自律的なキャリアを築く「ビジネススクール」という選択 ── 変化の時代に求められる学び直し

自律的なキャリアを築く「ビジネススクール」という選択 ── 変化の時代に求められる学び直し

目次

はじめに ─ キャリアの次の一手を「社外の学び」で探す

働き方が多様化し、副業や転職、起業などキャリアの選択肢が増える中、「学び直し(リスキリング)」や「社外での学び」を検討するビジネスパーソンが増えています 。

現代は「VUCA」、より深刻な複雑性を表す「BANI(脆さ、不安、非線形、不可解)」の時代と呼ばれ、予測不能な環境下で自らキャリアをデザインする力が求められています 。

30代・40代を迎え、「今の仕事に限界を感じている」といった不安を抱える方、あるいは20代で会社の中だけでは得られない成長を求めている方にとって、ビジネスを体系的に学ぶ「ビジネススクール」は、有力な選択肢となっています。

スキルや知識の習得だけでなく、考え方・視座・ネットワークの拡張を目的に、働きながら通う社会人も少なくありません。

ビジネススクールという選択肢がもたらすメリット

ビジネススクール(後述しますが、学位取得型のビジネススクール)で経営を体系的に学ぶことは、時間とコストがかかる一方で、長期的なキャリアに対して次のような大きなリターンをもたらします。

高度な経営スキルと論理的思考力の習得

経営戦略、ファイナンス、組織マネジメントなど、経営全般の知識と、経営環境の変化に対応できる論理的思考力、意思決定力が体系的に身につきます。

キャリアの選択肢拡大と市場価値の向上

転職や昇級・昇格に有利に働き、経営コンサルタントや経営企画、新規事業立ち上げといった、より戦略的な職種への道が開けます。また、社会における市場価値と年収アップが期待できます。

質の高い人脈形成

さまざまな業種・バックグラウンドを持つ優秀な同期生や実務家教員と交流することで、通常の就労環境では出会わないビジネスパートナーや顧客と出会い、今後のビジネスに活かせる人的ネットワークを構築できます。

特に次のような方にはオススメです。

  • 経営・マネジメントにかかわりマネジメントスキルを伸ばしたい方
  • 独立・起業を考えリーダーシップや人脈形成、ファイナンス知識を身に着けたい方
  • 転職・キャリアアップを求め幅広く深く経営知識を得たい方

ビジネススクールとは? ─ スタイルによって異なる学び

ビジネススクールは、経営やマネジメントを体系的に学ぶ教育機関です 。大きく分けると以下の2つのタイプがあります。

学位取得型(経営大学院)

    • 経営に関連する領域(従来のヒト・モノ・カネに加えて、近年ではAI・SDGsなど時代にあわせた領域を学ぶところもあります)を、通常2年間かけ、体系的に網羅して学びます。
    • 修了時に経営学修士(MBA)などの学位が授与されます。
    • 夜間・週末型が中心で、ケースメソッド、実務家教員、修士論文など特色は学校ごとに異なります。

非学位・短期型講座

    • 特定のテーマやスキルに特化した短期集中講座です。
    • 学位は取得できませんが、特定のスキルアップや知識の補完に有効です。

国内MBAの多様な選択肢 ─ 「研究」か「実践」か

国内の経営大学院には、さまざまなものがありますが、その学びの「本来の目的」に着目すると、「研究・理論重視」か「実務・実践重視」かという見方もできます 。自身のキャリアに合わせて、検討することが重要です。

研究・理論重視のスクール

経営学における真理の発見、理論の構築(への自分なりの貢献)を本来の目的としています。
経営理論を深く学び、研究活動を通じて、体系的な知識の習得や、論理的思考力の極限までの深化を目指します。
将来的に研究者となることを視野に入れた学びの場を提供するスクールもあります。

実践・実務直結のスクール

現役の実務家として成長することを最大の目的としています。
「実務で使える力」を重視し、経営理論をおさえたうえで、ケースメソッドやPBL(プロジェクト型学習)等を通じて、現場での意思決定力や課題解決能力を養います。

入試制度の理解 ─ 「研究計画書」と「エッセイ」

志望校のタイプによって、入試の準備内容は異なります 。大学院側が何を重視し、受験生に何を求めているのかを理解して対策を進めることが重要です。

研究計画書(論文)を課すケース

    • 主に学術志向のスクールで、入学後の「研究テーマ」を構造的に記述した文書の提出が求められます。
    • これによって、受験生のテーマ選定の視点の鋭さや、研究計画を的確にまとめて記述する論理的思考力、学術的な探究心が問われています。

エッセイ・面接を重視するケース

    • 実践志向のスクールに多く、これまでの経験や成し遂げたいこと、学習目的を問う形式が一般的です。
    • これによって、受験生の実務経験、学びへの動機の強さ、そして将来の志(Will)や、実践的な課題解決能力が評価されています。

また、入試準備に不安を感じる方や、特に論理的な記述が求められるスクールを検討している方には、専門の受験対策講座から情報を得るという選択肢もあります。

例えば、国内MBA対策講座を展開するアガルートアカデミーでは、各スクールの入試傾向や対策方法が紹介されています 。志望校検討の際の参考情報として活用してみるのもよいでしょう 。アガルート内にはグロービスの紹介ページもあります。 ▶ [ グロービス経営大学院の紹介ページ(アガルート)]

ビジネススクール選びのポイント ─ 納得感のある選択のために

自分に合ったビジネススクールを見極めるためのチェックリストです。以下の視点を参考に、自身のニーズと照らし合わせてみてください。さまざまな学校がありますから、実際に学校に足を運んで、自分の目で見て雰囲気を感じてみることをお勧めします。

育成方針とクラスの質

  • 学校が発信する教育方針と、在校生・卒業生の実態が整合しているか。
  • 実務家教員と研究者教員の比率、および授業スタイル(講義、ケースメソッド、PBLなど)はどうか。
  • 学生の年齢構成や出身企業の多様性、ネットワーク構築を促す仕組みがあるか。

カリキュラムと成果

  • 実践力/論理的探究力向上の方法論や、次の時代を見据えた科目が用意されているか。
  • 修了生が企業や社会、学界で実際に活躍しているか。
  • 修了生の成果(メディア/ジャーナル掲載、起業、昇進など)が公表されているか。

利便性と柔軟性

  • 自宅や職場からのアクセス、またはオンライン受講の仕組みが整っているか。
  • 履修ペースの自由度や、転勤・ライフスタイルの変化への対応制度があるか。

キャリア支援と人脈

  • 第一線で活躍するの経営者/研究者と接する機会や、修了後の転職・起業支援サービスはあるか。
  • 卒業生組織(アルムナイ)が活発に活動しているか。

雰囲気と事前の確認機会

  • キャンパスの雰囲気や、スタッフの対応が親身であるか。
  • 説明会や体験授業、あるいは入学前に授業を体験できる制度などがあるか。

おわりに ─ ビジネススクールという"次のステップ"

今のキャリアに「次の一手の必要性」を感じているなら、学びを再起動させるビジネススクールは有力な選択肢です 。まずは説明会や体験クラスに参加し、自分に合った学びの場を探すことから始めてみてはいかがでしょうか 。

著者情報

吉峰 史佳(グロービス コンテンツオウンドメディアチーム)

吉峰 史佳(グロービス コンテンツオウンドメディアチーム)

早稲田大学第一文学部、東京大学大学院情報学環教育部を修了。HR業界紙の編集者、AI開発スタートアップでの広報を経て、現職でグロービスのオウンドメディア編集に従事。自身もグロービス経営大学院 経営研究科 経営専攻を修了している。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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