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課題発見力を高める方法。潜在的な問題を見つけるための3ステップとは

課題発見力を高める方法。潜在的な問題を見つけるための3ステップとは

目次

前回記事では、問題解決能力の鍛え方をご紹介しましたが、解決するにはまず「課題そのもの」を明らかにする必要があります。
今回は、課題発見力を身に付けるために重要なポイントを解説します。

そもそも問題とは何か

詳しくはこちらで紹介していますが、問題には大きく3種類あります。

  • ①発生型:すでに表面化していて、明確に見えている問題。
  • ②設定型:自ら目標設定し、達成する上で発生する問題。
  • ③潜在型:まだ表面化していないけれど、これから発生する可能性がある問題。

課題発見力とは

課題発見力とは、「現状を把握・分析し、問題を見つけていく力」です。
そして、とくに3つ目の「潜在型」の問題を見つけることは、難易度が高いため、周囲と差別化するためにもぜひ身に付けていただきたいスキルです。

問題を発見するための3ステップ

問題解決力を高めるためには、「この日常が永遠に続くとは考えない」ことです。
つまり、日常を日常と捉えずに、「何か問題があるはず」「このままいくと、将来何か起こるはず」と考えることが大事です。
こういった意識を持つことを前提として、問題を発見するためのプロセスをご紹介します。

ステップ①:少し先の理想(ありたい姿)をイメージする

日常的な課題だとすると、3ヵ月~半年先くらいの理想の状況を考えてみましょう。
理想を想像するために、「もっとこうだったらいいのにな」と、現状に不満を持ってみることも有効です。

ステップ②:現状起点で理想をとらえる

このまま日常が続いていくと、①で描いた理想の状況に到達するのか、それとも到達しないのか
そういったことを考えてみてください。

ステップ③:理想と現状のギャップを考える

もし理想の状況に到達しないようであれば、現状の進捗スピードと比べて、どこにギャップがありそうなのかを考えてみましょう。
そのギャップが「課題」となります。

課題発見力を高める方法

課題発見力を身に付けるための3つのポイントを紹介します。

方法①:ゼロベース思考を持つ

セロベース思考とは、前提や思い込みを一旦「ゼロ」にして考える思考です。
人間は、ついつい自分の経験や、今までの延長線上で物事をとらえてしまう癖があります。
テクノロジーの変化が激しく、ビジネスでも根本のルール自体がひっくり返されることが多々起こる今、ゼロベース思考は重要視されている能力の1つです。

ゼロベース思考は、3つの力から構成されます。

【1.前提を疑う力】
私たちは、2つのオプションを提示されると、ついその2つの中から選択してしまいます。
「そもそもこれ以外のオプションがあるのではないか?」と考えるのが、前提を疑う力です。

【2.目的に戻る力】
あれこれと考えたり、議論をしていると、つい本来のイシュー(課題、論点)からずれていくことがあります。
イシューを押さえ続ける力も必要となります。

【3.森を見る力】
今どこの話をしているのかを全体構造で考え、それぞれの要素とのつながりを意識して捉えることが大事です。
ゼロベース思考の注意点としては、ゼロに引っくり返すだけではだめということです。
例えば、議論の中でしてしまうと、ただの感じの悪い人になってしまう可能性があります。
代替案まで出して価値があるので、セットで考えるようにしましょう。

方法②:クリティカルシンキングを身に付ける

前提を疑う力を鍛えるには、自身の「思考の癖」に気づくことがポイントとなります。
思考の癖を改善するのは、「クリティカルシンキング(批判的思考)」という、意識的に自分の考えを批判的にみる思考法が有効です。
クリティカルシンキングを鍛えることで、主観や先入観に捕らわれずに物事を見る力が養われていきます。

一方で、クリティカルシンキングは、書籍を読んだり、動画を観ただけでは、なかなか習得が難しい思考法でもあります。
グロービス経営大学院など、講座として提供しているビジネススクールもあるので、困ったら外部で学ぶというのも1つの手です。
講座は2週間に一度、計6回の開催。
3ヵ月でかなり思考の仕方が変わりますので、ぜひ検討してみてください。

(▼講座の詳細はこちら)
『クリティカルシンキング』講座

またグロービス経営大学院では、随時オンラインにてクリティカルシンキング講座の『無料体験クラス』を実施しています。
授業の雰囲気や進め方を知りたい方は、まずはこちらからのご参加をおすすめします。

(▼日程一覧はこちら)

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方法③:未来志向で現状をとらえる

「この先の未来にはどういったことが起こりそうか」
今の日常が永遠に続くとは考えず、常に意識を未来に向けて現状をとらえる癖をつけましょう。
未来志向は、日ごろから様々なことに好奇心を持って情報収集し、自分なりの仮説を立てる習慣を持つことで磨かれていきます。

課題発見において注意すべきこと

課題は解決してこそ価値があるので、発見するだけで満足や終わりにしないようにしましょう。
また、課題を指摘するだけの「評論家」になると、「なんだ、この人は」と思われるかもしれません。
課題を発見したら、課題解決全体のプロセス(課題発見~解決策の立案~計画~実行)にしっかりと責任を持つという意識が非常に重要です。

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まとめ

課題発見力を鍛えるには、「ゼロベース思考」「クリティカルシンキング」「未来志向」の3つがポイントとなります。
こちらの記事で、課題発見後の「問題解決力」を身に付けるための方法を紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

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著者情報

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

村尾 佳子(グロービス経営大学院 経営研究科 副研究科長)

関西学院大学社会学部卒業。大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策修士。高知工科大学大学院工学研究科博士(学術)。大手旅行会社にて勤務後、総合人材サービス会社にてプロジェクトマネジメント、企業合併時の業務統合全般を経験。現在はグロービス経営大学院にて、事業戦略、マーケティング戦略立案全般に携わる。教員としては、マーケティング・経営戦略基礎リーダーシップ開発と倫理・価値観経営道場などのクラスを担当する。共著に『キャリアをつくる技術と戦略』、27歳からのMBAシリーズ『ビジネス基礎力10』『ビジネス勉強力』『リーダー基礎力10』がある。

※本記事の肩書きはすべて取材時のものです。

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