプローチ」と呼ぶ6原則から成ります。

  • 1.信頼感のある対話の場をつくる
  • 2.メンバーの「察知力」を高める
  • 3.一人ひとりをリスペクトし、強みを認める
  • 4.主体性を引き出す
  • 5.自他非分離の場をつくる ストーリーテリングの重要性
  • 6.潜在的リーダーシップでサポートする

文字にしてしまうと、「なんだそんなことか、どこかで聞いたことがあるな」というようなものが多いように思えます。
しかし、この本のすごい所は、それぞれの原則について、具体的に何をすると効果があるかを徹底的に考えていることです。

コンセプトだけを出して、「で、具体的にはどうするの?」というタイプの本ではありません。
例えば、察知力を高めるために、トイレ掃除をすることなどが有効と説き、なぜそれが効果的なのか、説得力のある議論が展開されます。
1つでも、2つでも気づきがあり、明日からの生活に生かせれば、少しずつ何かが変わるのだと思います。

心に残ったフレーズ

最後に、心に残ったフレーズをいくつかご紹介します。

自律的な要素が集まり、相互作用が起こることで、それぞれの要素が持つ性質の単純な総和とは異なる、新しい機能や形質、行動を内包した、新しい秩序を生み出す「創発」を行いたいのです。

組織を変える「仕掛け」

空を群れをなして飛ぶ鳥の先頭が、つぎつぎと入れ替わっていくようなイメージです。環境の変化に合わせ、誰もがリーダーシップをとれる組織にしていかなければならないということでしょう。

組織を変える「仕掛け」

言葉というものは、人々の想いを引き出す力をもっていますし、その逆もあります。同じねらいでも、用いる言葉によってどれだけメンバーの共感を引き出せるか、どれだけ前向きな取り組みの引き金になるかが決まります。

組織を変える「仕掛け」

関係の質が向上すると、思考の質が向上する。それによって行動の質が向上すると、結果の質が向上する。これが成功の循環です。

組織を変える「仕掛け」

変革プロセスで重要なことは、魂の入っていないプランをサラサラとつくらないようにスピードを落とすことです。メンバーが本当に考え、腹に落ちている言葉ならどんなに稚拙に見える表現でも構いません。

組織を変える「仕掛け」

210830_Cnote_bnr_PC_.jpg

210830_Cnote_bnr_SP_B.jpg

著者情報

田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)

田久保善彦(グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長)

慶應義塾大学理工学部卒業、修士(工学)、博士(学術)、スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業・中央省庁・自治体などを中心に、調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院にてマネジメント業務・研究等を行なう傍ら、リーダーシップ開発系思考科目の教鞭を執る。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』、共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』等がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

BACK TO CATEGORY

Related Content

合わせて読みたい記事

【MBAは意味がない?】取得する理由とメリット

【MBAは意味がない?】取得する理由とメリット

武田勇#3|武器は知らないと使えない。理論を学ぶためMBA進学

武田勇#3|武器は知らないと使えない。理論を学ぶためMBA進学

北村早紀#3|プロジェクトを回し切る経験がしたい。営業職へ転身

北村早紀#3|プロジェクトを回し切る経験がしたい。営業職へ転身

【おすすめ書籍】『キャリアロジック』年収1000万円を超えるルールとは?

【おすすめ書籍】『キャリアロジック』年収1000万円を超えるルールとは?

【研究科長の日々のつぶやき⑥】決断力

【研究科長の日々のつぶやき⑥】決断力

Recent Entries

最新記事

5/31(金)【20代・30代限定】ディスカッション形式で学ぶ メンバー育成のためのコミュニケーション

5/31(金)【20代・30代限定】ディスカッション形式で学ぶ メンバー育成のためのコミュニケーション

5/10(金)【グロービスセミナー】人と組織を動かす力~成果を出すための動き方とは~

5/10(金)【グロービスセミナー】人と組織を動かす力~成果を出すための動き方とは~

ワークライフバランスとは?定義や目的、充実させるメリットを解説

ワークライフバランスとは?定義や目的、充実させるメリットを解説

人格者とは?特徴と人格者になるための行動習慣

人格者とは?特徴と人格者になるための行動習慣

Share